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風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

赤目四十八滝 その4(柿窪滝~千手滝)

2015-07-16 | 三重県・山・伊賀
 三重県名張市、赤目四十八滝です。
 柿窪滝まで下ってきました。 
 これから、今回の最終目的地である千手滝へ向かいます。

①柿窪滝の下流。


②③姉妹滝。落差はほとんどないが、二方向からの流れがひとつになり、折れ曲がって下って行く。
 今日は分かりにくいが、右が姉、左が妹ということになっている。
 いつもは姉のほうが水量が少ないが、きょうは遜色ない。
 姉たり難く、妹たり難しということでよかった(^^)。




④急に谷が広がり景色が明るくなった。
 このすぐ下に、百畳岩とよばれている広い岩場がある。
 下から上がってきた人は、ここで少し長い休憩を取る。


⑤~⑨このあと流れは釜ヶ淵、縋り藤、斧ヶ淵などの瀬となり淵となり、小さな滝を作りながらひたすら下流を目指す。










⑩~⑬豪快さに欠ける赤目渓谷の中で、最もダイナミックでスリリングな水の動きが見られる竜ヶ壺(りゅうがつぼ)。
 この日は特に水量が多く、巨竜がからだをよじり、くねらせながら下の滝へ向かって落下して行くような迫力がある。








⑭その巨竜が滝となって落下する布曳(ぬのびき)滝。


⑮⑯ふだんは名のとおり、一巻きの白布を垂らしたような優美な滝だが、きょうは豪快そのもの。
 まったくイメージが違う。
 滝から吹き付けるしぶきが降りかかり、正面からは撮影できない。
 ⑯は高速シャッターを切ったもの。




⑰その下にある千手(せんじゅ)滝。


⑱この滝は水量が少ないほうが、落下する水とその背後の岩肌との取り合わせの妙が味わえる。


 この下にまだ、不動滝や行者滝などがありますが、赤目滝、赤目渓谷の魅力はこれまでのルートに凝縮されているといえます。
 撮影はここまでとしました。

 ところで、私はふだんの撮影には原則として三脚を使用しません。
 理由は、端的に言いますと、三脚の使用は一般の人の迷惑となる場合が多いことと、カメラやレンズの性能の向上により手持ち撮影で何ら遜色のない写真が撮れるようになったことです。
 (以前は、三脚を持っていないと、写真目的の本格的なカメラマンに見られないように思って、恰好付けのために持ったりしていましたが、今はひと皮むけて(^^)、そんなあほらしいことは気にしなくなりました(^^)。もっとも、私自身がもともと本格的なカメラマンとやらでもなんでもないのですが・・(^^;))。
 (また、三脚の呪縛や束縛から解放され、自由自在、融通無碍、どのような状況でも、どのような構図でも即座に対応でき、撮影できるのはすばらしいことです。)
 ただ例外の中のひとつは、今回の赤目のように、滝や渓流で水の流れをスローシャッターで写したい場合です。
 ふだん使う軽いカーボン三脚では、川の流れの中で写すとカメラブレを起こしやすいので、今回は重いアルミ、マグネシューム合金製を使用しました。
 これを持って8時間近くアップダウンを繰り返しながら歩いていると、いやあ疲れました。
 なにやら恰好をつけたようなことを言いましたが、三脚を使わない最大の理由は、それを持ち運ぶ体力不足にあると、訂正しなければならなくなりました(^^;)。
 

 
 
 

赤目四十八滝 その3(荷担滝~柿窪滝)

2015-07-15 | 三重県・山・伊賀
 三重県名張市、赤目四十八滝です。
 上流から下ってきて、ここは荷担(にない)滝です。
 ここから千手滝までが赤目滝のクライマックスです。

①②赤目滝で最も有名な荷担滝。
 荷物を天秤棒で振り分けて担ぐように、左右に分かれて落下しているのでこの名がついている。
 水量が多いので見えにくいが、この滝は3段の段瀑になっている。
 赤目滝の観光ポスターはほとんどこの滝の写真が使われている。




③渓流を柱状節理の岩壁が囲み、上空は狭い。


④⑤狭い空から時折り薄日が差し込んでくる。





⑥大雨の後しか見られない、伏流水のような水が遊歩道に流れ込む。


⑦斜(ななめ)滝と名がついているが、落差が低く、水流が多いと滝とは分かりにくい。


⑧骸骨滝。水が少ないと岩の一部が骸骨のように見えるらしいが、私は10数回来ているのに一度もそのようには見えたことがない(^^)。
 もう少しムードのある名前にしたら、この滝のそばで弁当を広げる人も増えると思うのだが・・(^^)。


⑨~⑫骸骨滝下の渓流。








⑬右側の青い草にひかれ写してみた。


⑭⑮雨降滝。柱状節理の岩壁を伝って水が常時落下している。
 この日は特に水量が多いが、スローシャッターでは写りにくい。
 傘をさして小走りに通り抜けるものの服はベタベタ。 




