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ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【映画】最後にして最初の人類

2021-07-31 23:02:48 | 映画
映画館より美術館が似合うと思う。

ティルダ・スウィントンの声で、未来の人類が語りかける、
人類の行く末の物語と、語り手の時代のありさま。

時に物語に重ね、時に意図を示さず映される巨大な造形物※1のモノクローム映像。
ストーンヘンジやイースターのような、古代の儀式場か記録の碑を思わせる。
未来の人類の技術は遥かな高みにあるから、古代の神と案外印象が近いのか。

メッセージに要求がない方がより素直に受け取れそうな気がするけど、
たぶんそこは本質ではなくて、この映像と音楽と語りが
未来や宇宙のビジュアルイメージを全く用いていないにもかかわらず
壮大な空間と長大な時間を想起させられる体験を味わえばよいのだろう。

この、過去への渡し方はVivy(アニメの)とも近くて、
量子コンピュータが出てきてる今の時代に見ると案外リアリティがある。

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公式サイト:https://synca.jp/johannsson/

それにしても一人の生で長大な歴史を経験した上でないと成熟と呼ばず
かつ、群れ的な精神性がそこに併存する社会とはいかなるものであろうか。
原作読みたくなった。国書刊行会※3による出版。いずこも在庫切れですね。

※1 実際は神殿・墓所等でなく戦争記念碑だそう。
※2 Vivy -Fluorite Eye‘s Song https://vivy-portal.com/#TOP
※3 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336045386/

(2021.7.31)


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