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青き修羅

桑島法子さんの朗読夜を中心に賢治朗読の紹介・感想や賢治関係雑文。アニメ作品とそこでの声優さんの演技について感想等も。

朗読夜 ~春~2011・rebirth

2011-09-06 23:32:42 | 賢治朗読ー朗読夜
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/f6/8602d406e46a40fe0f6e8167ec56f515.jpg
上のアップ画像リンクは、イーハトーブの旅人たちで贈った花束。
残りの写真は下記のブログに(写真はspookyさんより)。
http://ameblo.jp/guchi-k/entry-11008964032.html


2011年8月20日(土)
花巻市文化会館大ホール

第一部

パーカッションの佐藤唯史さんとベースの大本まさとも(漢字は不明)さんだけが舞台に出てきて、
桑島さんは影マイクかと思いきや、
左側中央の入口前で朗読されてて。

・春
・雲の信号

爽やかな感じで清々しく。

舞台まで移動しながら、途中のお客さんと握手する桑島さん。

・洞熊学校を卒業した三人

さらにパワーアップして、キャラが怪しく,生命感に溢れてて。
今日、蜘蛛やアブに出会ってたので、不思議な感じで。
カエル好きとしても嬉しいお話です☆

第二部

・いてふの実

花巻の劇団らあす代表の牛崎志津子さんとの共演。
2人のハモリがものすごく美しく力強く、牛崎さんの声色や演技もさすがに素晴らしく。
旅立ちの雰囲気や作品の世界にどっぷり浸らせてもらいました☆
牛崎さんは、桑島さんが演劇をやったり声優になったりするきっかけを与えた方で、
桑島さんが尊敬されてる方です。
お二人で話をされてる感じも、あったかで素敵でした☆

・岩手軽便鉄道の1月

さらにリズミカルに勢いをつけて、励ます感じもして。

・曠原淑女

若者たちを賞賛し激励する思いがこもって。
後ろの照明も爽やかだったような!?

・稲作挿話

より強い想いがこもって。特にラストの所が☆

・停留所にてスヰトンを喫す

いつものベースの音に合わせて、より深刻な思いを込め、賢治の決意をより強く感じさせた。

被災された先生から桑島さんがお手紙を頂いたという話で、
桑島さんは今まで見たことないほど、かなり泣いていました。

・雨ニモマケズ

淡々とだが滲み出る感じが、さらにぐっと強まった感じで。

・永訣の朝

久々に聞いた感じだが、賢治とトシさんのそれぞれの想いが感じられ。

・告別

想いがすごくこもって。
やはりこの詩はいいです☆
これも大学の先生が朗読されていて、自分自身でもいつかは朗読したいと思っていた作品。

・原体剣舞 原体剣舞保存会

前に、北上市のみちのく芸能祭りでやってたよりも、長くて(大舞台だけに)気合い入ってる感じで、絶品☆
解説されていた会長さんは、いい感じに年を重ねたおじいさんで(「原体剣舞連」の「師父」みたいな)。
二つの太鼓がついた神輿みたいなのを中心に、
笛,鐘,太鼓を大人が演奏し、
着物の女の子が踊り、剣舞の格好の男の子が舞う。
(前みたのでは女の子が踊りながら太鼓たたいてたけど)
それでも、やはり鬼剣舞には迫力と霊験においてかなわないし、
ダダスコの部分は鹿踊りだし、
やはり鬼剣舞+鹿踊りのイメージかな。

・原体剣舞連

珍しくマイクで,真ん中から動かずに。
ドラムとのセッションだったので、音のバランスを考えてでしょう。
これまた、想いと気迫がこもって、パワーアップしてました☆
ドラムセットに大太鼓も入っていて、迫力満点の音が入りつつ。
「いっぷかぷ」の前の所を飛ばしてしまったのは、きっと悔しかっただろうな。

時間的にも流れ的にも、今回はアンコール無しで、スパッと終了。


http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/48/74f8b6438674690bd7f17cdcd4243f68.jpg
上のアップ画像リンクは、翌21日、岩手日日新聞・花巻版に出ていた記事!(花火の記事もあり)

朗読夜が延期になってからの5ヶ月、チケットを大事に保管しつつ、じっと楽しみに期待して待ってました。
(大事にしすぎてチケット忘れてしまいましたが^^)
無事に行けて観れて、本当に嬉しく感無量でした☆

