暗闇のどこかで
子供たちがダンス
妹がまわって
弟ははねて
鳥の姿で震えて
光になって消える
暗闇のあちこちで
子供たちがダンス
手袋は消し飛んだ
ヘルメットははじけた
猫も子犬もニワトリだって
闇のかけらを一緒に
おいかけた
見つけたものは
かすかではかない
ほんとは何もない
そのダンス
誰にも見えない
誰も踊ってない
あのダンス
暗闇のどこかで
子供たちがダンス
妹がまわって
弟ははねて
鳥の姿で震えて
光になって消える
暗闇のあちこちで
子供たちがダンス
手袋は消し飛んだ
ヘルメットははじけた
猫も子犬もニワトリだって
闇のかけらを一緒に
おいかけた
見つけたものは
かすかではかない
ほんとは何もない
そのダンス
誰にも見えない
誰も踊ってない
あのダンス
夜になるとペンギンがやってくる。
何かあったのですかと尋ねてもなにも答えずただ僕の顔を覗き込むだけなのでそれ以上は聞けなかった。あの瞳のような色の宝石を見たことがあると思う。
心当たりがあるとすれば、夕食にオムレツを食べたことくらいだろうか。
僕はペンギンのお腹で温められ、今日は二ヶ月目の吉日になる。
あれからオムレツも食べてはいない。
公園はいつも真夜中にあるらしい
一つだけ立つ街灯はまたたきもしないし
揺れることのないブランコの影の中
崩れることのない砂のことりの羽根の下
どこを探しても
何か大切な時を示す時計はみつからない
記憶は容易く別のものに変わるというのに
川向こうの町には空があふれている
たくさんの太陽があふれている
そのままたくさんの空に押しつぶされればいい
押し潰されて壊れてしまえばいい
町のざわめきはこの公園には届かない
バス停を降りるとそこがこの公園で
それでも誰一人真夜中のバスから降りることはない
どこから乗ってもバスの行先はこの公園だから
だれでも公園を訪れて公園を楽しめる
公園の真夜中を楽しめる
暗闇の中に名前など隠されていないのだし
真夜中の公園は心臓の隣にもある
バスが心臓を轢き潰さないように
公園でバスから降りる前には
そこが自分の心臓の隣でないと
何度でも繰り返し確かめることにしよう
それとも
公園には歩いて行くことにしよう
間違って心臓を潰さないように
ゆっくりと歩いて行くことにしようかと
声が消え文字が溶けゆく海にいる 楽しいことを何か話して
ブランコも鉄棒すべり台砂場 雪をかぶって今日はおやすみ
満月の足あとを一筆書きにする。誰もがそれを自分だという
月に降る雨など誰も見ないけどうさぎはいます巨大なやつが
ともだちはみんなやさしい電磁波でした泳いだことも泣くこともない