時々、急激に襲ってくる、血管性偏頭痛を引き起こしそうな兆候が、
お昼前からあった。
給料を取りに、
派遣会社へ出かけて、
帰る間際には、ますます。
で、すぐに家に向かえばいいのに、
梅田のカフェに立ち寄って、
食べ物を口にして程なく、
どどどどっと、
胃から下に溜まっていたモノが、
私から脱出しはじめた。
店の外にあるトイレへ走って、
二、三度駆け込んでから、もうダメだ、とカンネンし、
テーブルに広げていたものを、
テキトーにかばんにぶち込んで、出て行った。
ところが、
家に帰る途中の、
電車の揺れが、もっとよくなくて。
あとひと駅で、最寄り駅だったのだが、
耐えられなくなった。
途中下車して、トイレに駆け込む。
すると、
胃から下のものは、程なく脱出完了したけど、
今度は、順番を待っていたかのごとく、
胃から上のものが、私の口から脱出し始めた。
どばどばどばどば。
細胞になる前の、
ゾンビ状態になった食物の散らばりを、
フラフラになりながら、
可能な限り、綺麗に拭いた。
ズキズキの頭痛に泣きながら、
便器とはいえ、ごめんなさいねと、かろうじて。
★
そんな、昼間から夕方にかけての
七転八倒を、
すっかり回復した晩御飯の折に、
夫に話した。
「そーゆー話は、ごはんの時にせんといて」
と、一理あることを夫は返し、
シュンとさせたところで、
「♪ ゲロッパ!ちゃ~らん ♪ ♪ゲロッパ!ちゃ~らん♪」
と、彼も、お行儀悪く歌いだした。
「やめてんか~。西田敏行」(←映画の『ゲロッパ』より)
それでも、笑わせてもらえることには、感謝した。
お礼に、
頼んでいたけど、
もうすっかり必要なくなった、
リポDをそのまま、あげた。
で、この話は終わる予定だった。
★
翌日。
普通の体調で、
普通に仕事して、帰ってきて。
ふたりで食事をしているときのことだった。
「N主任の犬のジュンコちゃんがな」
上司なんだか、同僚なんだか知らないが、
N主任の犬の話は、時々聞いていた。
本当は『ジュンコ』という名前ではなく、
私の本名の下の名前と同じ名前の犬なのだが、
ここでは『ジュンコ』とする。
「昨日、ゴミ箱に捨てた、サロンパスを食べて、
ゲーゲーやっててんて」
奥さんが、
目を放した隙に、ゴミ箱から漁ったらしく。
「大変やったらしいわ」と、夫。そうだろうなぁ……。
「でな、
『うちの嫁さんも、……そう、同じ名前の嫁さんも、
多分、同じ時間ぐらいに、地下鉄の駅で、ゲーゲーやってたんですよ』
って、話してんやんかぁ」
そら話すわなぁ。
「そしたらN主任な、
『え!?おまえんとこの嫁さんも、サロンパス食べたんか!?』
って返してきてんけど」
ナイスだ!N主任!!
「食べたんか?サロンパス」
って、ボケるかよ!夫。
でも、それはそれで、ナイスだ!!