くわしまほうこのろうどくや(追加公演)

2009-09-10 23:47:24 | 賢治朗読ー朗読夜
くわしまほうこのろうどくや(追加公演)感想
2009年9月9日(水) 
表参道ラパン・エ・アロ 

日本語で「うさぎのすあな」という名前の会場。
一階のギャラリー部分のウサギのマークがかわいくてオシャレ!
照明音響ともに普通にライブスペース。防音ドアに防音壁。
100人で一杯の小スペースのため、距離感が近くて、より楽しめた。
開演が18:30だったので、本当に朗読夜でした(笑)

一、 報告
 最後にシャララーって鳴るのを鳴らし、爽やかな後味。(ネットで調べたらウィンドチャイムというらしい)

二、 注文の多い料理店
 今までもどの方の朗読よりも完成度が高いと思っていたが、今回はさらに完成
度が高まった感がある。声の使い方や驚き方の辺りが。
あと、遅れて来た人がドアを開けるタイミングと、話の中でドアを開けるタイミ
ングが一致したり、
最後に風が吹くシーンでちょうど冷房の風が吹いてきたり、
時々感じることだが、どうやら演劇の神はいるようだ(笑)

三、 春と修羅 序
 エフェクトをかけて、声を歪(ひず)ませたり高くしたりしつつ、効果的に普通
の声の部分を入れていた。
声をループさせてたのもこの詩でだったかな。
昔のラジオの音声のようで、時空を超えた異世界を感じさせた。

四、 習作
 詩の上辺にある「とらよとすればその手からことりはそらへ飛んで行く」を録
音した音声と一緒にスクリーンに一文字ずつ出しながら、下辺の詩を朗読。
二つの声が多重的に響き幻想的で面白かった。
ただ、一文を読み終わってから、次の音を出した方が聞き取りやすいとは思う。
(まあ、被ってる方が幻想的ではあるのだが)
 通常このタイプの詩は、一つの言葉遊び(もしくは暗号)として、全体の意味
の他に、頭文字に意味をもたせるが、この場合は異なる。
おそらくこの詩は、多層的に表現すると同時に、風景と心象を別々の言葉で同じ
紙面に書いて表現していると思われる。
ネットで調べてみたら、上辺の言葉は、歌劇『カルメン』の「ハバネラ(恋は野
の鳥)」という歌の一節で、「この歌詞を口ずさみながら歩き、そこで見えてく
る辺りの光景に対する心の声をそのまま表した詩だと思われます」とありました
(神戸宮沢賢治の会会報No.38「第48回例会報告」(川崎貴)より引用)。また、多声音楽(ポリフォニィ)の詩の実験とも。
そうすると、その歌の一節を録音したのを繰り返し流しつつ、朗読するのがいい
ようですね。うーん、それも聞いてみたい!
 あと、「(つめくさ つめくさ)」の所でエフェクトをかけていた。

五、 蠕虫舞手~アンネリダタンツェーリン~
 「習作」同様、「8、γ、e、6、α」を音声と共にスクリーンに出す。これも
効果的にエフェクトかけて、雰囲気が出てました。
パンフにもネットで調べても、ほぼボウフラと書かれてますが、
色といい長さといいクニャクニャ動く様といい、ユスリカの幼虫だと個人的には
考えています。
水質調査でしょっちゅう見ていたもので(笑)
映し出す文字に薄く赤色が入ってた方が少し有機的に見えそう。
(個人的には虫っぼくして欲しい(笑))

六、 ひのきとひなげし
ひなげしが一斉に叫ぶシーンは、録音した声を同時に鳴らし。
若干言い回しがズレているのも相まって、どこか滑稽でどこかシュールで、非常
に楽しめました!
あと、そのスイッチにちょこっと触れる感じもよくて(笑)
悪魔のうまい歌とひのきのヘタな歌(ジャイアンを思わせる^)をみごとに対照的に
歌い分けていた。
ひのきの言葉「あめなる花をほしと云い この世の星を花という。」の後だったかな、
鉄琴で「キラキラ星」を演奏。少したどたどしい感じがピッタリ(笑)
「悪魔が小さな蛙にばけて、ベートーベンの着たやうな青いフロックコートを羽
織り」と、これも蛙が出てくる。そして、桑島さんが吹き替えで出ていた「ベー
トーベン・ウイルス」とも被り面白い。

