花洛転合咄

畿内近辺の徘徊情報・裏話その他です。

壬辰年愛宕登山

2012年01月23日 | 徘徊情報・洛中洛外
 吉例愛宕登山、阪急嵐山駅辺りから見たところ、雪はそれほど多くなさそうです。清滝行きのバスは超満員でしたが、京都バスのいいところは混み具合を判断して機敏に臨時バスを出すところ、我々が並んでいたところにちょうど臨時バスが来て、清滝までは極めて快適でした。

             
             赤い橋から高雄方面

 本日も表参道を登ります。道々米買い道からツツジ尾根の話もしましたが、「誰も歩いてない道なんか気持ち悪い」とハナから相手にされません。来年もこのルートでは無理のようです。
 表参道、尾根まで登り詰めてしまうまでは実に急で、ここと長老ヶ岳の最後の登りが出来る人は北山ならどこでも登ることが出来ます(笑)。

             

 一昨年来、いろいろと山城に関する勉強をさせてもらったおかげで、この愛宕山の削平地もよく分かります。心眼を以てすれば愛宕山がもっとも栄えていた頃の賑わいも目に浮かぶようです。
 愛宕山は火の神様ですから、登り始めてすぐのところにある燧の社の石碑も愛宕山そのものを指すのでしょうか。

             

 表参道は来るたびに整備されていってる感じです。説明の立て札も新しいものが増えています。

             
             二十丁目

             
             二十五丁目

 いつものところにいつもの菰樽、頂上の神社ではこの神聖の樽酒を振る舞ってくれます。

             

             
             三十二丁目の丁石

 最初に展望が開けるところまで来ました。本日の展望は今ひとつ、昨年のようにはいきません。それでも眼下に広沢の池、双ヶ丘がはっきりと見えています。

             

 水尾分かれまで来ましたが、未だアイゼンの必要はありません。例年に比べて本年は雪が少ないと判断して良いでしょう。

             
             水尾分かれ

 黒門のところでアイゼン装着、これが無いと本当に楽なのですが、アイゼンのおかげで安全に進むことも出来ますから、まあ感謝しなくては。

             

 神社の境内に入ってきました。いくつか増えている小屋では皆々ナベなどをして楽しんでいます。小屋の外の木には霧氷、気温は-3度でいつもより2度は暖かい。

             

             

 最後の神社への石段は、やはりアイゼンがないと危険です。神社では例年の如く御神酒をいただき、お札を授かりました。神社内最奥の出雲さんにも参拝します。

             

             
             本年の干支

 神社への石段の途中に、竜神にお参りする参道があり、高雄に下りるにはこちらが近道になります。さすがに歩く人は少ない。信仰の山には大抵竜神の加護がありますが、この秩父古成層のポッチリから文字通りの竜ヶ岳まで龍脈が走っているのかな。

             

 ここから地蔵の辻までが、この辺りでは最も見晴らしの利くところですが、本年は今一です。昨年は伊吹山も見えたし、変なオバハンも拾ったし。今年は何と言うこともありません。それでも武奈や蓬莱ははっきりと見えています。

             

             
             地蔵の辻・道標です

 地蔵の辻から首無し地蔵へ。首無し地蔵近辺は伐採によって展望が良くなりました。また、最近は竜ヶ岳への通過点としてよく知られています。ここで、しばしコーヒータイム、風も無くてちゃんと湯が沸きます。来年は自分で水を持ってくることという宿題が出ました。ウジウジ峠、松尾峠の呼ぶ声も聞こえるのですが、本日は高雄への最短距離を採ります。

             

             
             首無し地蔵

             
             台座は道標 たじり・たんば・やまへ

             

 さて、ここからは長い長い谷山林道を行きます。途中で振り返れば、神社のあるポッチリが見えます。また、苔に咲く花などが徒然を慰めます。「谷山林道を極める」という考えも頭に浮かびます。心霊現象でも有名やしどうしよう。首つりもよく見られるらしいし…。

             

             

 昨年は倒木で大変な道となっていましたが、流石に基幹林道というか、その後キレイに整備され、本年は極めて快調に高雄に出ました。

                
                神護寺参道前女人結界石

             
             神護寺参道

 例の如く、もみぢ家にて打ち上げです。本年は最も若いメンバー(何と16歳)の希望によりスキ焼きです。羊羹をアテに日本酒を飲む小生は鳥スキや蟹スキ以外だったら何でもエエデー。後で勘定の時に「皆さんお酒呑みなんですか?」と言われてしまった。これは、宴席のみに参加した律儀な歩く植物図鑑の功績でしょう。

             

 前菜に出ていた数の子の和え物、蕪がタツノオトシゴに切ってあったのがおもしろかったのですが、羽子板の羽に似たツクバネというのは初めて食いました。

              

