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青き修羅

桑島法子さんの朗読夜を中心に賢治朗読の紹介・感想や賢治関係雑文。アニメ作品とそこでの声優さんの演技について感想等も。

銀河ホール地域演劇祭

2009-02-13 18:44:50 | 演劇
9月13・14日(土・日)
西和賀町文化創造館 銀河ホール

2001年からほぼ毎年来ている地域演劇祭。
北上から登って来ると、ダム湖のほとりに美しく建つ銀河ホール。
音響が素晴らしく、袖でフラットに客席に繋がっている、演劇用の素敵なホール。
基本的に方言での芝居なので、聞き取れない部分もあるが、
その分味わいもあり、方言にも馴染める。

(13日)
「晴れた日、公園のベンチで」劇集団たつ2000(盛岡市)
葬式帰りの60代の男女と公園の管理人と若いカップルの、コミカルかつシニカルなお話。
人によって演技力の差はあるが、それぞれの味わいが出ていてよかった。

「りんごの秋」劇団ぶどう座(西和賀町)
1950年創立の地元劇団ぶどう座。
銀河ホールの美術監督の川村光夫さんが主宰で演出を担当。
三十年ぶりの再演だそうで。
元農民の雑貨店の夫婦と問屋と村会議員候補(笑)とのおかしくも悲しい物語。
奥さんのバイタリティと旦那のいい加減さとおばあちゃんの面白さがいい組み合わせで。
問屋の集金を何とかやり過ごそうとあの手この手でコミカルに。
だが一方で、土地を奪われた農民の哀愁も。
舞台装置もよくできてて、階段やお仏壇を効果的に使って。
毎年観てるので役者さんはすっかり馴染みとなり。

さて見終わって、北上に出発しようとふと携帯を見ると、着信やメールが入っる。
どうやら桑島さんのイベントの写真撮影の時間がズレたようで、
慌てて,久々の全力走行で山を下りました(かなり疲れましたが)。

(14日)
「つゆのひぬま」劇団弘演(青森・弘前市)
娼婦宿の女の悲哀と愛の物語。
女性達の個性と悲しき過去が物語を紡ぎあげて行く。
これまた舞台装置がよくできてて、二階建てで屋根まであって。
そして、それがラストの,夜に洪水で屋根に登る素敵なシーンに繋がっていて(状況は大変なんだけど)。
それぞれの持ち味が出ていて、衣装も綺麗で、味わい深いものでした。

二作品目の「父と暮らせば」(いわてアートサポートセンター(盛岡市))は、
朗読夜を観に行くために観れませんでしたが。
(いわてアートサポートセンター=盛岡の伝統と文化を継承する河南地区の中心市街地である肴町に、
 市民の芸術文化活動をサポートし中心市街地の活性化を図るために設けられた新たなアーツ拠点)
いつも最後の合評会までいて交流会はさすがに遠慮してて、
一度は交流会に出てみたいと思っていたので、
日がぶつかってしまって残念でした(例年は第一土日なんですが)。
別れがたい想いを抱きながら、水沢へと出発しました。



平原演劇祭ー炎の舞

2007-10-01 19:31:05 | 演劇
9月1日(土) 
平原演劇祭2007 第2部 宮代町 「新しい村」笠原沼畔・野外ステージ
http://rtakano.hp.infoseek.co.jp/pa2007.htm

宮代町に移住した演出家・高野竜さん主催の演劇祭(第6回)。
前から気になってて、初めて行く。

『残像航路 ~ ネズミ花火と濡れネズミ』(イエーツの会)

炎が目に焼付いてしまった!
最初の燃える自転車!
舟に乗って対岸から渡って来た`たいまつ'の炎。
そして、その炎がブンブン回り始めた。
闇に光の軌跡を描きながら、炎が時空を支配した刹那。
炎の舞に浮かび上がる気高き舞手。
炎を支配し炎とともに舞い続ける。
最後、炎はさらに加速し、風の中にスゥーッと消えて行った。

残像航路、そのタイトル通り、炎の残像が脳裏に焼付いた。
そして、回る炎はまさに、ネズミ花火。より優雅で、より怪しく、より鮮烈だが


そして、もう一方の、濡れネズミ!
二人の道化がひたすらに叫び続け、対岸からも叫び続け、挙げ句の果てに叫びな
がら池に飛び込む!
だが、彼らは、たいまつの舟の、聖なる導き手でもあった。


あと、この日おもしろかったのは、劇団12「ジョジョ劇 川尻しのぶ伝」。
「ジョジョの奇妙な冒険」の話を織り込んだギャグ物(ジョジョ部分はやってる
方はごく真面目だが)。
懐かしかったのと笑えたのと、声と,合間に入る別の話のキャラが面白かったのと



一方、1部は年8月19日(日)に同町・旧加藤家住宅で。
古くて味わいのある旧家が素敵なのだが、生憎の猛暑でまさに茹でダコ状態(笑)


・イエーツの会「憑依文字」
白装束で頭に布を被せられたシャーマンの女性が、地唄を歌う女性に率いられて
、登場!
日本に連れて来られた朝鮮人シャーマンにいろんな霊が憑依。
のた打ち回りながら、長台詞を激烈に熱演!
障子越しに渋い男性の声も響き渡り、地唄の女性も時折、掛け声を入れ、最後は
窓から飛び出して。


・おまけ家九三「北守将軍と三人兄弟の医者」
関西弁の賢治落語。柔らかい味わいたっぷりの語り口がいい。

・大野修司「馬引きの話」
よく観に行く,茨城の市民劇団プロジェクト麗舞の方で顔馴染み。他の団員の方も
皆さんで応援に。
まず、炎天下に関わらず庭でガマの油売りの口上をまさに熱演!
そして、座敷に上がって、素朴な味わいの「馬引きの話」。