七、 来訪
 羅須地人協会の高台から見た北上川が思い起こされ。
電灯にたくさんついているウンカのイメージも浮かんで。

八、 雨ニモマケズ
 さらにしんみりと情感深く。

(鉄琴で「星巡りの歌」)
九、 薤露青~カイロセイ
 北上川の情景が目に浮かぶ作品でもあり、朗読でもあった。北上川に映る天の
川や雷光を見たことあるので、尚更。
また、トシさんへの想いにも満ちて。

十、 花鳥図譜・七月
 『春と修羅 第二集』の「〔北上川はケイ気をながしィ〕」のこと。
兄妹の会話がさすがに絶妙!イメージより軽くは感じたが、まあ、仲のよい兄妹
なら、そんなかな。内容的にも。
 なんだかヨダカは自分のことのようにも思えてくる。足が弱くて、やくざもの
(国と親のすねかじり)!まあ、ちょっと自虐的になってみた(笑)

十一、 手紙四
 「永訣の朝」と同じフレーズが出てくるが、全体的に客観的になっている作品

ポーセがやっと答へた「うん」が、やっとって感じが非常によく出てて、絶品!
ここにも「緑いろの小さな蛙」=ポーセの生まれ変わりで、蛙が登場。潰されて
しまいますが(泣)
ナムサダルマプフンダリカサスートラ=南無妙法蓮華経、法華経の信者だけに。
ポーセの声もかわいかった。桑島さんがやっていた「戦場のヴァルキュリア」のイサラの声をイメージしていたが、もっと幼かったようだ。

アンコール、 原体剣舞連
近いこともあり、より迫力が増し、会場全体の空気を震わし、時空間を支配した

いつもより少し悲壮感があったような。
珍しく言い間違える。
「打つも果てるも火花のいのち」の出だしだと思ったが、「月は射そそぐ銀の矢
並」の方かも?
獅子の~って言いかけて、そのまま流したので違和感なく。
次の節の「獅子の星座に散る火の雨の」が出てきてしまったのでしょう。

いや~、大満足でした!
イーハトーブ奨励賞受賞もあってか、桑島さんもハツラツとした感じで、MCも夢
中で話してましたね(MCの内容は他のレポートをご参照下さい)。
秋になってしまい、浴衣が見れなかったのは残念だったけど(笑)
抽選に当たって、本当に良かった!

来年は是非、未だ未開催の茨城で開催して欲しい!


桑島法子 朗読夜 「鬼神の宴」

2009-02-13 18:50:50 | 賢治朗読ー朗読夜
2009年1月17日(土) 梅若能楽学院会館

会場の雰囲気がピッタリで良かった。能楽堂の屋根の上に何かいる感じもして。
昼の光が入ってくる自然の照明もよかったが、夕方から夜にかけても見てみたい

「原体剣舞連」も声がいい感じに響き、迫力が増した。今までより激しく勢いあ
る感じと相まって。

鬼神の宴というタイトルらしく、黒くてエグくてドロドロした感じのでる演目で
、原体剣舞連の激しさや恐さもまたピッタリで。
動きもあって芝居的でコミカルで楽しめたし、狂言的にも見えてよかった(足運び
や動きも)。はっちゃけている感じもあり。桑島さんの手拍子に合わせて会場全体
で手拍子も沸き起こり。
ただ、ご祝儀を投げるのは岩手軽便鉄道の時の方がよかったのでは(勢いもつい
て)(二日目は第二部の初めだったそうだが)。
「原体剣舞連」には恐さがあったが、「春と修羅」が軽くなった分、全体的に恐
さが弱くなったと思うので(迫力や背筋の寒さという面で)。
コードレスマイクだと鼻息(衣擦れも)が入りやすいという難点はやむを得ない
が、動くことの効果がそれを上回っていた。
ベースの大本さんの演奏もピッタリでよかった(何となく急に老けたように見え
たが{失礼m(_ _)m})。
雰囲気的には和楽器も欲しかった所。太鼓、篠笛、尺八、琵琶など、floresの原
体剣舞連な感じで。

「春と修羅」は変化をつけて、いろんな味が出ていて、よかった。ご祝儀投げは
渡り廊下にて。

「岩手軽便鉄道の一月」は、動きながら勢いよく!

