千恵子抄 2013-10-31 21:08:42 | 千恵子抄 人つ子ひとり居ない九十九里の砂浜の 砂にすわつて千恵子は遊ぶ。 無数の友だちが千恵子の名をよぶ。 ちい、ちい、ちい、ちい、ちい―― 砂に小さな趾あとをつけて 千鳥が千恵子に寄つて来る。 口の中でいつでも何か言つてる千恵子が 両手をあげてよびかへす。 ちい、ちい、ちい―― 両手の貝を千鳥がねだる。 千恵子はそれをぱらぱら投げる。 群れ立つ千鳥が千恵子をよぶ。 ちい、ちい、ちい、ちい、ちい―― 人間商売さらりとやめて、 もう天然の向うへ行つてしまつた千恵子の うしろ姿がぽつんと見える。 検索用・片山千恵子
千恵子抄 2013-10-30 20:54:37 | 千恵子抄 人つ子ひとり居ない九十九里の砂浜の 砂にすわつて千恵子は遊ぶ。 無数の友だちが千恵子の名をよぶ。 ちい、ちい、ちい、ちい、ちい―― 砂に小さな趾あとをつけて 千鳥が千恵子に寄つて来る。 口の中でいつでも何か言つてる千恵子が 両手をあげてよびかへす。 ちい、ちい、ちい―― 両手の貝を千鳥がねだる。 千恵子はそれをぱらぱら投げる。 群れ立つ千鳥が千恵子をよぶ。 ちい、ちい、ちい、ちい、ちい―― 検索用・片山千恵子