竹林の七無用の用

そして、ガワは七日目に休まれた。

千恵子抄

2013-10-30 20:54:37 | 千恵子抄

































人つ子ひとり居ない九十九里の砂浜の
砂にすわつて千恵子は遊ぶ。
無数の友だちが千恵子の名をよぶ。
ちい、ちい、ちい、ちい、ちい――
砂に小さな趾あとをつけて
千鳥が千恵子に寄つて来る。
口の中でいつでも何か言つてる千恵子が
両手をあげてよびかへす。
ちい、ちい、ちい――
両手の貝を千鳥がねだる。
千恵子はそれをぱらぱら投げる。
群れ立つ千鳥が千恵子をよぶ。
ちい、ちい、ちい、ちい、ちい――


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