「ざしき童子のはなし」は、舞台の端に座って、語り聞かせのようでどこか微笑
ましくもあり、ざしき童子のようでかわいくもあり(桑島さんは赤茶色の袴姿
)。読みながらクルクル回るのは、かわいくもあり能的でもあり(よく目が回らないものです^)。歩くのもヒョコヒョコしてて。

「まなづるとダリア」は、高飛車な赤ダリアがまたいい感じでしたし、まなずる
もとぼけた味が出てて。

「停留所にてスヰトンを喫す」は、何とも切ない感じがして。「君の好意も食べ
きれない」の所かな。

「雨ニモマケズ」は、いつものように静かに淡々と。

「永訣の朝」は、「あめゆじゅ~」の部分が、より繊細なささやく感じになった
一方で(難しい試みに挑まれている)、「飛び出したのだ」などが激しさを増し
、全体のメリハリが強まった。

「洞熊学校を卒業した三人」はエグい割には歌もあって面白おかしく、後味の悪
さが中和され。いい感じに行っちゃった?歌も(笑)。もちろんきれいな歌もあり
。狸は前より声が低くかつ怪しい感じで。

「稲作挿話」は、今まで通り方言な感じであったかく。

ラストの「原体剣舞連」は、勢い&激しさアップで、Ho!の一声目まで激しさが続
き、二声目から静かな感じに。
さらに、da!の時に足でドンと床を叩くのがよく、鬼剣舞の悪霊を沈めるヘンバイ
の動きにも通じ。

非常に面白く,かつ,聞き応えある朗読夜で、大満足でした。
次回行けるかわからないけど、次回も楽しみにしています。


桑島法子朗読夜 ふるさと公演“totteoki”

2009-02-13 18:47:51 | 賢治朗読ー朗読夜
2008年9月14日(日)
奥州市文化会館Zホール

桑島さんのふるさと岩手での公演が実現し、感無量!
2001年から毎年岩手に来ていて、いつその時が来るのか楽しみにしてたので。
夏の賢治生誕祭と秋の地域演劇祭に来るのが恒例になってて。
しかも、イベントもあって、写真撮影&握手と歌が特に心に残りました。
もっとも、バスツアーには演劇祭とぶつかって行けませんでしたが。
地元の方たちがあたたかく見ている感じがしましたし、
桑さんへのコールが入ったのも、またいい感じでした。
桑島さんのご両親を見れたのも大きな収穫でした。
このご両親から生まれ育てられたんだなと感激でした。
永訣の朝と稲作挿話はジーンときて涙が滲みました。
あとは、桑さんの原体剣舞連が是非、聞きたいところ。

グッズが前日のイベントの時にも買えたので、ずいぶん楽でした。
お箸と手ぬぐいを買いました!
ただ、カエルストラップをうっかり買い損ねてしまい(バタバタしてましたし^)。
“totteoki”で先に送られてきてたグッズの案内に入ってなかったこともあり。
一応カエラー(笑)としては一生の不覚!
一生の不覚は、アテルイのZホールでの桑島さん舞台挨拶を見逃すに続いてだから、
何故か桑島さん-Zホール関係で連続してしまい(泣)
舞台挨拶の前日が千葉での朗読夜だったので、まさか来るとは思わず、盛岡の県
民ホールで観てしまい。
しかも、舞台挨拶あると出ていた前日の岩手日報をうっかり買い損ね(いる間毎
日買ってたのに)。
悔しくて二回目はせめてZホールで観ましたが。

話が脱線しましたが、演目についての一言コメントで最後は〆ます。

1.高原 
  イーハトーブに、朗読の世界に、
  引き込まれる幕開けの
  朝のニワトリの鳴き声、時の声
2.風の又三郎
  飛び回る風の又三郎たち。風も言葉も飛び交う。
3.澱った光の澱の底
  暗く重い心持ち。
4.岩手山
  黒々した重さ。
5.溶岩流
  黒いかげが潜んでいる
6.蛙のゴム靴
  「さよならね~」
  蛙たちの声がコミカルに響く
7.ごびらっふの独白
  桑さん(桑島さんの父親)登場でカエル語を披露!
  声が響き渡る!涙が滲む。
8.岩手軽便鉄道の一月
  軽やかに声こだます。
9.雨ニモマケズ
  静かに淡々と。
10.永訣の朝
  悲しみに包まれて切なき涙。
11.原体剣舞連
  伸びやかに古里に響く声。
(アンコール)
1.停留所にてスイトンを喫す
  光る雲の中にいるような。
2.稲作挿話
  優しく切なく。
 

