わずか10年。
紙の白にインクの黒。
余白と黒ベタと繊細な線に点。
描線が囲う白の布衣はふっくらと、花のつぼみのような、やわと硬の絶妙。
点が表すレースの透け感。
どれだけみても、見飽きることがない描線。
この触感的な視覚は、写真とたぶん全然ちがうから、見に来てよかったと思う。
時々、意地悪か巫山戯か、画面上で実在のひとをいじる。
解説読んでると、お気に入りや敬う相手にそういうことをしてるようなので
ナナメな愛情なのかもしれない。
愛情、そう。
作品から慈しみを感じる。
それは、被写体に対する慈しみではない。
描かれた作品それ自体への慈しみである。
自作を撫でる指先、少し上がった口角の表情が、想起されて、
毒のある絵なのにほのかにほろほろと楽しいのだ。
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異端の奇才――ビアズリー
三菱一号館美術館
2025年2月15日~5月11日
https://mimt.jp/ex/beardsley/
(2025.3.25)
紙の白にインクの黒。
余白と黒ベタと繊細な線に点。
描線が囲う白の布衣はふっくらと、花のつぼみのような、やわと硬の絶妙。
点が表すレースの透け感。
どれだけみても、見飽きることがない描線。
この触感的な視覚は、写真とたぶん全然ちがうから、見に来てよかったと思う。
時々、意地悪か巫山戯か、画面上で実在のひとをいじる。
解説読んでると、お気に入りや敬う相手にそういうことをしてるようなので
ナナメな愛情なのかもしれない。
愛情、そう。
作品から慈しみを感じる。
それは、被写体に対する慈しみではない。
描かれた作品それ自体への慈しみである。
自作を撫でる指先、少し上がった口角の表情が、想起されて、
毒のある絵なのにほのかにほろほろと楽しいのだ。
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異端の奇才――ビアズリー
三菱一号館美術館
2025年2月15日~5月11日
https://mimt.jp/ex/beardsley/
(2025.3.25)