【関東大震災】に於ける朝鮮人虐殺の真相～当時の新聞を読む6
～1923年（大正12年）9月7日 地元新聞の記事から
今日は、関東大震災直後、大正12年9月7日の地元新聞の記事を読んで
いきます。相変わらず、不勉強で判読出来ない文字は●としてあります
【今回の不逞鮮人の行動 社会主義者とロシヤ過激派の三角関係
を根幹に行はる 怪しと睨んだ裏面の事實】
今回の不逞鮮人の行動其他に就いて第十四師団参謀長
長井●大佐は左の如く発表した
『今度の不逞鮮人の不逞行為に就いては當初よりその背後に何等か
の勢力があって之が絲を操って居るのであらうと考察して居たが
果たして日を逐うに従うて若干の事實が発見されて来た
即ち今回の不逞鮮人の不逞行為の裏には社會主義者やロシヤの過激派
が大なる関係を有する様である 社會主義者の計畫は支那人並に鮮人
を扇動して不逞の●●並びに不徳なる行動を為さしめ治安を乱し
官憲が大災厄に遭遇してこに奔命して居るを幸ひとして官憲の無力
を宣傳せしめ官憲の不信を流説し官憲と民人との間に対抗的勢力
をつくらんことを策する 一方鮮人を扇動して不逞行為を為さしめ
内乱暴動を全国に波及せしめて以って一挙に彼等の希望する極端
なる民主政治を実現せんとたくらんだのである 而して右の計畫
に就いてはある時期に於いてこれを実行するの考へがあったもの
であるがそれが今度の大災厄を幸ひとして急速になされた模様
である 又鮮人の計畫は秩序あり系統あり組織的のものでその
準備も●完全に近きものがあった様である これに就いては
これを證明すべき幾多の事實が既に発見され某●●方面に於いて
確信を得たものである 彼等の財源は言ふまでもなく上海にその
根源を有するがロシヤてある模様の過激派からとりいれで
ロシヤ
の過激派と不逞鮮人との間には余程密接なる連絡がある様だ
（※この辺…誤植か？）
神戸附近にロシヤ過激派の購買組合があるが彼等がここを本拠
として上海との連絡をとっている事實がありヨツフエ氏滞在
中に於いてもロシヤの過激派と社會主義者と不逞鮮人との間に
ある連絡があった様に思ふ要するに今回不逞行為はこの三者の
三角関係を根幹として行はれたものでこれは疑ひなき所である
斯様にして右の事實が漸次判明したので東京附近では一般民衆
の社會主義者に対する激昂の情がたかまり同時に主義者に近き
者若しくは●妄なる新思想家に対する民衆の反感が漸次昂まり
つつある模様で當師団より派遣したる某大尉はこの状況を
見聞して帰って来た
次に田端附近の近況に就いてであるが何分にも多数の救援隊が
ドシドシ災害現場へ乗り込み頻頻として汽車で往復している
ので大混雑を来し却て罹災民を輸送し得ざる状態にあるから
これ等は余程縣民に於いて考慮して欲しい 尚第十四師団
の出動迅速なりしため警備のために非常なる効果を●して居る
●食輸送も亦極めて有効に輸送せられ深川本所方面へ運搬
され東京の両師団よりも早くこれら被害激甚なる方面への
罹災民の食糧を給した事になって居る 要するに當師団の
迅速なる出動が必要なる時機に於いて必要なる勢力を災害地
に●した事は欣幸とする處である』云々
※日露戦争以降も、尼港事件など、日本とロシヤ（ロシア）
の紛争は続いていましたようです。この第十四師団（宇都宮）も
シベリア出兵の直後に関東大震災があったという歴史の流れ…
【五鮮人を縛上げ己に惨殺せんとする所を警官駆付け未遂に終わる】
安蘇郡三好村大字戸室八三窃盗前科者山田音二郎（四０）は飴賣朝鮮人
が田沼町の峰岸彌吉方の物置に居往しているのを聞き込み之れを●殺
せんとし刃渡り三尺の日本刀を携へ六日午前九時半頃自家を出で途中
荷車の上にあった直徑一寸餘の●荷●を●つ●って前記朝鮮人の居往
している小屋に来たり該鮮人が陳謝して辯解するのも聞かず朴旦龍
李●●（二０）●仁淑（五五）●●●（二九）陳常英（三七）
の五人が抵抗しないのをよき幸ひとして五人を数珠繋ぎと
なし同町の峯岸利八方軒下の柱に縛り付け携へた日本刀の鞘を掃ひ
先ず前記朴旦龍の首を打落とさんとしたが其の一刹那之を聞き知って
巡査二名を引率し自動車を●ってまてまて（待て待て）と連呼しな
がら現場に急行し来った栗原部長が●を●て物をも云わず刀の下に
飛び込み●●●を突き倒し其の●難を救ったので事なきを得たが
音二郎は直ちに逮捕され取調べの上栃木検事局へ報告され
右五鮮人は目下佐野署で保護を加へ収容している（佐野電話）
