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村上春樹を英語で読む

なぜ、こう訳されているのかを考える。

「天使」はいつから「かわいい女の子」になったのか?

2015-10-15 18:50:12 | ことばの意味を実感する
次のような記事が目に留まりました。

天使すぎるアイドル、タレントの橋本環奈(16)が14日、CSファイナルステージ第1戦で始球式を行った。

この場合の「天使すぎる」は「とてもかわいい」の意味であると思われますが、「天使」はいつから「かわいい女の子」になったのでしょうか(本項中に答えはありません)。
 『大辞泉』で「天使」を引くと次のようにあります。

1 天界にあり、神の使者として人間に神意を伝えたり、人間を守護したりすると信じられるもの。ユダヤ  教・キリスト教・イスラム教などにみられる。エンゼル。
2 心の清らかな、やさしい人のたとえ。「白衣の―」
3 天子の使者。勅使。

どうやら2.の「心の清らかな、やさしい人のたとえ」あたりから「かわいい女の子」を指すようになったのでしょうが、そもそも「天使」に性別はないことになっています。
 しかし、英語でもangelは1590代には"loving; lovely"の意味で用いられていたようですし、 エルヴィスプレスリーは、映画の中でAngelという曲を歌っていました。もっとも、歌詞の冒頭は次のようなもので、「地上の少年を天国に連れて行ってください」とあって宗教的意味合いがあります。

Angel, with those angel eyes Come and take this earth boy Up to paradise

しかし、上の「天使すぎるアイドル」には、まったく宗教的含みはないので、この用法は日本語独自でしょうが、『大辞泉』に載っていないので、最近の用法と思われます。
 どなたか、初出例を探してみませんか?