日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

『大日本人』を見て。

2007年07月08日 | TV・映画などの日々
松本人志監督・主演の
『大日本人』を夫と見に行ってきた。

先週だったかな、
スマステーションで、
稲垣吾郎氏が、
「ラスト15分の意味がわからなかった」
ってことで
不評だったけど。

見ました?どうでした?

     ★

全体的に、
私は、面白かったです。
何度も笑った。
こんなに笑うとは思わなかった程です。

と、いうのも、
松っちゃんて、嫌いじゃないけど、
TVじゃない、ビデオとかの、
「作り上げたお笑い」は、
シュールすぎて、あんまり笑えなかったり、
引いてしまったりしたので、
映画はどうだろう、と少しナナメに構えていたから。

もともと、
私の松っちゃんの好きなとこって、
何気ない会話の中で、
「なんでそんなことから、そんなものをひっぱりだして、
くっつけてしまうねん」ってところだったし。

だから、意外に笑えた。

いい意味でも、悪い意味でも、
「正義の味方」というのが、
この人は好きなんですねぇ~。

そういう「原点」を
余すとこなく、見させてもらったって感じ。

     ★

ただ、一箇所だけ、
「そこまでやらんでも」と、
笑うに笑えない箇所があった。

多分、それは、ゴロちゃんの言う、
ラスト15分前の部分ではないかと思う。

そこは、
「女性は、ちょっと顔引きつるんじゃないかな」とか、
「いじめにあったことのある子には、きつそうだな」
って、思ったりしてたんだけど。

なにか、そういう行き過ぎた現実と、
私の中ではリンクした。

実際には、
ふたつ前の席についていた、
高校生ぐらいの女の子たちが、
今までになく、ゲラゲラ笑っていたので、
人それぞれのようですが。

ヒトゴトで見れるなんて、
ある意味しあわせなのかもしれない気もしたけど。

ただ、そのシーンにしたって、
真正面からみると、そうなるだけで、
この「寄ってたかって、弱った奴に、何やってるねん」的状況も、
「寄ってたかって」やってる奴らの背中を見るという、
お客さんの視点というものを意識して、
立ち返って見直せば、
「人って、しょーもないところで、意地になるんだな」とか、
冷めて考えるようにすれば、
例えば、いじめられている子にしたって、
そのちっぽけさに、
何か策というか、希望とかを、
逆転的に見出せるかも……と思えたりもして。
たくましい子でないと、ダメだと思うけど。
(う~ん……見てないとわからない言い回しですなぁ~)

     ★

笑えるのに、何故こんなに哀愁を誘うの?
笑えるのに、何故こんなに怒りが湧くの?

正義って何だろう?
責任って、何だろう?

いろいろと混沌とした頭を抱えて。

夫に感想を聞いてみると、
「何も映画館で見なくても、レンタルビデオでよかったかも……」
と言っていた。

彼のこの感想は、
SF映画以外の感想でよく聞くものなので、
「はいはい。参考になりませんでした」っといった感じ。

「私の逆隣に座っていた男の子、覚えてる?」と、
夫に聞いてみた。
「知ってる」と答えられる。

お父さんもお母さんもいなかった。
ひとりで見に来ていた男の子。

『映画鑑賞後にお読みください』と書いてある
袋に入ったパンフを、
見たいけど我慢して、
コーラを飲みながら、始まるのを待っていた男の子。

果たして、彼は、どう思ったのだろう。
謎のような場面も沢山あっただろうに。

成長とともに「こういうことか!」と思えるような。

「ああいう子の反応が、
一番、的確なのかもしれんな」と、
夫が言った。

「そうかもしれないね」と、私もうなづく。

今週の金曜日で上映期間終了だそうで。

ほぼ一ヶ月ほど前に見た、
長澤まさみちゃんの映画を思えば
(『大日本人』と同じ日に封切りでしたなぁ~)、
言うまでもなく、こちらのほうが、好きでした。

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