鈴木理策写真展「意識の流れ」

2015-02-07 12:08:00 | 知のグルメ

 昨年来、楽しみにしていた写真展に行って参りました。

 

写真を撮る趣味をお持ちで暈け(Bokeh)を好む方、撮影対象に自然物が多い
御仁にお薦めです。

 

コダックポートラフィルムの影響でしょうか、全ての作品が私の好きな色味ですが
同じフィルムを用いたパステル調の癒しカラーとは一味違う
男性的なedgeが感じられます。
木々の緑、水の青さが光を纏い、そこに、流動性のある種の力が作用したとき
全てが輝き始める刹那を確実に捉えたカメラワーク。

 

雪のみを撮った写真(当然隅から隅まで真っ白です)を初めて見ましたが組写真と
してなら成立するのですね。
色と形が光によって可視化され、その時を映像に留めようとする写真行為の
純粋な意識の流れを感じるでしょう。

 

ディアドロフ(8×10inch)いう大判カメラ故の精密な画像は「私や貴方の撮る画と
同じような写真はflickr上の世界に毎日アップされている」と言う「写真家の終焉」を
示唆する論調に対しても一つの答えを提示しているように思える。


---以下引用---
japon inteview 3 より
【私は風景の写真を撮るとき、絵をつくるという感覚ではなく、「自分がここにいる」
ことを写真にしたいと思っています。例えば、山を歩いて風景が変わったと感じたとき
そこで最初に目に止まったところにピントを合わせて、構図はほとんど成り行きで
シャッターを切る。こうすることで、生き物として身を守るために感覚した要素が写真
映像に表れると思うのです。私にとって写真は、単なる絵づくりではなく、自然と自分
との関係をまなざす行為です。なにかを得ようと意識的に自然を見るのではなく、ただ
自然のなかに身を置いてみる。そうすることで、日本人が古くから培ってきた自然観
そこから生まれた思想を感じることができるのではないでしょうか。】
鈴木理策mammoth, 2012年10月15日 #25, interview, japon
---引用ココまで---

 

形無きモノを感じよとは、私ども平々凡々、形而下にある者にとっては、中々
ハードルの高いことであるけれども。

 

--Museum data--
施設:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)
所在:香川県丸亀市浜町80-1
電話:0877-24-7755 
会期:2015年2月1日(日)-5月31日(日) 会期中無休
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)
観覧料:一般950円・ 大学生650円
※常設展「猪熊弦一郎展 未知へ向かう悦び」の観覧料を含みます。

 



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