 かくして本年も目出度く愛宕登山ができました。16歳は別世界として、「1年1年が勝負やなあ」などという会話も聞こえます。今回のメンバーが、明年またまた無事に登ることが出来るように1年の息災を祈念し精進を期待する次第であります。



8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
新年の愛宕の山の御神酒かな。 (道草)
2012-01-24 10:41:29
今年も、念願の愛宕山年頭登攀が無事達成で何よりでした。私は家庭の事情で参加叶わず残念でした。ただ、長老ヶ岳もさりながら、愛宕山最後の急坂が完遂可能かどうか、年々奇しくなって来つつあります。まぁ、愛宕山は御神酒に惹かれて、と誘惑もありますので死ぬ気でも登るかも・・・。
さすがにgunkanatagoさんは、昼間の心眼と夜間の酔眼の使い分けもお見事、といつもながらの綿密な徘徊レポートには感服頻りです。
今年はや積雪が少なかった様ですが、それでも十分に雪山の雰囲気が楽しめて何よりでした。記事によりますと、竜神の下から高雄への近道があるのですか。昨年の私は石段下で待機して居て、結局は単独で長い谷林道を下ったものでした。首吊りは見ませんでしたが・・・。
最後の宴会では大酒豪も参加され、さながら酒呑童子の宴会となったのでしょうか。16歳の若者は、年頭登山の最後の締め括りは大酒だ、と学習したことでしょう。来年は、私も参加出来ますかどうか・・・。
「雪山を経てこそ美味しもみじ酒」道草
返信する
来年は是非 (gunkanatago)
2012-01-24 14:12:06
 道草様、コメントをありがとうございます。昨年度は遊撃隊として、大変活躍していただきました。来年(鬼が笑う・笑)、ご都合が良ければ是非とも参加していただきたいと思います。今年は、ちょっと愛宕を極めたいという気持ちも持っております。もし、よろしければ春の愛宕、夏の愛宕も御一緒いただければ嬉しいです。その折は、地蔵から越畑へ出て、まつばらで酒を飲むことになります(笑)。
 16歳の少年は、考えてみれば9歳から徘徊に参加してくれています。その時の打ち上げは梅田の居酒屋でした。「カンパーイ!」のムードはその時から知っているはずですから、そろそろ歩く植物図鑑を先生として、本格的に修行をしてもらおうと思っています(爆)。先ずは山頂でウィスキーを一気飲み、気がついたら麓の川の畔にいるというテレポートの練習から(爆)。
 今回、すき焼きは店にとってもニオイがこもるので別室を用意しなくてはならないなど結構迷惑をかけるということが分かりましたので、来年は初心に戻り厳粛に懐石です。とにかくカニすきだけは絶対にさせぬように注意していきます(笑)。
返信する
京の愛宕山・大阪は金剛山 (mfujino)
2012-01-24 21:34:35
gunkanatagoさま、恒例の新春愛宕参り、今年も楽しまれた様ですね。すき焼き美味そうですね。登喜和のに負けない表情をしていますね。

京都が愛宕なら、大阪は金剛山でございます。愛宕も様々なルートがあるのですが、ルートの数から言うと金剛は更に上を行きます。それと金剛山は霧氷を愛でる人でこれまたごった返します。我が大阪は阿倍野のGOGO会、今と違って親爺連中の髪の毛がまだまだふさふさしていた頃からみんなで上りました。発砲スチロールに入れて行けば昼食もホッカホカでございました。やはりアイゼンは無くてはなりません。もう一つは高見山。ここも榛原から臨時バスがバンバン出ましたね。高見山では海老の尻尾も見ることが出来ますね。ここではコッフェルの失敗談もあります。

さて愛宕ですが、我が50代の後半に上った時、強者が本道を1時間で上ったというので、そんなの俺でも出来るわい、と調子よく歩きましたがペース配分がまずかったのか水尾の分かれを過ぎてからペースが落ちてしまいました。そしたら若い女性がズック靴ですいすいと登って行くではありませんか。結局神社に到着した時は1時間半近くもかかっていました。その教訓があるので、金剛山を伏見坂から攻めたのですが、この時はずーと続く急坂をじっくりとやや押さえたペースを守って歩くと、他の人をどんどん抜かして登れました。持続、という言葉を体感しましたし、これはその後の人生にも生きています。山っていいもんですね。