桑島法子一人語り SORA TO KAZE 9/15

2007-10-03 20:52:51 | 賢治朗読ー朗読夜
9月15日  熊谷文化創造館さくらめいと 風の劇場(野外)  

タイトル通り、空と風とに包み込まれる朗読夜でした。
心地よい風に包まれて、素敵な環境で素敵な朗読でした。
途中でセミが鳴いていたかと思うと、季節の移り変わりを象徴するかのように、
秋の虫がそこかしこから鳴き始め。


・高原
・岩手軽便鉄道の一月
マイクを持って入場してきて、歩きながらやってました。
高原の爽やかさと軽便鉄道の軽やかさが会場を包みました。
得意の演目で幸先よいスタートを切った感じで。
ワイヤレスのため、少し音が途切れたのが残念。ここならマイク無しの方が良さ
そう。

・いてふの実
いちょうの実たちが非常にかわいく、これまた桑島さんの真骨頂がいかんなく発
揮されていました。

・一本木野
セリフ部分を含めて、おお、そう来るかという感じで。

・どんぐりと山猫
「いてうの実」同様、どんぐり達やキノコがかわいく演じられ。
山猫の気高い感じ、別当の威張った感じもよく出ていて。
どんぐり達のセリフが早口になってて、混乱してる感じが強調されていた。

ヒュンヒュンピシッとガヤガヤガヤの部分が若干中途半端かな。

・松の針
・雨ニモマケズ
・稲作挿話
・永訣の朝

「松の針」に始まり、「永決の朝」に終わる。
松の葉の青々として冷たい感じがまざまざと目に浮かんだ「松の針」。
いつもの淡々とした「雨ニモ負ケズ」。
生徒を励ます感じの「稲作挿話」。
祈りに満ちた「永訣の朝」。

・くらかけ山の雪
・なめとこ山の熊

山続きの上、タイトルの長さも同じで面白い。
くらかけ山がまさに道標。熊も寝てるかな。
「なめとこ山の熊」では、舞台の炎の向こうに浮かぶ情景に吸い込まれていまし
た。
町の荒物屋とのやり取りもよく、荒物屋に対する賢治の憎々しげな感じもよく出
て。
親子熊のシーンも実に美しく、小熊の声もかわいくて。
猟師 も熊も気高さと優しさを持った声で、本当にピッタリでした。

炎の着火音が気になった人もいたとは思いますが(風がもう少し弱ければよかっ
たのですが)。
かがり火の方がパチパチはぜる音もありよいが、会場の制限もあるから仕方ない
が。風強いとやはりやばいし。

少し暗かったためか、いつもより読み違えが多かったですが。
林洋子さん(宮沢賢治の朗読をされている女優)の朗読に匹敵するか、それ以上
でした。
小熊の声はほぼ同じでしたが、もはやあの声以上の声は無いと思うので、初回に
してさすがだと思いました。

・原体剣舞連
よりバワフルかつ美しく。
後半に行く程、今までの物と節も変化し、父親から受け継いだ物が、より法子さ
ん独自の物へと進化を遂げつつあるようです。
会場の反響のよさもありますが、声量も上がっているように感じられました。
「東京リーディングプレス」(2006.12-1月号)のインタビューに出ていた、鬼剣舞
とのコラボレーションに照準を向けているように感じられた。




桑島法子一人語り SORA TO KAZE 9/16

2007-10-01 19:36:33 | 賢治朗読ー朗読夜
9月16日  熊谷文化創造館さくらめいと 風の劇場(野外)  

16日は、内容まではわからないが風に乗って声が聞こえる所に駐車して、日
が暮れゆく中で寝転んで空と月と星を見ていました。
最後の原体剣舞連になって起き上がり、間にあるレストランのガラス越しに聞い
ていました(この距離でも姿が見え、十分声が聞こえました)。
そして、静かに三日月が輝いて。

