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一意専心の資格マニアの記録

いくつか資格を取得するうち、楽しさを覚えるようになりました。主にビジネス系です。

「周知する」と「周知させる」。

2013-08-11 08:52:39 | 日本語・漢字

 「周知」を動詞として使うとき、「周知する」と「周知させる」の2通りの言い方が使用されています。質問掲示板では、「周知する」は誤りで「周知させる」が正しいという回答も見られます。そこで、「周知する」と「周知させる」について調べてみましたので、メモしておきます。

1 辞書に書かれている「周知」の意味(デジタル大辞泉)
 世間一般に広く知れ渡っていること。また、広く知らせること。「―の事実」「―の通り」「運動の趣旨を社会に―させる」

2 1をもとに考える
 「運動の趣旨を社会に周知させる」という例文があるので、「周知させる」は正しいということが直ちにわかります。それに、「周知」の意味を1つ目の「世間一般に知れ渡っていること」の方だとすると、その状態にする、という意味で「周知させる」を選ぶことになります。
 しかし、「周知」の意味を2つ目の「広く知らせる」の方だとすると、「周知する」としなければ、「〜させる」の意味が二重になってしまいますから、「周知する」とすべきです。
 結局、「周知する」でも「周知させる」でも構わないのではないでしょうか。

3 「周知する」と「周知させる」の使用状況
 日本語コーパス「少納言」で「周知」の動詞としての使用状況(件数)を調べてみました。結果は次のとおりです。《少納言へのリンク》
                         ※単位:件

        法律   白書  広報誌  国会  他  計
周知させ     7    5    0     6   24  42
周知せ      0    0    0     1   5   6
(周知させる・計) 7     5    0       7   29  48
周知す      1    17    6     2   7  33
周知し      1     9    7    19   18  54

(周知する・計)  2    26    13    21   25  87

※ 「周知せ」は「周知せしめる」など。「周知し」は「周知し、」の他、「周知して」、「周知します」など。

 上の表を見ますと、法律では「周知させる」の使用が多いのですが、白書、広報紙、国会会議録では、「周知する」の方が多くなっています。その他の区分(書籍等)では、「周知させる」の方がやや多くなっています。

 「周知する」と「周知させる」の使い分けのルールや傾向は、これらの使用例を見ても読み取ることができませんでした。

 使用状況から考えた場合も、結局どちらでもよさそうです


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