ナベツネ復活、巨人のみそぎは済んだのか

2005-06-08 00:24:55 | Weblog
巨人は7日の決算取締役会で、前オーナーだった渡辺恒雄氏が同球団会長に就任する人事を固めたという。巨人といえば、昨年のドラフトで有望だった明治大の一場靖弘投手(現楽天)の獲得をめぐり、スカウトが現金を渡した問題が発覚、昨年8月に渡辺氏がオーナー職を辞任していた。あれから10カ月。巨人は球界やファンに対して何の反省も貢献もないまま、当時のオーナーを球団へ復帰させようとしている。

そう今年のプロ野球において巨人の貢献度は皆無に等しい。かつては試合の放映料を盾に球界の王様のような振る舞いだったが、今年のプロ野球を盛り上げているのは、むしろ新球団の楽天、パリーグの首位攻防を繰り広げているロッテやダイエーなどのパリーグ勢である。セリーグも昨年、選手会をまとめ1リーグ制を阻止した古田敦也のいるヤクルトが好調だ。ちなみに昨年8月27日、渡辺氏はロッテとダイエーの球団合併を示唆する発言をしたという。そんなことが実現していたら、どんな強力チームができて、一層巨人の地盤沈下をはっきりさせたことだろう。

昨年、コクドや西武鉄道の総会屋への利益供与事件、同じく保有株式の情報開示書類に虚偽記載、コクドの西武鉄道株売却におけるインサイダー問題など数々の不祥事を犯した親会社によって、どん底までイメージが落ちた西武ライオンズ同様に、巨人のイメージも今季の成績同様に芳しくない。今年5月13日の交流戦、巨人対西武(テレビ朝日がTV放送)の視聴率は関東地区で9.9%。同地区での巨人戦のテレビ視聴率が初めて10%を割ったという。

新宿西口の金券ショップ街を歩くと、巨人戦のチケットが山のように並んでいる。試合当日にも売れず、店員が安売りを呼びかけている場面も目立つ。渡辺様、あなたが王様のように大いばりできる時代ではなくなったのですよ。

7日のロッテ対巨人のヒーローインタビューでお立ち台に立った勝利投手のロッテ小林宏之投手はファンに向かって「あしたはサッカーがありますが、球場へ足を運んでください」と呼びかけていた。ひと昔前だったら、サッカーよりも野球のほうが注目されていた。しかし、もう時代は違うのである。巨人で唯一、注目されているのが、スキンヘッドにピアスの清原だけでは、あまりに寂しい。まずは球団の信頼回復を実現してから、人事を考えても遅くはないのでは?