日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

自分へのイタズラ

2007年04月10日 | その他の日々
山田詠美さんの
『トラッシュ』という文庫本を読んでいたのは、
多分21歳の頃だった気がする。

だからその頃だとは思うのだ。
その本に、千円札を挟んだのは。

すっかり忘れてめくったとき、
「おぉ!なんじゃこれは!!あぁ!あの時のだ!!ラッキー♪」
と、自分に思わせようとして。

一度読んだ本は、
よっぽどのきっかけがない限り、
もう一度パラパラとめくることは、
そんなにはない。

そんな日がくるんだろうかと疑いながら(←多分ね)、
実行した。

で、この時から数年後。

私はなんのきっかけか忘れたけれど、
『トラッシュ』をめくって、
すっかり忘れた千円札を見つけて、
純粋に、単純に、驚いた。

自分のイタズラに、自分が驚いて、大成功!

――まさか、千円札をトラッシュの意味(くずとかゴミ)にかけて、
   この文庫本に入れたんじゃないだろうなぁ~、
   いつだっけ?千円札入れたの?

と、自分のイタズラに深読みまでして、
大うけした。

で、
再び『トラッシュ』の中へ
千円札を忍び込ませていたんだが、
数週間後に、意識しすぎて取り出して、
使ってしまったんだけれど、

そこまでは覚えているんだけれど、
それからの記憶がものすごく曖昧。

新しい別の千円札を、
『トラッシュ』以外の本に忍び込ませたような気がするし、
もうしなかったような気もする。

ただ、すっかり忘れた、白紙の状態に、
自分が戻らなくなった。

     ★

春。
そろそろ古本屋へ本を売った方がいいような
本棚の煩雑さ。

――これらの本のどこかに、千円札があるような気もするし、
   ないような気もする。
   あるとしたら、どの本だろう。
   探してもなかったら
   無駄な時間を費やすことになるしなぁ……う~ん。

と、整理する時、
必ずよぎって、
もんもんとします。

イタズラを越えて、
ここまでくれば、
もう『罠』です。アホだなぁ~。

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