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鴨川食堂まんぷく / 柏井 壽

2024年06月16日 | 読んだ小説
                    

☆☆☆
心に秘めた思いや後悔を持つお客が、もう一度食べてみたいと切に願う思い出の料理を捜し出し再現して
食べさせるという、そんな食の探偵事務所を併設する父娘が営む京都の鴨川食堂が舞台の連作短編集。

探偵調査をするために約2週間ほどかけて日本全国を飛び回る事もあり、その間は食堂を閉めているのだ
ろうから、そんなんで採算が合うのだろうか。 そして、そもそも何で食堂が、そんなクソ面倒な事を
するのか、又しなければいけないのか意味が分からなかった。

思い出の料理を食べさせる飲食店とかいう設定なら、他の小説でもTVドラマなんかでも多分似たのが
ありそうで、そこは同じようなものでも作者の筆力でカバーして面白い作品を書いてほしい所だが、
作者の筆力不足を誤魔化すためと、他の同じような作品との差別化をさせるための特徴として食の探偵
事務所という設定があるのだろうけど、それならそれで、食の探偵調査の仕事ぶりの方もちゃんと描かな
いとダメだと思う。 それらをひっくるめて読んでいて何か腑に落ちないと云うか違和感を覚えた。

連作短編の各話は、どれも感動を狙ったような内容だが、実際はどの話もそれほど大した感動はない。
それから依頼者が、最初に食堂を訪れた時に出される料理は、品数が多くてどれも美味しそうだけど、
店主の説明が、品数が多いだけに覚えられないから、そんなもん娘が料理の内容とお薦めの食べ方を
紙にでも書いて料理の横に添えとけよ。 めんどくせぇーな!


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