巨人・ラーメン・相撲と私

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栃東優勝記念・玉ノ井部屋紀行(初場所千秋楽を終えて)

2006年01月23日 | 相撲人気復興委員会★
   1月22日(日)、私は3時に仕事を切り上げ、急いで駅へ向かった。向かう所は「両国国技館」。何場所ぶりになるだろうか、待ちに待った日本人力士の優勝に、どうしても興奮を抑えきれなかった。朝青龍が嫌いなわけではないが、まもなく沸点に達する日本人としてのDNAを抑えることはできなかった。まだ決まったわけではないが、栃東の優勝パレードを見るためであった。

   国技館に着いたはいいが、案の定入場券完売の為、中に入れず。両国周辺の飲食店ならば相撲の放映くらいはしているだろうと思ったが、意外とない。しかし、ちゃんこ屋ではきちんと放映されていた。

   店に入ると、琴欧州と白鵬が土俵に上がった頃だった。ぎりぎりセーフ。四人用の席だったが、テレビがよく見える位置だったので、遠慮なく一人だったが座らせて頂いた。とりあえず生ビールを注文。

   すると、子供連れの夫婦が店に入ってきた。テレビの見づらい位置しか空きがなく、いかつめのひげ面の旦那は店員に「こんな席じゃテレビが見えねえ」とか何とか文句を言っているのが聞こえた。私と全く同じ考えで店に飛び込んできたとみて、テレビを見るにはこの上ない、自分のテーブルに案内した。するととても喜んで座ってきた。私も一人だったので、非常にうれしかった。

   意気投合した私達は、栃東の優勝も手伝って、次第に酒もすすみ、気が付けば本来の目的である「栃東のパレード」(6時半開始)を忘れ、ハッと思い時計を見ると、時計の針は7時を指そうとしていた。皆で急いで皿とコップを空け、国技館に駆けつけたが、先程のにぎわいが嘘のように静まりかえっていた。

   しかし、「そうだ玉ノ井部屋まで行ってしまおう。」と皆の心は一つになっていた。だが場所が分からない。運良く通りがかりのおじさんに教えてもらい、タクシーで20分ぐらいだと言っていた。それを聞いた我々は、迷うことなくタクシー乗り場に向かった。なぜか小学2年の男の子もノリノリだった。
 
   どう考えても20分以上かかっていたが、何とか玉ノ井部屋の近くに到着した。しかし、部屋とは逆の方向へ群衆が流れていた。またしても終わった後か。不安になった。しかし意外にも部屋の周りには人集りが出来ていた。若い衆に聞くと、大関は後援会や記者に囲まれて出てこられないと言っていた。

   ここまで来たのだからと、関係者のフリをしたり、中に入ろうと色々試みたが、さすが相撲部屋だけにガードは固かった。だが若い衆と色々話したり、たくさん写真を撮ったり、大関が割った樽の酒を飲んだりと、意外と楽しめた。上の写真はその時の様子です。

   そうこうしていると、こんな話が聞こえてきた。大関はNHKに出演する為、車で移動するらしい。「やった。会える。それだけでも来た甲斐がある。そうだ。このブログの為にも、素晴らしい写真を撮るぞ。」と意気込んだ。

   大関を待っている間、混雑を想定して、何度も写真の試し撮りをした。しかし、大関が出てくると先程の練習などまるで役に立たないほど、押しくらまんじゅうになった。とにかく栃東に「おめでとう」とか「来場所も頑張れ」とか「日本の宝だ」とか訳の分からんことを叫びながら、シャッターを何度も押した。大関を乗せた車はさっさと行ってしまった。

   栃東に夢中になっていた私は、我に返った。「いったいここはどこなんだろう」そして「どうすれば帰れるのか」と。

   目の前に交番があったので、私はそこへ聞きに行った。そして先程の夫婦と子供とは、近くのコンビニで待ち合わせた。聞き終えて、コンビニへ向かうと、見覚えのある車が、コンビニの駐車場から出て行くのが見えた。先程NHKへ向かったはずの、栃東を乗せた車だった。部屋からたった50mのコンビニで買い物するとは、考えもつかなかった。ああ、私もコンビニに行っていれば握手ぐらいはできただろうに。見事大関に肩すかしを食らってしまった。

   「西新井」行きのバスに乗り、ようやく電車に乗れた。私の目的地は浅草だった。夫婦と子供は、途中の「北千住」で下りた。電車が走り出したが、3人とも私に手を振るのを止めなかった。小学2年の子の寂しそうな表情は、今でも忘れられない。ドラゴンボールの話で、私とかなり盛り上がっていたのだから無理もない。私と別れるのを残念に思ったのだろう。そんな顔をされると、私にもこみ上げてくるものがあった。「今生の別れになるだろうが、さようなら。立派な力士になれよ。」私も懸命に手を振り返した。あの子がちゃんこ屋で、「僕は力士になるんだ。」と言っていたのを思い出しながら。

   そんな感慨にひたりつつ、カメラに記録された写真を見た。しかし、どこを探しても、栃東の写っている写真は一枚もなく、その代わりに、おばちゃんの後ろ姿が写った写真は何枚も収められていた。   

   

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4 コメント

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Unknown (共済会会員)
2006-01-25 01:40:25
栃東優勝おめでとうございます。それにしても、おもしろい。オチまでおもしろい。貴師の行動力と相撲や野球に対する熱い思いは変わりませんね。今度、ちゃんこ食べに行きましょう!!
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Unknown (kameno)
2006-01-25 09:03:59
様子が目に浮かぶようです。

素晴らしい一日を過ごしたんですね。大相撲への熱い思いは閣下をも凌ぐかもしれません。

風邪、早く治してくださいね。
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熱いですね (tera)
2006-01-25 22:08:03
いいですね。親子連れとの出会いは感動的です。実は5日目くらいから密かに予感していました。栃東は、このパターン(追い詰められて開き直る)になると強いのは、昔から感じていましたので…。逃げないで押していって、無理をしないでしのいで、万全に負けない相撲をとる。勝たなくても負けない相撲です。

問題は次…。カド番のつもりで頑張ってほしいです。
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Unknown (巨人・ラーメン・相撲と私)
2006-01-26 09:51:08
<共済会会員さん



  ありがとうございます。どちらの会員ですかな?群馬かな?両国一(日本一)のちゃんこ屋があるので(個人的に)、是非行きましょう。



<kamenoさん



  ありがとうございます。閣下が解説の時、ビデオで見ました。彼もかなり相撲を愛し、相撲人気復興を願っていることを強く感じました。テレビでガンガン言ってもらいたい。それでは療養続けます。



<teraさん



  ありがとうございます。コメントを見る限り、よくご覧になってますね?私も栃東関には、来場所も頑張ってもらいたいと思っています。
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