アップデートの内容は、「1月下旬~2月上旬(予定)」と発表されているWi-Fi対応ではなく、SH-03Cなどで発生していた不具合の修正が2件と、トルカをメールに添付する機能追加のあわせて3点。XPERIAやGALAXY Sでもアプリはアップデートできるが機能に追加・変更がないことが明記されている。
また、アップデートしても既存のメールデータ等はそのまま移行できることを確認した。
このうち、SH-03C対象のアップデート内容に「スリープ時の自動受信にかかる時間を短縮」がある。
スリープ時であったことが理由かどうかはわからないが、たしかにspモードでのメール受信が遅延しているのか、数時間遅れて数通のメールをまとめて受信する場面がしばしばあった。ただ、毎回必ずというわけではなく、多くの場合はリアルタイムに受信できるので現象の見極めができなかったが、この修正で改善されるか確認したい。
また、おサイフケータイ搭載のスマートフォン限定となるが、トルカアプリからspモードメールアプリを起動してトルカを添付する機能が追加されている。(使えそうな場面が全く想像できないが…)
これ以外の機能追加や動作速度の向上などは、今回のアップデートには含まれていないようだ。
マーケットに書き込まれた散々なレビューを引用するまでもなく、現時点のspモードメールアプリは非常に評判が悪い。少し検索してみるだけでも、多くの改善要求があふれている。
spモードメールアプリこそ、「ガラパゴス」と揶揄されるフィーチャーフォンのメール機能を存分に盛り込んでほしい。iモードメールアドレスの受け皿たるためには、同等の機能を用意することは必須だろう。
電話帳のグループ管理による着信音鳴り分けやフォルダ振り分けのほか、添付ファイルの自動プレビューなど、どのフィーチャーフォンにでも搭載されている機能が備わっていないspモードメールアプリを、回りくどい操作体系で使わされ、ユーザーがドコモに期待する通信品質にあるまじきメールの受信不具合が頻発している現状では、アプリの評価が低くなるのは当然だろう。
【参考】 spモードメールアプリでの画像付きメールの取り扱いについて
- spモードメールで写真付きメールを受信すると… (2010/12/6)
ドコモ自身がスマートフォンでもiモードのメールアドレスが使えるようになったことを大きくアピールしていたように、ドコモのキラーサービスはワンセグでもおサイフケータイでもなく、信頼できるネットワークに裏打ちされた通信サービスである。さらに、spモードは、今後ドコモがスマートフォン向けに提供する多くのサービスの基盤となるプロバイダサービスのはずだ。ユーザーが一番最初に「spモード」を目にするメールアプリの印象が悪くてはspモード自体の普及を阻害しかねない。
spモードメールアプリの改善は、スマートフォンへの移行が想像を大きく超えるスピードで進んでいる中で最重要と言ってよい課題だ。
ゼロから作り直すくらいの抜本的な改善を強く期待したい。
【参考】
- spモードメールアプリが4000にアップデート、Wi-Fi対応 (2011/2/1)