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酒のツマミになる話題をセッセセッセ。独断偏見は”味付け”です※文中の敬称は略。

最愛ペットの思い出

2013-06-02 | 日記
思うところあって、資料の整理をしている。
懐かしいメモを見つけた。

わが愛するペットの話だ。
色んな想いが詰まっているので、その一文を残しておこう。

題して「チャコ」。
20年前に老衰で亡くなったマルチーズの小型犬雑種(雌)の名前だ。
今は雑種のことをミックス、とお洒落なネーミングだが、当時はどこにでもいた類いだ。

以下は別れの一文。
「黒い煙が青い空に向かって、のぼっていく。ガソリンの燃えカス、とは思いながら、一方で妙な感傷にとらわれる。たった一匹の犬の死に直面して、これほどうろたえ、悲しみ、嗚咽を漏らそうとは、思いもよらなかった。まして、人間さまのように、霊園(兵庫・猪名川動物メモリアルパーク)で葬式、火葬など別世界の戯言と、軽蔑すらしていたのだが、数珠を持って天を仰いでいる。敬けんに素直な心で天国に行け、人間に産まれ変わって、また会いに来いと叫んでいる。16年目の冬。。結婚して20年目だから、その八割もの間、家族の中の笑いや悲しみを共有してきたわけだ。白い小さなカーペットに力なく横たわるチャコ。目にはヤニがたまり、その奥は白内障で白く濁って光がほとんどない。歯は黄色く薄汚れ、牛の骨をバリバリ噛み砕いた、輝きはすでになく、歯槽膿漏で歯がぐらぐら。上下の歯は数本抜け落ちている。1993年2月14日12時22分。世の中はバレンタインデーの昼下がり。テレビでは東京国際マラソンの中継。メコネン、モネゲッティらが競り合っている。時折、画面に目を移すがチャコの容態が気になって、頭に入ってこない。昨日(13日)からほとんど食欲がない。手で体をさすってやっても、骨ばかりで反応がなく涙が零れ落ちてくる。自慢の目、耳、鼻すべてが利かなくなって約1ケ月。動きが悪くなると同時に足腰が急激に衰え始めた。歩くたびに物にぶつかる。物音、匂いというより、振動で方向づけしているようだ。胸に抱いた軽い小さな体から鼓動が消えた。小刻みに体が震え、頭が両腕から微かにガクッと落ちたそれがチャコとの永遠の別れになった」

ちょっと気恥ずかしいが、以上が当時、悲しみに任せたメモだ。

犬の齢は人間でいえば1年で7歳年を取る。
小型犬と大型犬では違うらしいが、10歳以降は年齢加算に変化があるらしいが、チャコの年齢は単純計算で7歳×16年で102歳。
いずれにしても、90歳以上の高齢犬には違いなかった。

背中に茶色が混じっていたのでチャコと私が名づけた。
小さいころから犬を飼っていて、ずっと「犬が飼いたい」と思っていた。
ある日、仕事から帰ってきたら、ソファーの上に小さな白い犬が体を震わせていた。
サプライズだった。
チャコは結婚して4年目に家人が近所からもらってきた。
子犬を見て、可愛くないと思う人は全世界にいない、と思っている。

「人間より寿命が短い」
「いくら生きても15年前後。我々が先に死んだら、ペットはどうする?」
「もう2度と飼わない。死んだら、悲しすぎる」
家人ともども、そう思っていたが、今もトイプードルが2匹いる。

ペットは人の生きる縮図だ、といわれる。
重病を患った飼い主の代わりに「死んだ」「病を持って行った」とよく巷で聞く。
そんなことは、あろうはずもないが、そう思わせるのがペットだ。
とりわけ、犬は人間と暮らす、永遠の癒しファミリーと思っている。