全国歌会（福井）の自分の歌。

ほんでもって、ほんでもって、自分の歌。


　　　　　自分を偽ってでも得たいのなら
　　　　　得ればいいけど
　　　　　その後の代償って
　　　　　偽ってでは　払えないこと
　　　　　忘れないようにね


　　　　　★

グループ歌会で言ったことと、
同じように言えるだろうか（笑）

この歌について、具体的に話せば話すほど、
作歌の際に思ったことと
ズレていく感覚が生じるんだけど……あぁ。

簡単にいうと、
自分と自分が対話をしていて、
その相手方が、こういうこと（歌の内容ね）を、
私に告げるのだ。

そいつの名は、「覚悟」。
小さな子供の姿をしていた。
だから、こんな言い方になっている。

……みたいなことを確か言った。
いや、間違ってはないんだけれど。

　　　　　★

具体的な例として、
グループ歌会で草壁主宰が、

財産目当てで結婚したけれど、
実際にはすんなり行かず、目論見どおりには行かないとか、
そういうことなんじゃないか、と、
作者が名乗る前に、説明してくださった。

作者の私は、
あぁ、それもあるなぁ。
それで、わかるなら、それでもいいなぁと、
その時は思っていた。

寝不足で、調子が悪かったからといって、
なんて、投げやりなんだ（笑）

その場では、いい例が、自分で思いつかなかった。

今は、先生の説明より、もう少し、内面的なことだな、と思う。

　　　　　★

なんの「覚悟」かというと、
自分の自制心を破る「覚悟」だ。

わかっていても、後先のことを考えず、
イキオイで、しょっちゅう、自制心を私は破る。

例えば、『裸の王様』で、
裸の王様を指さして、「裸だ」というのは、
作意のない、子供だ。
ただ、裸だから、裸だという。

私は、その子供と同じではない。
だが、「裸だ」と言ってしまうほうだ。

「裸だ」と言えばどうなるのか。
王様は傷つくし、笑い者になるから、
やめておきなさい、という気持ちが、
子供と違って、生じるのだが、
結局、
「裸だ」と言ってしまうほうだ。

どうしても、抑えられない。

何かを正したいから、という信念からでは決してない。
自分の中の、抑えなければという、
強い自制心が、あればあるほど、
それを打ち破りたくなる誘惑に駆られる。

もう、周りが見えなくなるのだ。

もうひとつ例えれば、ダイエット。
「食べてはいけない」と思えば思うほど、
いつも以上に、料理が美味しそうに見え、
食欲の有無に関係なく、口に入れたくなってくる。

タブーを意識すると、
逆にタブーを犯したくなる。
そういう誘惑に弱い。

この前の芦屋歌会での歌の、
高層ビルを海の上に建てるのを、
禁じ手に、出来ないタイプの人間だ。
だからこそ、強く願うのだけれど（←それがあかんという、とってもイカン人です……）。

　　　　　★

そういう風に、
「あれダメ、これダメ」と思うと、
したくなるから、

この歌は、

「あれをタブーだと思っているくせに、
したいのなら、すればいい。
だけど、本来はタブーだったんだから、
その代償を払うことを、無責任に逃げるんじゃないよ」

という意味合いを込めている。
やり逃げ、言い逃げ、するなと、
自分に課しているわけ。

オイシイとこどりだけするな、って自分に言い聞かせている。

タブーだと強く思うと、したくなるのなら、
タブーをゆるく思いなさい。
という、私にフィットするような自制心を模索する歌。

……と、今ここで、何度も書き直しながら、気がつきました（笑）。
ささやかな抵抗だなぁ。

そして、明日も、誘惑に負けてするお話。
普通は、そういうオチ、伏せるぜ、っていうお話。

ま、明日のことに関しては、
それなりの決意があって、することではあるんだけれどね。