筑波小劇場 卒業公演「kill only you」

2006-04-21 19:32:44 | 演劇
3月15日(水) 筑波小劇場:筑波大学の演劇サークル。http://www.tsukusho.tn.st/

 どこまでが夢でどこまでが現実かわからない話。演技のシーンと夢の中のシーンが
交互に入れ替わり、夢か現実かの錯綜感が表されていた。ストーリーとは関係ない、
歌や踊りが繰り広げられ、エンターテインメントとしても楽しめた。
 大蛇に喰われかけながら、しゃべっているシーンは、草野心平を彷彿とさせた。
さらに、その蛇のお腹から行方不明の主人公のお姉さんが。でも、現実にはお姉さんは
行方不明のままで。結局、主人公のいつまでも姉を引きずって気持ちが、
彼女が出来たことで克服されて行く話であった。姉への思いがコミカルには描かれては
いるが。その弟分もなんだかんだ言って、親を捜しに行きたいと思ってて。
弟分が霊のようなものが見えたり、夢のような対決シーンを仕切っていたりしてたんで、
これはやばい方向に行くのかと思ったが、結局、ただの夢で終わってよかった。

 メーテル(銀河鉄道999のパロディだが)がハイテンションな案内役を演じ、
かなりおもしろかった(小劇場でも特に注目してきた岡崎さんが演じる。卒業だが、
今後の活動にも期待したい)。回想シーンで出て来る、何だかやたらと好印象な感じの
主人公の父親なのだが、どうやら口とイメージだけのようで、主人公は見捨てられて
しまう。だが、姉は父親の話す夢が好きだったようで、父親と一緒に姿を消してしまい、
主人公は姉の方により裏切りを感じていた。
 性同一性障害だったのに、男性との出来事で女に目覚め、一方で、その男性は女に
目覚めて行く?(夢かも?)そして、地獄・悪夢を見るのか?その女性役の方は、
低めのハスキーな声で男性っぽくよく演じられていた。バックの絵もちょっと狂った感じ
がちょうどよかった。駅員さんもやたらと貫禄があってよかった(駅が舞台なのだが)。

She-friends企画製作公演「 L I F E 」

2006-04-21 19:16:09 | 演劇
3月8日(水) 麻布ディプラッツ(die platze)
2006年3月8日(水)~3月14日(火) http://www.she-friends.com/life/

舞台と絵画、演技と踊り・歌が融合した舞台。
役者の演技と一緒に、もしくは、感情の高まりと共に、その様々な感情を表現する
多くの人(=アンサンブル)が多数登場し、演技はもちろん踊りあり歌ありの
にぎやかで不思議な舞台。
アンサンブル達は、幻覚のような幽霊のような感じ。
旦那には浮気され子ども達にも嘘をつかれていた主婦が、それなら自分も一番
やりたいことをやるというんで20年ぶりに絵を描き始めるが、
ガンの再発で余命一年を宣告され、やっぱり家族と一緒に生きて行こうという話。

初めの方は、我慢している感情をアンサンブル達が舞台狭しと表現する。
そして、当の愛人のダンサーに公演で用いる絵を描いて欲しいと頼まれる。
家族の嘘を知ったりいろいろあった後、ついに公演用の絵を描き始める主人公。
多くの感情達が歌い踊る、歓喜の爆発。自分を自由に表現できる喜び。
魂の解放の賛歌。本当の自分。これまで夫や子供に向けていた物を、今、自分に向ける。

ダンス公演シーンで、舞台でその絵をバックに所狭しと踊られる踊り。
漏れ出てくる感情・思いを自分で押さえつける動きの踊り。その後の、
どこか剣術や柔術を思わせる、気迫がこもった踊りに、こちらも身構えさせられた。
そして、アンサンブル達が加わっての踊りと歌で最高潮を向かえる。
舞台が狭くてもったいないくらい。それでも全体を同時に見渡すのは大変だけど。

公演後、屋根の上のような高い所での2人のシーン。認め合った2人の素敵な会話。
妻と愛人なのだが。実は旦那より先に知り、憧れていた。
おとなしく引っ込み思案で、あんまり運動得意でなさそうな主人公。
そんな自分でも絵でなら自分を表現できる。共にダンスも踊れる。
自由奔放で活動的・積極的だが、どこかもろさも感じさせるダンサー。
互いにあこがれ合う、女2人。

絵が20年前と変わった。きれいなだけではない感情を経験し、絵に深みが増した。
光だけではなく闇も。否定するのではなく、つき合い制御するもの。認める強さ。
闇も取り込み、光が更に輝きを増す。

「できなくなって、新しい表現ができるようになる」
年齢に伴い、今までのような動きができなくなり、自信を失っていたダンサー。
主人公の旦那に励まされ支えられ、そして、今度は主人公の絵にも励まされ。
公演を終え、ダンサーも自信をつけた。その年齢での表現。そして、旅立ち。

「少し他の人より生きるスピードが速いだけ」
余命を宣告され、親友の女医とスケッチ旅行に行って。
自分のやりたいことを、思いっきりイキイキやることで、きっと余命も長くなる。
優等生でいつも自分を抑え我慢してきた主人公。
最後に、家族にやりたいようにやれと言われてよかった。
家族の再スタート。深まったきずな。
最後にビラでも使われている光射す絵がドーンと出てきて、印象的。

1回目の公演時間に間に合わなかったおかげで、2回目の公演時間前に会場前でばったり
出演している知人に会うことができてよかった!自分が来るの知らなかったようなので。