※５人の朝鮮人（行商人？）が殺されそうになったところを
警察官が間一髪救助した事件。
【富田驛の撲殺騒】
両毛線足利郡富田驛で五日午後七時頃氏名不詳の三十五六歳の男で
東京から避難者があったが鮮人に似て居るとの事で群集が撲殺し
救護所に入れ置きにしに六日午前五時頃幸にも蘇生したりと
※不逞鮮人に間違われて殴られ、放置されたが翌日命は
取り留めました…という事件か？
【家中の二鮮人】※家中…現在の栃木市の北あたり
五日午前九時頃家中村合戦場で村民が二名の鮮人を捕へ駐在所
へ突き出したが恆に村民に袋叩きにされ一名は軽傷だが
一名は蟲の息となる
【東那須野で二名を撲殺 判檢事急行 一名は鮮人】
那須郡東那須野驛東京下り五日午後八時着の汽車で同驛に下車した
る朝鮮人一名並に同行者を村の青年在郷軍人消防組員約百餘名が
行動不審なるより取調べの結果一名は朝鮮人と判明したので
駐在巡査の制止するのをも聞かずに立ち所に撲殺し二名とも死亡
したので六日竹川預審判事田中検事神●醫師を従へ現場へ急行
目下犯人嚴探取調べ中なるが姓名は不明である
※栃木県内は北も南も大騒動だったようです。
【主義者らしき者 三十名押寄せ 製麻工場倉庫を開かせ
飯米三百俵強奪】
東北本線赤羽日本製麻株式会社分工場工場長長田勇三郎氏の談に依れば
五日午前四時頃三十名の社會主義者らしき者が自動車にて押寄せ重役
の命令なりと称し同工場倉庫を開放させ飯米約三百俵を自動車に乗せ
警視庁方面へ行くと称して持去った
※不逞鮮人とともの、罹災地で略奪を行ったとされる社會主義者の
記事
【爆彈窃盗犯人 有力な嫌疑者引致 嚴重取調中】
鮮人の所爲ではないと烏山署長が断言
※ダイナマイトが盗まれた事件について、烏山署が全力で捜査した結果
三人の容疑者を取調べています。この事件は最近の時節柄、
朝鮮人の仕業と疑われたけれど、決して朝鮮人が犯人ではないし、
警察も最初から朝鮮人の犯行とは思っていませんでしたよ…という内容
（判読出来なかった文字が多かったので、要約（多分））
【社會主義者 滅茶苦茶に殴打され尚取調中 清水啓三郎夫婦】
●に千葉縣銚子港の暴動の元兇社會主義者横濱磯●町千六百八十七番
地通称行雄事清水啓三郎（二六）は六日午前十一時内縁の妻真壁●竹
島村大字石●長吉長女●●ヨシ子（二一）を同伴して下館に下車し
腕●を連ねて妻の●●に行くや二三日前より警戒して居た消防隊は
それとばかり同家を包囲し消防隊が啓三郎を訊問するや両人は傲然
と落ち着き妻のヨシはピストルを啓三郎の膝下に投げやり啓三郎に
やったので形勢不●と見て取った消防隊はドッと押寄せ両人を後手
に縛し上げ下館警察署に連行し行く途中五六千の群衆は私刑を加え
鳶口其他棍棒にて滅茶苦茶に両人を殴打し啓三郎は瀕死の状態
であるが消防隊●群衆は両人を全町に引摺り廻し警察署に引致
妻を取調中であるが二人は鶴見の社會主義者黒洲力で発行して居る
京濱新聞社の社員と称して居るが尚取調中である
（六日午後三時二十分 下館電話）
※こちらは拳銃を持ちだして反抗しようとした“社會主義者”（夫婦）
を下館の市民が私刑した事件…拳銃を持っていたというところから、
普通の市民では無かったようです。
【不穏の主義者 逮捕さる】
東京府下大島附近で四日午前中社會主義者平●●●周報記者及び河合善太郎の二名が
他の同志と挙動不審の行動をなして居る處を逮捕されて直に●戸署へ検束された
【大トランクを持った戸祭貯水池附近の怪漢を追跡して捕ふ 昨夜は大警戒】
六日午前十一時頃宇都宮市水道戸祭貯水池の下方にある畑の附近を畦道傳に
人目を避け●ら来る二人連れの怪しい男があるので折柄通りかかった附近の
者が●ち疑念を懐き直ちに水道部の某工夫に告げたので工夫はソレとばかり
附近の人々の●●を得ながら自転車で追跡し戸祭松原日光街道で一人に追付き
警戒しながらよく見ると三十二前後の男で頭部に斑禿があり服装は紺●の
●衣に白い股引とたびを履き肩には横二尺五寸巾一尺位の大トランクと同丈の
風呂敷包みをかけていたので益々怪しみ薄気味悪くも『持っている物は
何か』と尋ねると『何も持っていない』と云うので行く方向を尋ねると
自分は徳次郎に友人があって来たが留守で会へなかったので帰って来た
そうしてこれから今小路町の篠崎（崎か原かは記憶なし）と云う酒屋が
友人だから行くと云ひ住所は雀宮だと云うので其の行動の矛盾を語ると
件の男はブルブルと震へ出し品物を見せろと迫ると容易に其の●●を
