日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

イラストを描いてみた。

2006年02月12日 | 五行歌な日々
いろんな予定があって、歌を作りたいのだが、うまく作れない。

本を読んでみたり、
オリンピックを見てみたり。

仕事ではないので、
こういうことをするのは、
好ましくなく、
不本意なのだが、
時間的なものがあるので、
無理にダッシュを仕掛ける。

何をやってもダメと、
わかっていながら、やる。
こんな日もある。

ふと、朝見た、NHKのハイビジョンで、
黒木瞳さんのドキュメンタリーの再放送を
思い出した。

歌の振付師の人に、
「自分の二十代の頃を思い描きなさい」
「三十代の頃はどうだった?」と
言われ、
絵を書いては、
その説明をし、
それを聞いた、振付師が、
そこからイメージして、振り付けを作っていく。
そういうシーンを思い出した。

「言葉が出ないんなら、絵でも書こう」と思いつく。

     ★

実は、二冊目の手作り歌集『透明な花』を
作る二年前に、
イラスト入りの『透明な花』というのを、
作ったことがある。

ディスカヴァー21という、
出版社が、
白紙の本を出版してて、
その本に作品を書いたものを、
公募していて
それに応募するためだ。

作品にイラストを描かなければならない、
という規定はないのだが、なんとなく、
イラスト入りの五行歌にした。

「なんとなく」と言うだけあって、
絵は不得意だし、テキトー。
もののみごとに、落っこちた(笑)。

その本は、
切手代などを同封していたので、
審査終了後から数ヵ月後に、
手元に戻ってきた。

で、今日は、
そのイラスト入り『透明な花』を
引っ張り出してきて、
書いている歌とイラストを元に、
さらにイメージしなおして、
白紙の絵葉書に、絵と歌を書き始めた訳だが。

絵手紙みたいなものではない。
絵+五行歌。

     ★

絵はむずかしい。

自分のイメージと、
現実に描けるものの差が、
あまりにも激しくて。

言葉にだって、そういうものはあるけれど、
上手く言えないのだが、のびしろが全く違う。

イメージと現実の差を
埋める努力分だけの結果が、
言葉より早く出てくれないので、
すぐあきらめる。

つまり、描くことはキライじゃないけれど、
私の「表現手段」のひとつには、全くならない。

今日も、
ひととおり絵葉書に、
一枚の絵を描き終えて、
例えば、
「あぁ、もっとはっきりさせたいなぁ……」
と漠然と思うのだが、
どこをどういじればいいのか、
全くわからない。

模索して描くには、
絵は、私の中では、
一発勝負的な要素があって、
そのプレッシャーもあり、
書き加えが、なかなかできない。

寸止めも、進めることも出来なくて、
とても、もどかしい。

     ★

絵を描くことでわかるのは、
五行歌に添削を求める人は、
きっとこんな気持ちだからだろうと、
リアルにわかることだ。

(絵が描けないことから派生して、
そっちに気持ちが結びつく。軽く職業病・笑)

そういう人にとって、
思うがままに、歌を書いても、
例えば、
「はっきりさせたい。でも、どういう風にすれば、
はっきりするのかわからない」的な、
もどかしさがあるのかもしれない。

さらに、それでいて、
完成度を求める気持ちが強く、
私には、理解しづらい面だけれど、
五行歌(詩歌)に、
一発勝負的な要素があって、
身動きが取れなくなるのかもしれない。

だから、他人に「先生」を求めてしまう。

ええ、私も、
「構図は説明するから、ここから先は、誰か描いて!」
と、
絵の時は、思う。

そして、気づく。
言葉ほど、絵に対して、「自分が!自分が!」という
貪欲さがないことを。

だから、五行歌でも、同じ。
添削を求める人は、
「それなら何も、五行歌じゃなくってもいいかもしれませんよ。
もっと、あなた一人で完成させれる表現手段を、
探しに行ったほうがいいかもしれませんよ」
と思ってしまう。

どれだけ、歌会に人が少なくなっても、
そういうタイプの人は、引き止めることが出来ない。

逆に、そういうタイプじゃないと思う人は、
例え、なかなか来れなくても、
簡単に疎遠になることもできない。

     ★

今日も、いつもと同じように
イメージから遠ざかっていく自分の画筆力に、
ため息が出た。

四首ほど描いて、疲れてやめた。

「やれやれ。時間はあっという間に過ぎたけど、
ホントイメージどおりに描けないや。
晩ご飯つくらなくっちゃ」

と、テーブルから立ち上がり、

「はて……。なんで絵なんか、描き始めたんだっけ?」
と思う。

そうです。歌を書くために矛先を変えていただけです。

忘我の境地の時間は過ごせましたが、
何一つ実益がなかった一日。

はぁ~と、またため息。

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