写真は、16日分の「イーハトーブの旅人たち」名のアレンジメント。
15日のも同じく15日分。


朗読夜『桑島法子~hitori gadari~』

2006-10-07 12:16:45 | 賢治朗読ー朗読夜
7月29日(土) 紀尾井小ホール

程よいサイズのきれいなホール。上り坂に手こずらされましたが^^
法子さんの朗読にかける意気込みがこれまでにも増して感ぜられ、
また、方言のよさが一段と感じられ、やはり方言が大きな持ち味だと感じられた。

・「毒もみのすきな署長さん」2度目ですが、毒のあるお話でいい味だしてる。
・「雨ニモマケズ」   いつものように淡々と弱々しい感じで。
・「くらかけ山の雪」  希望が見えますね。
・「岩手軽便鉄道の一月」リズミカルに力強く。
・「岩手山」      低い声で岩手山の重さにピッタリ。
・「高原」       さわやかかつコミカルでいい。
・「曠原淑女」     女性達の姿が浮かぶ。
・「ちゃんがちゃんがうまっこ」方言の味わいと馬の愛らしさ。
・「馬」           馬への愛情を感じる。
・「稲作挿話」     
方言の味わいが出ていて、この詩が方言の詩だということを認識し直した。最
後も静かで温かい言い方で、そういう読み方もあるなと気付かされました。賢
治の温かさも伝わってきて。
・「とっこべとら子」  何ともコミカルなお話で楽しめました。方言もいいし。
・「松の針」      悲しみが滲み出て。
・「春と修羅」     途中、歌う所はよかった。他は中途半端に感じたが。
・「永訣の朝」     これも悲しみがよく出てて。緩急もあってよかった。
・「よだかの星」    
気高く切なく一途な雰囲気に包まれていた。鷹の怖さもよく出ていた。また太
陽や星もいい感じで。でも、法子さんならもっとやれる気がした。今後により
期待!
・「原体剣舞連」    
程よい会場でいい感じに響き渡った。da da sko da daの所が今までより跳ね上
がる感じで、これはいい!と思った。全体的にもこれまでにも増して気合い十
分で迫力があった。

○2006.1.2 桑島法子・朗読夜「2006新春~Hatsuyume 童話~」 横浜BLITZ

2005-12-22 00:47:35 | 賢治朗読ー朗読夜
目の前の席で久しぶりに聞けてよかった!!
チケット無くして2度買いした分も十分、味わえた!(2階席売ってくれてありがとう!当日券の人数に入ってしまい、紛らわしくて、すいません!)
さすがに横浜BLITZだけに、大本さん初め3人のミュージシャンによる音楽がまた豪華で凄くよかった! 値段高めなのも納得。それにかっこよくてシックな会場。
 まさに「Hatsuyume」な感じで、起きたまま夢心地!この後(2日の晩)、車でずっと移動してて、ちゃんと夢見れなかったので、初夢の代わりになって。
どんな初夢?!仮におみくじ風の正夢とすると。いや、それを経験するだけで非常にハードなことになりそうですが。今年の自分かも。
セロ弾きの習い事よし、停留所の何かを好意で頂く(助け舟?)はいいが、シグナルだと恋愛運は現実ではかなわず?!永訣は、何かとの別れ?健康運、金運悪いとか?原剣で怖い物に遭遇か!でも、結局、厄払いされて、オールO.K.?!
それにしても、漢字が並び過ぎないようにアルファベットなのでしょうが、BLITZとのバランスも考えてるような。
 蛇足ですが、名字だけでもミュージシャンの名前がHPで知れたのはよかった。いつもゲストミュージシャンの名前が気になってしまうもので。でも、やはり当日パンフに書いて欲しいところ。
・「セロ弾きのゴーシュ」
 カッコウの青年っぽい声やネズミの親子が特によかった。
 音楽では、特に虎刈り。チェロではなく、ベースで一ひねりしてるのもいい
 感じ。アイハラさんのギター演奏も切れがあってよかった(若いのに「いぶ
 し銀」と呼ばれるのは微妙かもしれませんが)。
・ 「シグナルとシグナレス」
 キーボードとベースが幻想的でロマンティックな音楽を奏で、GOOD!
 丹野さんのキーボードも柔らかくてよかった。
 最後に、桑島さんのきれいな歌声も聞けて、ほんと大満足!
 この作品を前に聞いたのは4年前なので細かくは覚えてないけれど、
 音楽も豪華になり、朗読もパワーアップしているようだ。
 それにしても、セリフが恥ずかしい話である。
 「恥ずかしいセリフ、禁止!」(from「ARIA」)と言いたくなるほど。
・「停留所にてスヰトンを喫す」
 曳船は行かなかったので、初めて聞きました。いや~、聞けてよかった。
 ジャズセッションという感じで、勢いあってよかった!
・ 「永訣の朝」 さらに静けさと悲しさが深まった感じで、よかった。
・ 「原体剣舞連」やっぱり目の前で聞けると迫力満点!ツバ飛んできそう!

