全体的に何かしっとりした雰囲気でありました。雨のせいもあるのでしょうが、何か桑島さんの声や気配からそういう雰囲気が醸し出されておりました。大人の雰囲気?(笑)虫の音もそれをいい感じに引き立てていました。でも、亡くなられた岡崎律子さんのこととも関係しているように感ぜずにはおれませんでした。どこか死を悼む気持ちが。まあ、自分がそんな気持ちだからかもしれません。
・「雁の童子」
泉で出会った老人はその須利耶さま本人なんでしょうね。天上で罪を犯し雁になった
人々。理不尽にも銃で撃たれるのだが、実はそれが彼らの救い。撃たれて罪滅ぼしを果たす。地獄からの解放。魂の輪廻の再開。たった独り残された童子。なぜ彼だけ罪滅ぼしできない。食べる事への罪の意識、かなしみ、嘆き。壁画と別れの予感。童子が消えてゆく刹那さ(&切なさ)。本当に深いお話で、それをじっくりと織り上げてゆく声。岡崎律子さんのことと何かつながっている感じがずっとしていました。ほんと「一期一会」ですよね。朗読ならさしずめ「一期一語」「一期一声」「一期一文」「一期一作」「一期一会(かい)」ー何か切りがない!
・「猫の事務所」
語りの声も、(桑島さんの声としては)今までに聞いたことないような、高い声のギャル風で、こけおろしてる感じでおもしろかった。カマ猫くんは少年風。重みのある男性声の黒猫。うーん、どれか覚えてないけど、確か一番書記の白猫は高い声、二番書記の虎猫は、三番書記の三毛猫のしゃがれ声。そして、獅子は桑島さんらしい凛々しくて気高い声。いろんな声を楽しむ事ができた。脇のタンバリンを叩いての効果音が楽しかった。
・「鹿踊りのはじまり」
2年前の「冬囲」の時より味わいが増しています。情景は美しいし歌も楽しいし、何度聞いてもいいです。でも、やはり「冬囲」の時同様、「高原」とセットで聞きたいです(味わいが増しますし、短いですし)。
・「永訣の朝」
一通り全体ができてきた感じ。でも、桑島さんなら初めからこの形でできそうに思えてならないのですが。思い入れがあるからじっくり時間をかけて少しずつ手ごたえを確かめながら彫り込んでいったのでしょうか。まあ、確かにポピュラ-な割に、賢治作品では朗読するのに一番難しい作品の一つではありますが。間を今までより取っていましたし、言葉をかみしめるように詠んでいました。「ああ」の感嘆が静かで哀感があってよかったです。「あらおらで~」も今までよりずっとゆっくりと悲しげに詠まれ、切なくなっていました。涙ぐんでいるようにも見受けられました。まあ、この詩ですからね。これもまた岡崎さんへの哀悼の思いも抱きながら聞いていて、ますますジーンときていました。
・「原体剣舞連」
こちらも間がいつもより長いように感じました。美しさと力強さを兼ね備えた女性的な、そして、法子さんらしい形態へと向かっています。
・「雁の童子」
泉で出会った老人はその須利耶さま本人なんでしょうね。天上で罪を犯し雁になった
人々。理不尽にも銃で撃たれるのだが、実はそれが彼らの救い。撃たれて罪滅ぼしを果たす。地獄からの解放。魂の輪廻の再開。たった独り残された童子。なぜ彼だけ罪滅ぼしできない。食べる事への罪の意識、かなしみ、嘆き。壁画と別れの予感。童子が消えてゆく刹那さ(&切なさ)。本当に深いお話で、それをじっくりと織り上げてゆく声。岡崎律子さんのことと何かつながっている感じがずっとしていました。ほんと「一期一会」ですよね。朗読ならさしずめ「一期一語」「一期一声」「一期一文」「一期一作」「一期一会(かい)」ー何か切りがない!
・「猫の事務所」
語りの声も、(桑島さんの声としては)今までに聞いたことないような、高い声のギャル風で、こけおろしてる感じでおもしろかった。カマ猫くんは少年風。重みのある男性声の黒猫。うーん、どれか覚えてないけど、確か一番書記の白猫は高い声、二番書記の虎猫は、三番書記の三毛猫のしゃがれ声。そして、獅子は桑島さんらしい凛々しくて気高い声。いろんな声を楽しむ事ができた。脇のタンバリンを叩いての効果音が楽しかった。
・「鹿踊りのはじまり」
2年前の「冬囲」の時より味わいが増しています。情景は美しいし歌も楽しいし、何度聞いてもいいです。でも、やはり「冬囲」の時同様、「高原」とセットで聞きたいです(味わいが増しますし、短いですし)。
・「永訣の朝」
一通り全体ができてきた感じ。でも、桑島さんなら初めからこの形でできそうに思えてならないのですが。思い入れがあるからじっくり時間をかけて少しずつ手ごたえを確かめながら彫り込んでいったのでしょうか。まあ、確かにポピュラ-な割に、賢治作品では朗読するのに一番難しい作品の一つではありますが。間を今までより取っていましたし、言葉をかみしめるように詠んでいました。「ああ」の感嘆が静かで哀感があってよかったです。「あらおらで~」も今までよりずっとゆっくりと悲しげに詠まれ、切なくなっていました。涙ぐんでいるようにも見受けられました。まあ、この詩ですからね。これもまた岡崎さんへの哀悼の思いも抱きながら聞いていて、ますますジーンときていました。
・「原体剣舞連」
こちらも間がいつもより長いように感じました。美しさと力強さを兼ね備えた女性的な、そして、法子さんらしい形態へと向かっています。