日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

犬と同じ時間帯に。

2009年02月09日 | 夫との日々
時々、急激に襲ってくる、血管性偏頭痛を引き起こしそうな兆候が、
お昼前からあった。

給料を取りに、
派遣会社へ出かけて、
帰る間際には、ますます。

で、すぐに家に向かえばいいのに、
梅田のカフェに立ち寄って、
食べ物を口にして程なく、
どどどどっと、
胃から下に溜まっていたモノが、
私から脱出しはじめた。

店の外にあるトイレへ走って、
二、三度駆け込んでから、もうダメだ、とカンネンし、
テーブルに広げていたものを、
テキトーにかばんにぶち込んで、出て行った。

ところが、
家に帰る途中の、
電車の揺れが、もっとよくなくて。

あとひと駅で、最寄り駅だったのだが、
耐えられなくなった。
途中下車して、トイレに駆け込む。

すると、
胃から下のものは、程なく脱出完了したけど、
今度は、順番を待っていたかのごとく、
胃から上のものが、私の口から脱出し始めた。

どばどばどばどば。

細胞になる前の、
ゾンビ状態になった食物の散らばりを、
フラフラになりながら、
可能な限り、綺麗に拭いた。

ズキズキの頭痛に泣きながら、
便器とはいえ、ごめんなさいねと、かろうじて。

     ★

そんな、昼間から夕方にかけての
七転八倒を、
すっかり回復した晩御飯の折に、
夫に話した。

「そーゆー話は、ごはんの時にせんといて」

と、一理あることを夫は返し、
シュンとさせたところで、

「♪ ゲロッパ!ちゃ~らん ♪ ♪ゲロッパ!ちゃ~らん♪」

と、彼も、お行儀悪く歌いだした。

「やめてんか~。西田敏行」(←映画の『ゲロッパ』より)

それでも、笑わせてもらえることには、感謝した。

お礼に、
頼んでいたけど、
もうすっかり必要なくなった、
リポDをそのまま、あげた。

で、この話は終わる予定だった。

     ★

翌日。
普通の体調で、
普通に仕事して、帰ってきて。

ふたりで食事をしているときのことだった。

「N主任の犬のジュンコちゃんがな」

上司なんだか、同僚なんだか知らないが、
N主任の犬の話は、時々聞いていた。

本当は『ジュンコ』という名前ではなく、
私の本名の下の名前と同じ名前の犬なのだが、
ここでは『ジュンコ』とする。

「昨日、ゴミ箱に捨てた、サロンパスを食べて、
ゲーゲーやっててんて」

奥さんが、
目を放した隙に、ゴミ箱から漁ったらしく。

「大変やったらしいわ」と、夫。そうだろうなぁ……。

「でな、

『うちの嫁さんも、……そう、同じ名前の嫁さんも、
多分、同じ時間ぐらいに、地下鉄の駅で、ゲーゲーやってたんですよ』

って、話してんやんかぁ」

そら話すわなぁ。

「そしたらN主任な、
『え!?おまえんとこの嫁さんも、サロンパス食べたんか!?』
って返してきてんけど」

ナイスだ!N主任!!

「食べたんか?サロンパス」

って、ボケるかよ!夫。
でも、それはそれで、ナイスだ!!

「犬扱いかい!」

と、まずツッコんで、

「犬やったら、便器まで丁寧に拭けへんっちゅーに!」

と、調子に乗って返したら、

「だから、そういうのは、食べてるときに、言うなっちゅーの」

と、フツーな感じで、昨日と同じ指摘を受け、

「♪ ゲロッパ!ちゃ~らん ♪ ♪ゲロッパ!ちゃ~らん♪」

と、またも同じく歌われた。

日々、こうやって、同じように平和に続いている。

この頭痛が、ストレス性のものなら、
一体、どのことなんだと思う。

思い当たるといえば思い当たるし、
思い当たらないといえば、当たらない。

犬のジュンコちゃんとの偶然に、親密さを覚えたり、
人間の繊細さに不思議さを思いつつ、
この日の最後の食事を終えた。

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