丁石と言えば、九度山から高野山への町石道には町石が見事に残っていますね。

羊羹をあてに日本酒が呑めるとのことですが、私は善哉を食しながら球磨焼酎を呑んだことを思い出しました(^_*)熊野古道を歩いていて昼飯時にビールを呑みながら熱いうどんを食したことも。脱線しそうなのでこの辺で。
返信する
金剛山 (gunkanatago)
2012-01-25 13:32:51
 mfujino様、コメントをありがとうございます。金剛山、もう随分と長いこと登っていません。近年の宿題は奈良側の高天集落(神話に言う高天原との説も[鳥越憲三郎・出雲神話の成立など])からの登山ですが、もう何年越しになっているやら。
 ここでも迷った話があって、金剛山登山のつもりが吉野に向かって歩いていて、尾根の上から山仕事の人に指摘されました。「登ってこーい。」と言われたので尾根に出て、「ここを下りていけば本道だ。」と教えてくれたのですが、鵯越の逆落としでした。下の道に着くまでに何回も転がったのも楽しい思い出というところです。
 高見山は一回しか登っていません。その時が阿倍野に早朝集合でした。
 九度山から高野山への道、あそこを車で(強調)上がる度に「昔の人は偉いなあ」といつも思います。
 京都市内の中高生、猛者は鳥居本から試峠越えで愛宕神社まで40分です。是非挑戦してみて下さい(爆)。
返信する
都会住人の新春雪山登山 (mfujino)
2012-01-28 00:34:47
そうですか、鳥居本から40分ですか。これは歩くというより、走るのでしょう。走るといえば長老ケ岳、美山の中学生は静原の学校から大野方面へと走って長老に上って帰ってくるというマラソンが毎年あったそうです。今はもうやっていない様ですが。私が中学・高校時代、毎年秋には30kmちかい全校マラソンがあったのですがね。若いときにはこれ位はどうってことない距離なんですが、今は事故を恐れてばかりの時代になりましたね。

金剛山の高天原からの上りですが、これは高天原から高天彦神社へ、その左から上ります。ダイトレに合流したら頂上は直ぐそこです。ぜひ歩いてみてください。風の森峠方面から伏見峠を目指したとき、途中から道がなくなってしまい、あちこち歩いていたら同じくご夫婦も迷っておられ一緒にとにかく上へと歩いたことを思い出しました。

金剛葛城山系は身近に山を楽しめるフィールドですし、葛城はハイキングにも良し、史跡や古墳、寺社探索に良し、重伝建あり、徘徊の宝庫でございます。京都でこの役目を果たしてくれているのは愛宕界隈でしょうね。gunkanatagoさんが連休をとれる機会があればあちこちの尾根や谷を歩き、土田さんたちの龍の小屋で一献傾けながらの夜を楽しみたいものです。
返信する
ありがとうございます。 (gunkanatago)
2012-01-28 13:23:00
 mfujino様、高天からの登山道の話、ありがとうございます。今年は宿題を果たします(きっぱり)。京都の愛宕界隈につきましても、まだまだ知らないところだらけですので、ちょっと真剣にと考えております。
 中学生の愛宕登山、表参道を往復するだけのもので、タイムは往路のみです。昼飯も持たずに登って下りてくるだけですが、いくつかの学校で行事として残っているようです。
 美山の長老登山マラソン、これはスゴイですね。どのようなことでも事故が起こる確率というのはあるのですから、それを恐れて何も出来なくなるというのは残念ですね。我々は、妙見山耐寒登山でした。昔の能勢は本当に寒かったのですが、今は全然です。大阪の一部の私立高校で京都までの夜行軍をやっているようです。これは真夜中に国道を歩かせているのでチョット危ない感じです。金剛山耐寒登山にすべきですね。
返信する
新年吉例、羨ましいな。 (ささ舟)
2012-01-29 11:22:17
年が明けたら愛宕登山。すき焼きの新年会もくっ付き、平均年齢も若くて最高でしたね。4枚の羽のついたツクバネは木から落ちる時も舞い舞いしながら落ちる可愛い実です。山の子時代によく遊びました。最近は大本の七草粥でツクバネのお澄ましをいただきます。
あの日、うっすらと白い愛宕山をみて、「ヤーホー今どの辺りですか?」と春日坂から叫んでいました。聞こえたでしょう(笑)
愛宕登山、もう20年は行っていません。(主は新年3日に登っていましたが) あ、そうそう去年、細野愛宕道からウジウジ峠経由でクリンソウを見に連れてっていただきました。
最近、近所の同級生が「牛松山にのぼらへんか」と誘ってくれますが、自信がなく返事を延ばしていますが・・・。
返信する
聞こえましたよ(笑) (gunkanatago)
2012-01-30 13:27:09
 ささ舟様、コメントをありがとうございます。愛宕登山は例年3日と決まっているために、登り口あたりに来た時に東京の友人がいつもメールをくれます。ささ舟様のお声ももちろん聞こえましたよー(笑)。
 ツクバネというのは恥ずかしいながら今まで全く知りませんでした。本当ですね、澄まし汁に入れたら楽しい感じですね。
 首無し地蔵からは、登り1時間ぐらいで神社に行けると思います。季節のいい時に計画してもいいですね。牛松山は、長年の宿題(こればっかり)になっています。もし頂上に展望があれば亀岡盆地が眼下に見えて素晴らしいだろうなと思います。上り下り一本道ですから、頂上の金比羅さん詣でのおつもりで挑戦されてはと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。