風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

山陰の旅 その2(島根半島)

2015-06-01 | 山陰
 大山から米子、ゲゲゲの鬼太郎で有名な境港を通り、境水道大橋を渡って島根半島の七類へやってきました。
 隠岐へのフェリー港がある七類は、松江市と合併して今では島根県松江市美保関町です。
 七類からほぼ海岸に沿って、まだ非常に狭いところも残っている県道37号を走り、松江市街へ向かいます。
 島根半島といっても、ピンとこない方も多いと思います。
 おおざっぱな言い方をしますと、松江市をはさんで宍道湖と中海があり、それより北側の陸地です。
 半島のイメージは海に向かって大きく縦に突きだした陸地を思いますが、横に広がった形で日本海に張り出した特異な半島です。
 東西65km、南北の平均は15kmほどです。

①松江市美保関町、玉結湾。
 いつしか空は晴れてきて、海の青さが際立ってきた。


②同片江漁港。
 イカ釣り舟が舫っている。


③④同北浦海岸。
 島根半島へやってきた最大の目的はこの北浦海岸との再会。
 10数年振りだがほとんど変わっていない。
 いろいろな種類の青さを持った海の色、白い砂浜、赤褐色の石州瓦を置いた民家、奥の小さな入り江に泊まる小船、おおらかなラインを描く丸い小山。
 ある種の日本の海辺の風景の典型を見るようだ。
 原田泰治さんに描いてもらいたいような景色だ。




⑤千釣海岸。
 思わず靴を脱いで足を踏み入れたくなるような透き通った水辺。


⑥千酌湾。
 上から見下ろせば、日本海はおだやかだ。


⑦野井海岸。
 この海の青さは群青色というのだろうか。 


⑧⑨松江市島根町加賀。
 赤褐色の石州瓦(石見瓦)の向こうは青い海。
 島根県に来ていることを実感する。
 沖縄の伝統的な沖縄赤瓦は強烈な南国を感じるが、石州瓦も明るく、暖かい感じがして、海岸の風景を色どり豊かなものにしてくれる。
 ちなみに石州瓦とは字のとおり、島根県の西半分を構成する石見(いわみ)地方(旧国名石見国)で作られる瓦のことで、釉薬の関係上赤褐色が多く、寒さや塩害などに非常に強い瓦とされている。
 



⑩加賀漁港。 漁師さんは網の繕いに余念がなかった。
 ここから加賀の潜戸(かかのくけど、巨大な海蝕洞窟)へ向かう遊覧船が出るようになった。


⑪せんたく岩とよばれている海岸。


⑫松江市鹿島町御津海岸。


 これで、松江市に合併される前の3つの町の海岸の一部を駆け足で巡ってきました。
 この間、カメラを構えた人は皆無、観光客らしい人も見かけませんでした。
 島根半島は大山隠岐国立公園に含まれるすぐれた景観のところですが、釣り客、夏場の海水浴客など以外は訪れる人も少なく、まだまだ手つかずの素朴な海岸風景が残っています。

 明日は宍道湖の夕陽です。

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