日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

仁義なき戦い①窓口編

2006年09月10日 | 夫との日々
夫と一緒に、自動車免許証の住所変更をしに、門真市の運転免許の試験場へ行った。

で、その取り扱う窓口へ行ってみると、
奥さん、女の子女の子(ふたりってことね)、ご主人といった感じで
横一列になって、
窓口の人と話をしていた。

奥さんの後姿は、清楚な竹内まりや風。
ご主人の後姿は、竹ノ内豊をサーファーにした風。
女の子女の子は、双子っぽいほど背丈が似ていて、
おそろいの服を着ている。

おしゃれな20代の家族って感じだ。

女の子女の子は、
きゃーきゃーわーわー言いながら、
お父さんとお母さんの間で、
届かない窓口に向かって、
ジャンプしたりしてはしゃいだりして、
竹内まりやや、竹ノ内豊の気を引こうとしたりしている。

最初はその子供らがかわいかったので、
そっちに目がいってたのだが、
やがて、竹ノ内豊のほうが、
窓口のほうの人に
強い口調で、
何か言っているのがわかった。

竹内まりやは
その窓口の人と竹ノ内豊とのやりとりを
静観しているといった様子で。

窓口に広げられているのは、
免許の更新のお知らせはがき。
免許証はない。

窓口の人が説明をしていることに対して、
竹ノ内豊は納得できない様子。
耳のふちにつけたイヤリングが揺れている。

最初は説明を受けたり、
それに対しての質問だったりの会話だった。

それは全然、なんとも思わない。

多少長くったって、仕方がないと、
後ろで待ちながら、あきらめる。

しかし、途中から、
竹ノ内豊が、
周囲までも不快にする、
毒な言葉を吐き出した。

     ★

「そんなん書いてないやんけ。それはそっちが悪いんとちゃうん?」
「なんででけへんねん。なんとかしてくれよ」
「俺らの日曜日をどうしてくれるねん。かえしてくれよ」

そんな風に、ダダをこねれば、
特別な抜け道でも用意してくれるんじゃないかとでも、
思っているような口調で。

ヤクザかよ。

聞いてて、
ムカムカしてきた。

窓口の人、大弱り。そりゃそうだろう。

繰り返すけど、適切な質疑応答なら、
多少長くても、私は我慢する。

たとえば、
私だって、納得いかなくて、
夫と争うことがあろうとも、
交通費の支給について、
夫が「会社側の人間」と感じたなら、
夫の言葉を信じずに、会社に直接聞こうとするし、
先だっても、
ネット接続に関する手続き上での、
自分の落ち度と、相手側の不親切さに対して、
明確にするために、
とことんNTT西日本や、OCNとやりあった。

それは、私が知識として、
刻み込まなければならないことだったし、
また、あちら側にも、
こういうやり取りを、
少しでも経験のひとつにしてもらって、
お互いが快適にやりとりができるように、
向上してほしいしいとも思うし、
苦くてたまらないが、
逃げるわけにもいかないことだと思っている。

大なり小なり、
やりあわなければならないときは、
やりあうしかないのだと、
会社側で働いてても、
生活を預かっている立場でも、
とことんまで、
言い合わなければならないことはあるものだ。

だが、「俺らの日曜日をどないしてくれるねん」は、
不毛すぎる。

建設的でない話は、
順番待ちをしている人がいる場合は、
別のところでやってほしい。

どちらにも関係のない、
私と夫は、
竹ノ内豊らの家族の後ろで、
待つしか選択肢がない状態。

窓口はひとつしか開いていないのだ。

私は時々、夫をチラッと見たが、
じっとみているだけだし、
こういうところの忍耐力は、私より勝っている。

やがて、女の子女の子は、
退屈になったらしく、
両親から離れて、歩き回りだした。

こういうときに、事故なんて起こるもんなんじゃないの?

竹ノ内豊の言葉の毒も、
体に回ってきていたので、
感情的になって私は話しかけた。

ら。

     ★

「そんなん知るか。隣の窓口にとっとといけや」
と、竹ノ内豊は、私を一瞥だけして言い捨てた。

頭に響く、『仁義なき戦い』のメロディー。

「なんやと、コラ。
どーにもならんこと、いつまでもぬかしやがって。
窓口が開いてないから、ここで待ってタンやないか。
『すいません』のひとことも言われへんのか、このボケ。

なんの手続きか知らんけど、
テメーらにも非はあるんとちゃうんか。
おまえらは、どんだけの特別の人間やねん。
その窓口のにーちゃんに、
おまえらを、特別に配慮する権限でもあると思ってんのか。

『俺らの日曜日をどないしてくれるねん』て?あぁ?
だったら、ここで文句言ってないで、
さっさと時間を惜しんで、お前らの日曜日ってやつを、
過ごしにいけや。頭わるいんとちゃうか?
子供どっかへ行ってるぞ、コラ。

奥さんも奥さんや。さっさと間に入って、水入りせんかい!」

と、
全部同時に言おうとして、
口の中で言葉が詰まった(くそー!)。

すると、

「すいません。こちらの窓口を開けますんで」

と、
普段は窓口に座ってませんが、
とでもいいたげな、
警察官の制服を着たおじさんが、
隣の窓口を開けてくれた。

書類をもらって書きながら、
夫の横で、
「ムカツク! ムカツク!」と毒つく。

「(竹ノ内豊らは)頭悪いねん。ここはサービス業とちゃうねんから、
事前に余裕をもって、自分らでなんとかせな」と、
夫も言葉少なく、鋭く言う。

そんなことをこそこそ言っている横でも、
竹ノ内豊はまだ文句を言っている。
竹内まりやはなんにも言わない。
女の子女の子らは、どっかへ行ってる。

吐き出すだけ吐き出さないと、
もうコントロールできなくなっているらしい。
ヤクザでサーファーの竹ノ内豊。

私と夫は書類を書き終え、
提出して、
しばらく座って待つことになった。

「しっかしまぁ、なんで、あそこまでになっているんや」
と、私は夫につぶやいた。

私が見た限りでは、免許の更新が、
せっかくわざわざ来たのにできないから怒っている、
ぐらいにしかわからなかったのだが。

「それはな」と、夫の鋭い洞察力の説明が始まった。

と、いうのは、明日に続く。

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