○「朗読夜 グレイッシュ~冬~」 041219 横浜赤レンガホール

2005-12-10 17:37:39 | 賢治朗読ー朗読夜
 朗読夜、工夫満載で楽しかったです。舞台を移動したり多重音声になったり。側で見れた人はラッキーですよね。コントラバスとの組合わせも絶妙でしたし。椅子席も段差がついて一番後からでもよく見えました(登るのに苦労しましたが^)

・「原体剣舞連」(一回目)
 コントラバスの不協和音が恐さ無気味さを出し、朗読と相まって素晴らしかった。いつもと違って暗唱ではなかったのも雰囲気を変えてよかったし、じっくり噛みしめて読んでいる感じでこちらもそれを味わえた。大元さんって何でも弾けるんですね。

・「無声慟哭」
 美しくもせつない曲が流れ始める感じがいい。「うんにゃ~」の部分、優しさに満ちた感じ。

・「ツェねずみ」
 ツェねずみにピッタリのかわいいけど意地の悪そうな声。「まどうて下さい」の連発はやはり笑えます。柱さんはいい人な感じの声なので、ねずみに責められるのがかわいそうになります。鼠捕りの最初にネズミを誘う声が絶対ねずみが警戒しそうな猫撫で声(猫だけに)だったのはそう意識してからか。その後のネズミの言い方がすごくおもしろくてよかった。「プイッ」とか「むちゃむちゃ」とか最後の「おたべ。」のそっけなさとかもよかった。「ブウ」をどう読むのか楽しみだったが、屁のような感じで笑えた。 

・「クンネズミ」(文庫版の全集ではひらがなの「ねずみ」ですが、パンフでは。)
 ツェねずみの話が新聞に出てくるのと前半の集中力のあるうちに長めのを持って来ようという意図で全集とは異なり2番目に持ってきたのでしょうか。自分的には猫大将のこともありインパクトの面でもやはり2番目にフウねずみの方が好きです。タねずみが女性だったので一つ驚き、「エヘン、エヘン」が反対側から最新機器?で大音量で聞こえて来て非常に驚かされた。同時に非常に効果的だった。「さよなら」がグットです。頭がペチンはさすがにえぐいです(それにしてもペと聞くと韓国語のような名前)。聞こえないようなせき払いもイイ感じで。「分裂」とか「暗殺」とか物騒な言葉づかいですよね(正に闇で殺すのが本来は暗殺ですし)。4匹の子猫の声が再び最新機器?から多重に流れものすごかったです!迫力満点!結局4匹に同時に食べられてしまうのは結構えぐいですよね。それと、手足から食べてったら最後に頭だけ残ってしまいそうですが。

・「松の針」 
 休憩時間でエヘンの印象を薄めてから、第2部でまたしっとりとした雰囲気に。トシさんの台詞が情感があっていい感じ。

・ 「牧歌」 
 にぎやかにみんなで手拍子。大元さんの笛?は何か歌ってるよう。自分的には手拍子はもう少し控えめな方が桑島さんの歌声もちゃんと聞けるんでいいんですが。次第に勢いや早さを増して行った方が観客も手拍子の大きさを調節していったとは思うのですが。まあ、いきなりなんで勢いあった方が観客は入ってきやすいとは思いますし、みんなで一体となって楽しかったのでいいかなとも思いますが。確かに賢治生誕祭で「星祭りの歌」同様いつも歌われてますよね。

