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地中海珍道中1~怪しげアムステルダム

2013-06-16 | 日記
いきなり、やらかしてしまった。

スキポール空港からアムステルダム中央駅に向かっている列車に乗ったはずが、どんどん郊外の牧歌的な風情になってきた。
列車乗り違いだった。
欧州放浪の第一歩の地は、空港駅から列車で20分のところのはずだった。

おかしい。
いつまでたっても、つかない。

どうやら、途中から違う軌道に入ったようだ。

「OH!」目の前に座った女性に尋ねると目をひんむいた。
左手を振り回し、やたら向かいのホームを指さす。

あわてて飛び降り、走った。
お供したハネムーン若夫婦も続いた。
列車は逆方向に走っていた。

これも旅そのものだ。
着いた。
アムステルダム中央駅。
片道550円。
余計に乗れて、いい景色も見れて得した気分だ(と、強がる)。

出口に改札がない。
素通り(何の為の切符)で改札口を出ると、歴史あふれる建造物が圧倒的な存在感で迫ってきた。
全体が大学のキャンパスのように美しいオランダの首都アムステルダム。

駅舎自体が、新東京駅をそのまま歴史的建造物に仕上げた風情にあふれる。
駅前にはモダンな市電が縦横無尽に走り、建物とそれが妙にマッチする。

日本は梅雨真っ最中だが、ここは気温16度。
肌寒いくらいだ。

人波について行くと、淫靡(いんび)さが漂い始める。
雑貨屋と思い、足を踏み入れるとショーウインドーにはパイプがズラリ。
大麻吸引パイプのようなものが所せましと陳列してある。
オランダが大麻を合法化していることを実感させられた瞬間だった。
更に歩いて運河沿いに行くと、若い男の集団が橋の上で歓声を上げている。
よく見るとガラス戸越しに下着姿の女が立って誘っている。

アムス名物の飾り窓の女だ。

カメラを向けた。
赤いカーテンを女が引きぴしゃりしめた。
身体を隠した。
金髪、真っ赤なルージュの女が顔だけ出して、こちらに怒りの形相。
何やら身振り手振りで叫んでいる。
「NOピクチュア」とある。
写真ご法度。

一旦立ち去るをふりする。
それでは再チャレンジ。
風景を撮るようにゴミ箱の上にコーラ缶を乗せて、フェイントかけるようにカメラを向けた。
黒服の大男の黒人が飛び出してきた。
スーッと顔を合わせずに、何事もないように逃げた。
写真にしておきたかったがトラぶりたくない。

運河沿いは美しい町並みと淫靡さが入り混じり漂う。
まるで新宿・歌舞伎町をもっと淫靡にした雰囲気。
昼間だったから良かった。

夜になれば、もっと不気味だろう。
アンバランスな佇まいが魅力の街だ。

駅前でユーロミュージックを奏でる男2人を後に空港に戻った。
空路2時間余りのリスボンへ。
さて、明日は娘が10年前に留学したコインブラ大学を訪ねることにする。