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離婚裁判 昨日の手紙

2021年08月25日 | 離婚物語

今日も忙しく電話が鳴る、

はい、○○技研 関東法人営業所でございます、

はい、早急に手配いたします、

そうですね、其の頃には納車できると思います、現在生産が間に合わなくて

申し訳ありません、ところでトラックが変わるんです、マイナーですけどね

同僚たちの受け答えになんとなく耳を傾けて背筋を伸ばした、

法人の仕事はほとんどが本社から送られてくる納車依頼を受けることが多い、

自分で企業を訪問して車を売ることはめったにない、たまに先方から連絡が直接に

この車が欲しんだけれど、値段は?急ぎに欲しいんだよね、と連絡が来ることもある、

それは会社間で取引があり、その関係で車を買う互恵というものだ、これが結構簡単なようで難しい、

やる気にない営業はなにもしない、すべて人任せで自分は書類だけを作る奴もいる

まあ、やる気を出しても意味がないのだが、一生懸命に取引先に通い、何台か受注しても

互恵があるから誰でも注文は取れる、何馬鹿みたいに訪問してるんだ、となるから

始めはやる気のある奴も、なんだそんなもんかで営業をやらなくなる

そして社内でコンピューターを開き一日中にらめっこ、中にはうまく使えるからと評価が高いやつもいる

そんなんでは車がれることはないのだが不思議とこれが通用するんだな、

背筋を伸ばすと、天井がレ―ポート用紙のように白紙で広がっている、何気に眺めていると

右からタイプされるように文字が浮かんでくる、

ん、

昨日の手紙だ、日暮里弁護士事務所 大木弁護士から封書の手紙だ、

拝啓

当弁護士事務所は、貴殿の妻より離婚の依頼を受けております

つきましては当事務所の方に連絡をいただけますようお願いいたします、

何、

急な手紙だった、驚きと、恐怖が身体を包んだ しばらくは茫然とした

なんだこれ、

暫くしてから、小さな声でやっとつぶやいた

なんだこれ、まちがいか、

社から帰宅したばかりでスーツのまま茫然と立ち尽くした

なんだ・・・・・

 



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