⑯横ヶ淵下の流れ。
 左手奥に少し見えるのが笄(こうがい)滝。
 いつもはこの流れを渡り、滝の正面で横ヶ淵に浮かぶ木の葉の渦巻きなどを撮って遊ぶのだが、この日の水量や流れの速さでは少し無理なようだ(^^)。


⑰~⑲柿窪(かきくぼ)滝。落ち口そしてその下部から。
 このあたりはいつも岩についた苔が美しい。






 次回は、最後その4です。

赤目四十八滝 その2(厳窟滝~荷担滝)

2015-07-14 | 三重県・山・伊賀
 三重県名張市、赤目四十八滝です。
 滝の上流の出合茶屋から出発し、下りで最初に出会う滝、厳窟(がんくつ)滝まで来ました。
 ここから赤目滝が始まりますが、正直いって赤目滝は、滝としてはたいしたものではありません。
 滝の落差、横幅、水量、いずれをとっても物足りないもので、豪快な滝をイメージして行っては落胆します。
 赤目四十八滝の魅力は、滝を取り巻く室生火山群が造り出した柱状節理の大岩壁、小さいながらも次々に岩盤を落下する滝の数々、滝と滝の間の趣のある繊細な渓流などの総体にあります。
 ほんとうは赤目四十八滝と題せず、赤目渓谷としたかったのですが、赤目四十八滝の名前のほうがよく知られているため、そのようにしたものです(^^;)。

①②厳窟滝は下の入り口から上ってくると最後の滝。
 ここで右側の人造湖から暗渠で流れ込んでくる水と出会い、合流して左手奥へ流れていく。




③~⑥いつしか、薄日が差してきた。
 木洩れ日が煩わしいが、川に緑が映り込み、さわやかな感じがする。








⑦赤目五瀑とよばれているもののひとつ琵琶滝。
 日が差し込み、滝のまわりの緑があざやかになった。


⑧帰りに写した日差しがない流動感あふれる琵琶滝。


⑨小さな滝、琴滝の上から。


⑩⑪雛壇滝の上部。
 緑の苔の間を縫う繊細な流れ。




⑫⑬雛壇滝の名のとおり、階段状に落ちる滝だが、水量が多すぎてその感じが出ない。
 ⑫は日差しあり⑬は日差しなし。




⑭ここで右奥、山椒谷からの流れと合流し、水量がより多くなる。
 本流は滝川(丈六川)という。
 かすかに見えるのは夫婦(めおと)滝だが、そこへ行く一般的なルートはない。


⑮⑯水量を増した川はいよいよ荷担滝となって落下しようとしている。




⑰荷担滝上部の小さな滝。


⑱そして赤目滝で最も有名な荷担(にない)滝。


 その3に続く。

赤目四十八滝 その1(出合~厳窟滝)

2015-07-13 | 三重県・山・伊賀
 三重県名張市、赤目四十八滝です。
 四十八滝は岐阜県の宇津江四十八滝などと同様、滝の実数ではなく数の多いことを表しています。
 赤目四十八滝ももちろんそんなに多くはなく、名前のついている滝は20ほどです。
 私は普通、県道が走っている滝の上流から下って行きます。
 今回も上流の出合い茶屋の駐車スペースに車を置き、いつものように流れに沿って下って行き、千手滝で引き返してきました。
 4回にわたり掲載します。

①赤目滝は現在では、年間10数万人が訪れる観光地だが、一般客が訪れ出したのは明治後期からだ。
 かっては、山岳宗教家、役の行者(えんのぎょうじゃ)が修業したともいわれる宗教の霊場だったようだ。
 赤目の名の由来は、役の行者が修業中に、赤い目の牛に乗った不動明王を見たとの伝説による。
 杉の大木の薄暗い道を歩いていると、そのような信仰の道に思えてくる。


②~⑦梅雨時で雨が多く、特に前日は大雨だった。
 いつもに比べ、川の水量は多い。
 岩に付いた苔が美しい。
 先日行った、福井県平泉寺白山神社の見事な苔が思い出される。












⑧~⑪川沿いの滑りやすい小道を、場合によっては川の中に入りながら歩く。
 釣り用のフェルトスパイクの滑りにくい長靴をはいている。
 この川が荷担滝までの間、県境をなしている。
 対岸は奈良県だ。








⑫~⑯小雨が止み、時折り薄日が差してきた。
 木々の青葉が川面に映り込む。












⑰~⑲平凡な林間の流れだが、スローシャッターで写すと、流れの美しさ、繊細さ、優しさ、流動感あるいは躍動感さえも際立ってくる。
 木の橋が見えてきた。
 あの橋を渡れば厳窟滝はすぐそこだ。
 赤目四十八滝と題しておきながら、長々と変哲もない渓流ばかりご紹介してきたが、一つの滝もないこの間の川沿いの静かな流れと歩きが私の好みであり、またこの流れが意外と絵になるからである。






⑳上流から下ってきて最初に出会う滝、厳窟(がんくつ)滝。
 これまで下ってきた道、つまりこの滝より上へは、香落渓へぬけるハイカーでないと普通は行かない。


 その2(厳窟滝~荷担滝)へ続く。