玉子で興奮するお馬ちゃん。

誕生日にもらった、
アラレの小袋のところのお仕事
（イチオシ商品は、ぬれせんべいや、ぬれおかきなんだけどね）。

近所のスーパーだったので、
じぶんちの買い物も済ませることにし、
仕事が終わり次第、さっさと帰るため、
お昼休憩のときに、いろいろと買いあさる。

で、昼からのお仕事が始まって。
……あれは、１５時をまわったところだっただろうか。

私の売場の
斜め前で売られていた、
玉子が、
『タイムサービス、先着３００名まで』、
ってことで、
『９９円』で売られ始めだした。

お昼休憩のときは、
１５７円だったので、
やめとこ、と思った玉子。

私は
玉子は、１００円前後でないと
買わない主義なのだ。

特売日などに都合が悪くて、
買いにいけないときは、
玉子のない生活で、やり過ごすくらいに。

あぁそれが、９９円。
私は仕事中で、買うことができない。

お客さんは、どんどん買っていく。
どんどんどんどん、買っていく。

私が声を張り上げても振り向かない、
おせんべいとは対照的に、
無言の
ただ「９９円」と書いてある、
ＰＯＰに振り向いて買っていく。

あぁ、お客さん、３つも４つも買わないで。
１８時の仕事が終わったら、
私も、私も、買いたいの！

お馬ちゃんの、
ぶら下げられたにんじんが、
なかなか食べれない時の心境って、
きっとこんな感じだろうな。

ヒヒィィィィ～ン！！

　　　　　★

１７時をまわった。
お仕事終了まで、あと１時間をきった。

が、
玉子は、あと約７個ほど。

あぁ、もう、きっとダメだわ。
私にまで、順番はまわってこないわ。

あぁ、目の前にあるというのに。
１個でいいのに！１個でいいのにっっ！！

しくしくしくと、あきらめかけてた、その時。

バックヤードから、
競馬の（１頭分の）ゲートのようなものが、
ガラガラガラっと押されてきた。

その中には、
どど～んと、玉子が積み重ねられていた。

あぁ、王子！王子！王子！
じゃない、玉子！玉子！玉子！！

私の目の奥から、星かハートが飛び散ったのは、
言うまでもない。

「よかった！！まだ３００個に到達していなかったんですね！！」

運んできた従業員の人に、
まるで憧れの人に話しかけるように、声をかける。

「１８時？まだ大丈夫やわ」

と、とっても冷静に言い返される。

よかったぁ～！！

がぜん、あたしゃ、やる気になったね。
せんべい、売りさばきまくったね！

完売まであと２，３個ってところまで、売っちゃいましたよ。
ほほほほほ～！！

仕事を終えて、
玉子を無事に買い終えて。

今にも降り出しそうな、
お空の中を帰っていく。

ぬるい風の湿り気を、
除湿するくらいのハイテンションで。

お馬ちゃんは颯爽と、
自転車を漕いで、帰ったのさ！！

ヒヒィィィィ～ン！！