時として、とんでもないヒーローが飛び出すものだ。
休場を囁かれていた尊富士(24)がやってのけた。
110年ぶり世紀を超える新入幕優勝。
休場を囁かれていた尊富士(24)がやってのけた。
110年ぶり世紀を超える新入幕優勝。
満面の笑顔を浮かべた。
【3・25付・報知新聞】
きのう14日目の朝乃山戦で右足を痛め病院直行。
それさえ鬼迫で乗り越えた。
それさえ鬼迫で乗り越えた。
好調の豪ノ山を土俵下まで吹っ飛ばす押し倒し。
じん帯を痛めた右足首に痛み止め注射。
テーピングで固めての強行出場。
テーピングで固めての強行出場。
鬼迫の男は昭和の仮面をかぶったニューヒーローだ。
歴史的快挙に館内は歓喜で爆発した。
10勝4敗で好調の豪ノ山をガッシリ受け止めての白星。
10勝4敗で好調の豪ノ山をガッシリ受け止めての白星。
一度は残されたが、構わず突っ走った。
偉業達成の瞬間。
館内は大歓声と拍手で包まれた。
NHKは即テロップを流した。
国内最高齢115歳(兵庫・芦屋市)の女性が、5つの時の扉を開いた。
大正3年10日制だった両国以来。
デビュー10場所目、という超スピード賜杯でもある。
デビュー10場所目、という超スピード賜杯でもある。
まだ大イチョウも結えない。
ちょん髷姿で賜杯を抱く姿は初々しい。
ちょん髷姿で賜杯を抱く姿は初々しい。
とにかく初土俵から2敗以上したことが無いのだから、凄すぎる。
新十両、新入幕ともに13勝2敗で関取2連覇だ。
新十両、新入幕ともに13勝2敗で関取2連覇だ。
三賞(殊勲、技能、敢闘)も総なめ。
大の里(23)は豊昇龍(24)との大関戦に下手投げで敗れた。
11勝4敗の大の里は敢闘、技能賞を尊富士とW受賞。
大の里(23)は豊昇龍(24)との大関戦に下手投げで敗れた。
11勝4敗の大の里は敢闘、技能賞を尊富士とW受賞。
三賞を独占した「大尊時代」が1頁目を書きこんだ。
記録よりも記憶に残りたかった
▼尊富士「記録も大事だが、皆さんの記憶に一つでも残りたくて、必死で頑張った。師匠の伊勢ヶ濱親方が解説だったので、しっかり取った。15日間しっかり土俵に上がることが力士の務め。勝っても負けても、自分を信じて土俵に上がった。 気力だけで取った。 昨夜は寝られなかった。こんなにつらいとは思わなかった。ご飯も入らないし、食べても美味しくなかった。歩けなくてもうダメだと思った。勝っても負けても土俵に上がらないとと思っていた。この先終わってもいい。一生後悔すると思った。『お前ならできる』と横綱に言われた。そのおかげです。親方からは『力入らねえならやめとけ』と言われた。本当に優勝したのかなと思った。もう一回やれと言われても無理。気力だけ。ここからがもっと大事。みんな強かったし不安もあった、ケガをしない体を作らないとダメ」
気持ちが強かった
▼伊勢ケ濱親方(元横綱・旭富士)「気持ちが強い。右足首は本来なら無理。靱帯が伸びていた。夜になってやっぱりやりたいと言ってきた。歴史的にも大変な一番。出場を止められないでしょう。止めたら後悔、止められた方も後悔する。 よく自分から攻めたね。一瞬前に押して、残されたのでオッと思ったが、その後態勢を整えて、また自分から攻めた」
▼伊勢ケ濱親方(元横綱・旭富士)「気持ちが強い。右足首は本来なら無理。靱帯が伸びていた。夜になってやっぱりやりたいと言ってきた。歴史的にも大変な一番。出場を止められないでしょう。止めたら後悔、止められた方も後悔する。 よく自分から攻めたね。一瞬前に押して、残されたのでオッと思ったが、その後態勢を整えて、また自分から攻めた」
◆尊富士(たけるふじ・みきや=本名・石岡弥輝也)1999年4月9日、青森・五所川原市出身。木造中ー鳥取城北高ー日大ー伊勢ヶ濱部屋。序の口、序二段を全勝優勝。24年初場所、新十両13勝2敗で優勝。春場所、新入幕で優勝。110年ぶり快挙。デビュー10場所最速V。最高位は東前頭17枚目。184センチ、143キロ。家族は母・桃子(47)、4人兄弟の二男。