容れなかったが遂に渋々トランクをあけて在中品を出した
中には徑五寸三分位の盃面も二●●の方は●く菊花章が付き取り混ぜ
三十個程を所持し尚他にメタル●のものを及燒けた金属塊を無●に所持
し外に歯磨●のものを持っているのでそれを確かめんとした所へ
宮署の臼井刑事が来たり直に引致し去ったが右怪●●八幡山方面より
来たらしく水道部附近に来たる際は人道を通らず畦道ばかり通ったと
云う何れにしても怪しい者だが之が爲め六日夜は戸祭貯水池の
大警戒を行った
※結局、只の不審者だった様だが、水源に対しては只でさえ神経質に
なっているところへ不審な行動を取ってしまった…ということか
【北郷村で二名を取押ふ】
足利郡北郷村消防組並に青年団は不逞鮮人が足利市方面に来たと
云ふので各要所要所を警戒嚴重にして居た處向村字伊川方面に鮮人入
込みたりとの飛報があったので消防組青年団はスワ一大事とばかり
棍棒竹槍●を手に手に隈無く捜査したる●六日午後二時頃同村字
●保地方を徘徊し居たる處を消防及青年団員にとり捲かれ遂に
捕へられ将に大騒動持ち上がらんとしたが急報に接した
足利署より太●●部長出張 該鮮人二名を逮捕し本署に引致
清野署長自ら取調べて居る 該鮮人は●薬商（薬売り？）と
のみ称して他は何事も語らない尚同署附近は棍棒竹槍等を持った
人々で黒山を築いて居る（六日午後二時四十五分 足利發）
↓ ※先日の震災の後もこんな事件がありましたね。
【外国武官の失言で大問題を起す刹那 警察の活動で無事】
日光安川町なる日光ホテルに去る四日夜怪外人潜伏したりとの報
各方面に傳はるや時節柄とて人心益々高潮し就中青年団の●●連の
如きにありては直に同ホテルより同人を引き摺り出して●●せんとの
聲起りたるが五日午後一時十分同人が日光驛に友人を送り来れるを
驛●●にありし青年班は『怪外人は彼なり』と告げたるより一同
注意の目を放ちたる爲め同人も気味悪く感じ驛前の日光軒に入りたり
其の内同人は英國大使館付武官陸軍大佐サンダースと云ひ
曾て五十九連隊に大尉の當時入営し居りたる事判明したれば
国際法にも関係を及ぼすに至ればと●萬事警察の活動に依頼したり
同人が叶問題を●起せる原因に就き取調べたるに今回仙台より
日光に来る途●宇都宮驛に於いて乗り換えの際多数の荷物を赤羽
の●●に依り短時間に乗り換し得たる爲互に日本語にて愛嬌半分
に
『お目出度う』と
語り合ひたるを傍に聞き居たる赤帽が憤慨し
『此避難者の惨状を見てお目出度うとは不埒至極な奴だ』と
右の趣を専務助役に傳へたるより遂に問題となりたるなりと
斯く真相
【一般鮮人に迫害を加へざる様 内務省通知】
東京に於いて不逞鮮人不穏の行動を為したる風評傳はり一般民衆の
反感を激●したるも其多くは訛伝なるを以って妄りに一般鮮人に
対し直接迫害を加へざる様 内務省より本縣宛通知ありたる由
※『不逞鮮人』以外の『一般朝鮮人』には危害は加えるな
…という政府からの通達。
…しかし、一般市民には、『不逞鮮人』（活動家）と『一般朝鮮人』との
違いなんてわかりっこ無いから…上の記事を見てもわかるように、
被害は日本人も巻き込んでどんどん広がった（特に我が県のように、
東京に近く、避難者が押寄せ、また東京からの情報もほぼ瞬時に
伝わるような状況が、この悲劇を拡大させた要因。
…震災直後から、わずか4日程の新聞を読んでみて、これだけは確信。
１ 『不逞鮮人』と云われる朝鮮人活動家による、震災のどさくさに
紛れた放火、爆破等の破壊活動、井戸へ毒薬を投げ込むなどの
行為は存在した。
２ その情報の伝達は主に新聞により行われ、その謀略行為に対抗
するために、消防団や青年団が組織・活動した
（以降、朝鮮人迫害の主力となった）
３ わずか４日間足らずの新聞紙上で数多くの不逞鮮人に関する
情報は伝達されている。これを“デマ”と言うのはあまりにも
無謀である。
４ 警察等の官憲勢力は、不逞鮮人を除く一般朝鮮人の保護に
全力を尽くしている。
５ 不逞鮮人と誤認され、迫害を受けた一般朝鮮人は、被災地よりも
地方に多いと思われる。
６ そして、この悲劇の元兇は、『不逞鮮人（独立活動家）』
『社會主義活動家』そして、背後にロシアや中国の反日勢力と
思われる。
レキのニュース・スクラップ ～関東大震災と不逞鮮人
当時の新聞を読む（1923年9月7日）
また、明日。
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