竹林の七無用の用

そして、ガワは七日目に休まれた。

千恵子抄

2013-10-07 21:37:53 | 千恵子抄









































あんなに帰りたがつてゐる自分の内へ
千恵子は死んでかへつて来た。
十月の深夜のがらんどうなアトリエの
小さな隅の埃を払ってきれいに浄め、
私は千恵子をそつと置く。
この一個の動かない人体の前に
私はいつまでも立ちつくす。
人は屏風をさかさにする。
人は燭をともし香をたく。
人は千恵子に化粧する。
さうして事がひとりでに運ぶ。


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