https://www.carsensor.net/usedcar/detail/AU5931160684/index.html?vos=dscsrrhzzzz10484937&utm_source=rtbhouse&utm_medium=retargeting&utm_campaign=rtbhouse-retargeting&rtbhc=Gbmc1I4AVX_WcFJtQEHRm1YfOCHsrEFi-h8gPjGtUnE.AU5931160684.1729117709043.0.pxeJiQ0JxocLFi8HYiUp.
牛肉や豚肉、ラムやそのほかの動物性タンパク質の摂取量を減らしてください
パーキンソン病 認知症の人
長寿者の真の秘密は、何を食べるかではなく、何を食べないかにあると考えている。彼らが食べないものとは、大量の動物性タンパク質だ。ブルーゾーンの住民の中には、動物性タンパク質を大量に摂取している人がほとんどいない。それが彼らの健康長寿の秘訣だと私は信じている。
8週間のランダム化比較試験では、被験者は30%のカロリー制限食(つまり、普段より30%カロリーを抑えた食事)を摂るという前提で、2つのグループに分けられた。
一方のグループはカロリーの30%を動物性タンパク質で摂取し、もう一方のグループはカロリーの15%だけを動物性タンパク質で摂取した。両グループとも、ほぼ同じ量(6.8kg)の体重減少が見られた。
ところが血液検査では、両グループに顕著な違いが見られた。動物性タンパク質の摂取量が少なかった後者のグループは、動物性タンパク質の摂取量が多かった前者のグループに比べて、炎症マーカーの数値が低かったのだ。また、タンパク質の総摂取量(植物性および動物性)と動物性タンパク質(魚のタンパク質を除く)の摂取量の両方が、炎症の増加と相関していた。
この知識をもとに、ブルーゾーンのリストをもう一度見直してみよう。サルデーニャ人は、日曜日や特別な日にだけ肉を食べる。沖縄の人々は、少量の豚肉を含む植物中心の食事をしていた。ロマリンダのセブンスデー・アドベンチスト教会の信徒は、ほとんどがベジタリアンで、ヴィーガンも多い。
ニコヤ島の人々は週に一度しか肉を食べない。イカリア島では、一家族が1年に1頭だけ動物を殺し、その肉を数カ月かけて少しずつ食べている。また、キタバ島やアッチャロリの人々は、タンパク質の摂取量がとても少なく、そのほとんどが魚である。
デンマークとスウェーデンの研究者が、献血を頻繁に行うと鉄分濃度が危険な域まで低下するかどうかを数百万人の献血者を対象に調査したところ、年齢やそのほかの健康状態を加味したうえで、献血回数の多い人は少ない人に比べて有意に長生きであることがわかった。
これは、献血によって体内の鉄分量が減少したためだ(同様に、女性が男性よりも長生きする理由として、女性は人生の約半分の期間、毎月かなりの量の鉄分を月経によって排出していることが挙げられる)。
鉄が私たちを老化させる理由
鉄の働きを調べた別の研究では、生後4日目のセンチュウに鉄を与えたところ、急速に成長し、すぐに生後15日目くらいの大きさになった。これは些末なことに見えるかもしれないが、センチュウの全寿命はわずか4週間ほど。
つまり、鉄を与えたことで、センチュウの寿命は約3分の1に短縮されたのだ。鉄が私たちを老化させるのは、ミトコンドリアの機能を阻害するからだ。
ご存じのように、鉄はヘモグロビンの構成成分だ。ヘモグロビンは赤血球に含まれる物質で、全身に酸素を運ぶ働きをする。また、ミトコンドリアは酸素を使って、ブドウ糖や脂肪分子を「分解」し、エネルギーを作り出す。
一見すると、血液中の鉄分が多いほど、ミトコンドリアへの酸素の供給量が増え、エネルギーの産生量も増えるように見える。だが、実はその逆のことが起きているようだ。
ワイオミング大学で行われた2018年の研究では、研究者たちがマウスのミトコンドリアを調べたところ、体内の鉄量が多いマウスはミトコンドリア内の酸素が不足していることがわかった。また、脳の神経細胞が失われるハンチントン病のマウスを調べたところ、そのマウスのミトコンドリアにも鉄が過剰に蓄積されていた。
ミトコンドリアの機能が低下したために、ニューロンが死んでしまったのだ。ミトコンドリアが酸素にアクセスできず、エネルギーを産生できなければ、細胞は死んでしまう。このことはパーキンソン病やアルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(略してАLS、ルー・ゲーリッグ病とも呼ばれる)などのほかの神経疾患を理解するための道筋を示している。
動物性タンパク質を減らすメリット
実際にヒトを対象とした研究では、加齢に伴い血液中の鉄量が増えると、アルツハイマー病の発症リスクが高まることがわかっている。また、アルツハイマー病ではない人でも、脳機能イメージング技術によって、認知機能障害と鉄分の蓄積との間に一貫した相関関係があることが明らかになった。
脳内の鉄分過多に関連したフェロトーシスという細胞死も新たに認識されつつある。
さらに、鉄分が脳機能に及ぼす影響を調べた別の研究では、パーキンソン病患者が献血によって鉄分濃度を減らしたところ、症状が劇的に改善したという結果が出ている。鉄分は驚くほど老化を加速させる。そして動物性タンパク質にはこれが大量に含まれている。
だがもうひとつ面白い話がある。ブラジルの研究者が、鉄分濃度が高く、記憶障害の兆候があるラットに酪酸ナトリウムを全身に1回注射したところ、記憶力が回復したというのだ。
先述したように、腸内微生物叢に適切な食べ物を与えれば酪酸が産生され、それをシグナルとして姉妹であるミトコンドリアにエネルギー産生を活発化するよう指示が出る。
では、ミトコンドリアへの鉄の蓄積は、通信回線が乗っ取られたことを意味するのか。それとも、腸内微生物叢がより幸せで健康になれば、鉄による老化の影響から身を守れるということなのか。驚くべきことに、その両方なのかもしれない。
「牛肉や豚肉、ラムやそのほかの動物性タンパク質の摂取量を減らしてください」と言わなければならないのは、残念なことだ。しかし今までの説明で動物性タンパク質の摂取量を減らすことのメリットについては納得していただけたのではないだろうか。