ラグビー日本代表、小野沢があと2人いたら

2005-06-20 03:41:17 | Weblog
ラグビーの国際親善試合が19日、東京の秩父宮ラグビー場であり、日本代表はアイルランド代表に前半4点を追う僅差の展開に持ち込んだが、後半5トライを許し、18-47で大敗した。日本はシリーズ2連敗に終わった。

第1戦に比べて日本は攻撃的だったが、やはりアイルランドの壁を崩すには至らなかった。日本のトライは2つとも大畑が挙げたもの。前半34分の一つ目は一瞬の隙をつき、大畑が独走し中央に決めた。しかし相手の守備を完全には崩していない。結局、日本は球出しが遅いために、スクラムハーフがボールを供給する頃には、アイルランドの横に伸びた壁が横一列にそびえ立っている。

この状況を打開できるのは、小野沢ぐらいだろう。彼のうなぎのようにスルリと守備網を抜けていくステップは天才技だ。今日も何度か柔らかいフェイントで守備の間を抜き去っていた。彼が突破すると会場も沸く。流れを引き寄せる人材でもある。大畑はフィニッシャーとしては完璧だ。でも相手守備を崩して好機を作るタイプではないと思う。やはり最後のフィニッシュを、スピードを生かして決めて欲しい。

小野沢タイプがあと2人いたら、日本も両サイドや中央から突破するチャンスが生まれ、相手守備陣も狙いを定められず、ほころびが見えてくるのだが。そもそも日本の追求する「フランス流」は接点にいち早く駆けつけるフランカーと、球出しの早いスクラムハーフが最低限必要不可欠だというのに、フランカーのフォローが遅く、球出しが遅いため、守備陣につかまり前進できない。

この日もアイルランドが蒸し暑さのためか、前半に足が止まっていたのに、逆にプロップの高木がシンビンの一時退場を受けて流れが変わってしまった。高木のいない後半開始直後、連続トライを奪われた。日本の「フランス流」攻撃でトライを取ろうが、堅い守備がなくては「焼け石に水」となってしまう。

堅い守備。そして「重要無形文化財」ともいえる小野沢のステップをマスターできる人材を育てるべきだ。今からなら日本が目指している2011年の自国開催のワールドカップに間に合うかもしれない。