ただ見つめていた。そういう映画だった。
車上で、若からぬ女性が単身で日常を生き続けることに映るある種のすごみ。
ファーンや他のノマドな人々の、生活や生業のちょっとした場面に、
定住と定職ではないことに直接・間接に由来するリスクが見え隠れする。
それでも意思をもって選ぶ靭さよ。
いや、靭さって少しニュアンスが違う。
確かに強いんだけど、そんな大味な話じゃないよね。
真摯。
社会のセフティネットの際に在ること、
此方と彼方、向こう岸の話として単純に受け取れるかというとそうでもなく、
暗澹とした不安と安堵の欠片は、意外にも、自分から遠くはない。
もと居た場所から離れて知らない人びとの中で、過去はかつての場所に
くくりついて、人は身ひとつだ。
あるいは、何かにこだわることや、何かを手放すこと。
車一台に積めるものしか手元に残せないとしたら、何を選択すべきだろうか。
今住むとろこを追われるけれど、どこに行くのも自由だというなら、
一体どこに行くだろうか。
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公式サイト:https://searchlightpictures.jp/movie/nomadland.html
(2021.3.27)
あるいは、何かにこだわることや、何かを手放すこと。
車一台に積めるものしか手元に残せないとしたら、何を選択すべきだろうか。
今住むとろこを追われるけれど、どこに行くのも自由だというなら、
一体どこに行くだろうか。
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公式サイト:https://searchlightpictures.jp/movie/nomadland.html
(2021.3.27)