地方の商工会議所に勤める中小企業診断士のブログ 「お酒と読書と、中小企業支援の話」

田舎の商工会議所が行う中小企業・小規模事業者への支援。そのリアル。息抜きに楽しむお酒と読書の話。

昨日の一冊

2024-07-11 08:06:00 | 読書・自己啓発
やっと読み終えました(笑)
※とても面白くためになる本でした
以下、エピローグからの抜粋です


渋沢が銀行を川の流れにたとえたように、古くなり滞留しがちな土手(バンク)を作り直し、新しい流れを起こす。

日本商工会議所は全国各都市にある商工会議所ネットワークを活用して、寄付を呼びかけ基金を創設し、国や地方自治体からの補助金がなかなか人の手に渡らないという目詰まりを解消するため、省庁間や都道府県の垣根を超えて横断的に活用する。…寄付をした人々の参画意識を高めることが必要である。

民は官からお金を貰うことに慣れてしまってはいけない。渋沢が生涯をかけて打破しようと尽力した官尊民卑の悪弊がかえって強くなってしまう。…民主主義社会における自主性を奪う危険がある。一人一人が…戦いに参画して、危機を克服するという強い意志を持つことが肝要である。




渋沢栄一 ~日本のインフラを創った民間経済の巨人~

2024-07-01 08:04:00 | 読書・自己啓発
商工会議所には毎日多様なものが送り付けられてきます(笑)
なかには掘り出し物もあります
今回は当たりでした
とても面白いです😊
とりあえず、読んだところまでの心に残った文章を挙げます

渋沢はあくまでも「民」主導で社会改革を行うことを説いたのであり、いたずらに「官」と対立したわけではない。
つまり互いに協力し、公益を増進するためには「民」が自立し、官と伍するだけの知力、財力、人的なネットワークを有しなければならなかった。
そもそも銀行は大きな川のようなものだ。銀行に集まってこないうちの金は、溝にたまっている水や、ぽたぽた垂れているシズクと変わりがない。(中略)銀行を立てて上手にその流れ道を開くと、倉や懐にあった金がより集まり、大変多額の資金となるから、そのおかげで貿易も繁盛するし、物産も増えるし、工業も発達するし、学問も進歩するし、道路も改良されるし、すべて国の状態が生まれ変わったようになる。
渋沢が目指した社会は、実業家が政治家や軍人と対等に国家社会について議論できるというものであった。つまり経済活動に直接携わる商工業者が民の中心となって公論形成のリーダーシップを取り、政府の政策決定に影響を与えることのできる社会であった。そのためには商工業者の地位を向上させるとともに、商工業者自らが政治家、官僚、軍人と対等に議論することのできる社会的地位と見識を持っていなければならなかった。
競争はあたかも、人体の熱のごときものでおる。人間を活かすも殺すも熱である。商人を活かすも殺すも競争である。ゆえに、商人は常にその平熱を保つことに注意しなければならない。






相手の目を見て本質をとらえる

2024-06-19 08:10:00 | 読書・自己啓発
5月下旬に某経営コンサルタント企業が破産。再構築補助金等の申請支援で年商35億円をあげた企業でした。急拡大での自転車操業は補助金審査の長期化に耐えられなかったようです。
私も少し接触したことがありますが、なかなか問題のあるやり方だったような気がします。
その尻拭いを今、その会社とつるんでいた金融機関がやっている。でも、金融機関にできるわけないから、結局は顧客の信用を失うことになっている。
本質を見極めず手数料欲しさに乗っかった金融機関にも責任はあります。
2年前に、地元信金が鼻息荒くこの会社との連携を喧伝し、会議所にまで「案件あればうち(信金)が間に入るので紹介してください」と言ってきた時には閉口したものです。
即時に、「その連携は顧客への説明責任を果たしてないのではないか。私たちはあなた方の手数料稼ぎに協力して、会員さんを裏切るようなことはしませんよ」と断ったのを覚えています(笑) ※熱い男ですワタシ
目の前の人やビジネスプランの本質、根っこの目的、そのために消費しようとしているもの、それらを見極める目と耳をこれからも養っていきたいと思いました。