3週間が終わりに差しかかった頃、嵐の日のことです。その日は朝起きると真っ暗で、雷が鳴るような荒れ模様でした。授業は朝からあったので、いつものように学校に向かいましたが、電車が遅れてしまい私は遅刻しました。
(東洋経済オンライン 「受験で全敗した私が、英語の達人になるまで」 2013年05月16日)
まず、「国語に関する世論調査」で取り上げられたこともある「雨模様」の意味から確認します。
あめもよう【雨模様】(デジタル大辞泉)
1 雨の降りそうな空の様子。あまもよう。「―の雲」
2 雨が降っているらしい様子。あまもよう。「山間部は―らしい」
[補説]1が本来の意味。2は新しい意味で、近年はさらに「現に雨が降っている」意にも使う。
文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、「外は雨模様だ」を、「雨が降りそうな様子」の意味で使う人が43.3パーセント、「小雨が降ったりやんだりしている様子」の意味で使う人が47.5パーセントという結果が出ている。
さて、上記引用文では、「荒れ模様」が「荒れた天気」の意味で使用されているようです。しかし、「雨模様」が「雨の降りそうな様子」を表すのと同じく、「荒れ模様」は、「荒れそうな気配。」を表します。
あれもよう【荒れ模様】
1 天候の状態が悪くなりそうな気配。「山は―だ」「―の空」
2 人の機嫌や会場の雰囲気などが悪そうな、また、悪くなってきそうなようす。「課長は朝から―だ」
この機会に、天気を表す「〜模様」という言葉について、メモしておくことにしました。
「雪模様」も「雪になりそう」の意味です(ただし「雪模様」は空見出しであり、「雪催い」を参照させています)。
ゆきもよい【雪催い】(日本国語大辞典第二版)
今にも雪の降りそうな空模様。雪模様。《季 冬》「湯帰りや灯ともしころの―/荷風」
他に「嵐模様」もありました。「嵐になりそうな様子」です。
ところが、「霧模様」は、「霧になりそうな様子」ではなく、「霧がかかっている天気ぐあい。」でした(日本国語大辞典第二版)。
「曇模様」も「霧模様」と同様に、「空の曇っている状態。」です。
「梅雨模様」は、辞書の定義がやや分かりにくいのですが、「梅雨でないのに梅雨のような天気」のことでしょうか。あるいは「いかにも梅雨らしい梅雨の天気」のことなのでしょうか。
つゆもよう【梅雨模様】(日本国語大辞典第二版)
梅雨期のような感じのする天気のぐあい。
同じ「〜模様」でも、「雨模様」のように「〜になりそうな様子」を表していたり、「霧模様」のように「〜の様子」を表していたりで、使い分けが難しいです。そもそも「模様」の意味は何でしょうか。
もよう【模様】(デジタル大辞泉)
3 現時点で推測される状況。「列車は遅れる―だ」
6 名詞の下に付いて、それらしいようすであることを表す。「雨―」「荒れ―」
ここでは「雨模様」、「荒れ模様」の「模様」が、「〜になりそう」ではなく、なぜか「〜らしい」になっています。
《参考》新・ことば事情 5412「雨模様」 ※2014/04/05追加
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