ハチの家文学館

ハチの家写真館(http://hachinoie.exblog.jp/)の文芸版

お不動さん

2013年01月26日 06時42分25秒 | 慈しみと悲しみと

                     静岡県袋井市 西楽寺 不動明王

    静岡県袋井市 遍照院 不動明王

故郷浜松で高校の同窓会があった。昭和38年卒業372名中87名の出席で、冒頭に物故者27名の黙祷を行った。名前を知る人で逝去を初めて知った人もいた。卒業以来50年ぶりというM君ほか、懐かしい面々が揃う。顔と名前が思い浮かばない人もいる。相手から声をかけられて、名前を思い出さないとすまない気持ちになったりすることがあるが、お互い様かもしれない。

翌日兄の車を借りて、天竜川を渡り袋井市の西楽寺を訪ねる。3年前偶然に立ち寄って、すばらしい仏像がたくさんあることに驚いた。この辺りは、浜松を含めて遠江(とおとおみ)、遠州(えんしゅう)といわれる地域で、古寺名刹が多いところである。

今回はとりわけお不動さんを撮りたくてやってきた。明王の中でも一番よく知られている不動明王である。密教の世界では、大日如来の化身で、あらゆる人々の救済のために飛び回っているこわーい形相の仏で、右手に倶利伽羅剣(くりからけん)という両刃の剣を持ち、衆生の煩悩を断ち切るとともに、仏敵をやっつける。また、左手には羂索(けんさく)を持ち、降参しない者を縛り上げたり、苦しみ喘ぐ衆生を救い出す。

西楽寺ではご住職に会えなかったが、奥さんが愛想のいい方で、長時間撮影にもかかわらず親切にしてくださった。前回はCDとプリント写真をお送りしたが、今回は去年買ったニコンD800で最新の機能を使い、高解像の写真を撮らせてもらったのであらためてお送りしようと思っている。

すぐ近くに高野山真言宗の遍照院という小さなお寺を見つけた。ご住職にお聞きしたら、仏像の制作年代ははっきりしないがかなり古いとのこと。小さなお堂にヒョコンとおわすお不動さんと、衿羯羅童子(こんがらどうじ)と制多迦童子(せいたかどうじ)がとてもカワイイ。この衿羯羅と制多迦の小さな童子は、正には順じ、不正には従わない不動明王の誓願を示すものである。お不動さんのこ゜真言は、「ノウマク サマンダ バザラダン センダ マカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン」と唱える。

久しぶりに本堂等で仏様と対峙したが、心地よい緊張感と心が洗われる清浄な気持ちはいつもと変わらない。本堂では必ず般若心経を唱え、仏さんにはそれぞれのご真言を唱えることにしている。仏師が一刀二拝しながら仏像制作しているのと同じ気持ちで撮影しているつもりであるが、これが私の仏像写真撮影の基本姿勢で、あるがままに畏敬の念を抱いて撮らせていただくのである。 25/1/20

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