・「くらかけ山の雪」 酵母のようだとするとかなり吹雪いて真っ白になってますよね。
・「岩手軽便鉄道の一月」 リズミカルで何度聞いても楽しめます。

・ 「過去情炎」 
雫の美しさが出ている。この雫はトシさんでもあるのか。情炎の鉾先はいったい?
・「雨ニモマケズ」 いつも通り、静かにたんたんと。

・「稲作挿話」   
賢治の生徒を見守る温かい視線が声からも滲み出ていた。好きな作品です。
・「カーバイト倉庫」 やはり冬に読む方が雰囲気でますね。特に風が寒い日には。

・「鳥箱先生とフゥねずみ」
 猫大将もひよどりを笑いながら掴んで行っておきながら、最後の時は国を憂いていて、何だかおかしいですよね。そう言いながら、結局はフウを食べるんでしょってつっこみ入れたくなります。フウねずみはかわいい感じでいいです。

・「永訣の朝」
 今までの中で一番よかった。「ああ」も軽めでなるほどという感じ。音楽も情感をさらに深めていた。賢治の台詞が男っぽく聞こえて、よりトシさんの台詞が引き立っているように感じた。

・「原体剣舞連」(二回目)
 今までの中で一番よかった。力強さと美しさと。よく会場に響いていた。桑島さんの強さと美しさが滲み出ている。

○「朗読夜 コラージュ~夏~」 040829 横浜赤レンガホール

2005-12-10 17:33:34 | 賢治朗読ー朗読夜
 素敵な雰囲気の会場です。コラージュという名前通りの第二部は「銀河鉄道の夜」との組合わせ、その構成と雰囲気を楽しむことができました。 大元さんの演奏、作曲、アレンジも絶妙でした。
 自分は別に声だけ聞こえればとりあえずはいいのですが、イス席の人は舞台が見えにくいと言っていた人が多かったです。移動式の階段座席を設置できるといいんですが。

・「風の又三郎」
 花巻弁いっぱいで子供達がイキイキと表現されていて、楽しめました。聞いただけでは言葉の意味を全部はわからないのですが、方言を味わえることの方が自分としては楽しめることでもあり欲する所でもあります。方言満載だと言葉の意味を取りずらいというジレンマはあるとは思いますが、聞く方もその辺の理解が必要なのかなとは思います。ただ、地読みとセリフの声の大きさや張り等に差があるため、セリフの音量が大きすぎて、少なくともイス席では少し音も割れて聞き取りずらい感じがありました。その度、音量を変えるわけにもいかないでしょうしマイク2本というわけにもいかないでしょうから、難しい所なんでしょうが。

・「暁穹への嫉妬」 宇宙の美しさ、神秘さが声からも滲み出て、情景が浮かびました。

・「岩手軽便鉄道 7月(ジャズ)」
音楽もよくて非常に楽しめました。ズンズン進む雰囲気も出ていてピッタリでした。

・「厨川停車場」 
自分で読んでみてセリフの部分がどうなるのか楽しみにしてましたが、予想通りいい感じでした。

・ 「星めぐりの歌」 
 何度も聞いている通常版とは違う、ジャズ風のアレンジで楽しめました。生で桑島さんが歌うのを初めて聞けたという意味でも感無量。ほんと素敵な歌ですよね。

・「カーバイト倉庫」 
低めの声で怖い感じが出ていました。いつも宮沢家所蔵本版の方を読んでいらっしゃるので、所蔵本に忠実に読んでいるのかなと思っていましたら、実は選択してるようです(まあ、どっちかに決めるよりも、その時々で判断した方がいいですからね)。それで、確かに、「なまめかしさ」というのは桑島さんの雰囲気にも合いませんし、おそらく聞く側としても(また試しに読んでみても)「なつかしさ」の方が情感が湧きますしわかりやすいとは思います。

・ 「鉱染とネクタイ」 
「……」の部分の情感もよく出ていました。タイトルより美しい内容。

・ 「永訣の朝」 
「ああ」の部分、なるほどそうきたかという感じです。静岡のがさらに高まった感じです。

・「原体剣舞連」 
力強くも美しい感じですね。せり出しまで出てきてやってて、一段と楽しめました。