「犬扱いかい!」
と、まずツッコんで、
「犬やったら、便器まで丁寧に拭けへんっちゅーに!」
と、調子に乗って返したら、
「だから、そういうのは、食べてるときに、言うなっちゅーの」
と、フツーな感じで、昨日と同じ指摘を受け、
「♪ ゲロッパ!ちゃ~らん ♪ ♪ゲロッパ!ちゃ~らん♪」
と、またも同じく歌われた。
日々、こうやって、同じように平和に続いている。
この頭痛が、ストレス性のものなら、
一体、どのことなんだと思う。
思い当たるといえば思い当たるし、
思い当たらないといえば、当たらない。
犬のジュンコちゃんとの偶然に、親密さを覚えたり、
人間の繊細さに不思議さを思いつつ、
この日の最後の食事を終えた。
お昼前からあった。
給料を取りに、
派遣会社へ出かけて、
帰る間際には、ますます。
で、すぐに家に向かえばいいのに、
梅田のカフェに立ち寄って、
食べ物を口にして程なく、
どどどどっと、
胃から下に溜まっていたモノが、
私から脱出しはじめた。
店の外にあるトイレへ走って、
二、三度駆け込んでから、もうダメだ、とカンネンし、
テーブルに広げていたものを、
テキトーにかばんにぶち込んで、出て行った。
ところが、
家に帰る途中の、
電車の揺れが、もっとよくなくて。
あとひと駅で、最寄り駅だったのだが、
耐えられなくなった。
途中下車して、トイレに駆け込む。
すると、
胃から下のものは、程なく脱出完了したけど、
今度は、順番を待っていたかのごとく、
胃から上のものが、私の口から脱出し始めた。
どばどばどばどば。
細胞になる前の、
ゾンビ状態になった食物の散らばりを、
フラフラになりながら、
可能な限り、綺麗に拭いた。
ズキズキの頭痛に泣きながら、
便器とはいえ、ごめんなさいねと、かろうじて。
★
そんな、昼間から夕方にかけての
七転八倒を、
すっかり回復した晩御飯の折に、
夫に話した。
「そーゆー話は、ごはんの時にせんといて」
と、一理あることを夫は返し、
シュンとさせたところで、
「♪ ゲロッパ!ちゃ~らん ♪ ♪ゲロッパ!ちゃ~らん♪」
と、彼も、お行儀悪く歌いだした。
「やめてんか~。西田敏行」(←映画の『ゲロッパ』より)
それでも、笑わせてもらえることには、感謝した。
お礼に、
頼んでいたけど、
もうすっかり必要なくなった、
リポDをそのまま、あげた。
で、この話は終わる予定だった。
★
翌日。
普通の体調で、
普通に仕事して、帰ってきて。
ふたりで食事をしているときのことだった。
「N主任の犬のジュンコちゃんがな」
上司なんだか、同僚なんだか知らないが、
N主任の犬の話は、時々聞いていた。
本当は『ジュンコ』という名前ではなく、
私の本名の下の名前と同じ名前の犬なのだが、
ここでは『ジュンコ』とする。
「昨日、ゴミ箱に捨てた、サロンパスを食べて、
ゲーゲーやっててんて」
奥さんが、
目を放した隙に、ゴミ箱から漁ったらしく。
「大変やったらしいわ」と、夫。そうだろうなぁ……。
「でな、
『うちの嫁さんも、……そう、同じ名前の嫁さんも、
多分、同じ時間ぐらいに、地下鉄の駅で、ゲーゲーやってたんですよ』
って、話してんやんかぁ」
そら話すわなぁ。
「そしたらN主任な、
『え!?おまえんとこの嫁さんも、サロンパス食べたんか!?』
って返してきてんけど」
ナイスだ!N主任!!
「食べたんか?サロンパス」
って、ボケるかよ!夫。
でも、それはそれで、ナイスだ!!
「犬扱いかい!」
と、まずツッコんで、
「犬やったら、便器まで丁寧に拭けへんっちゅーに!」
と、調子に乗って返したら、
「だから、そういうのは、食べてるときに、言うなっちゅーの」
と、フツーな感じで、昨日と同じ指摘を受け、
「♪ ゲロッパ!ちゃ~らん ♪ ♪ゲロッパ!ちゃ~らん♪」
と、またも同じく歌われた。
日々、こうやって、同じように平和に続いている。
この頭痛が、ストレス性のものなら、
一体、どのことなんだと思う。
思い当たるといえば思い当たるし、
思い当たらないといえば、当たらない。
犬のジュンコちゃんとの偶然に、親密さを覚えたり、
人間の繊細さに不思議さを思いつつ、
この日の最後の食事を終えた。