モモと金太は、モモが先輩犬のくせに社会性に乏しいため、上手な上下関係が築けず、金太が1歳をこえた現在、ほぼ対等です。本来的には失敗した組み合わせです。
犬は、群れの動物ですが、基本的には「対リーダー」なので、1匹でかわいそうだからもう1匹、というのは、間違いです。飼い主と1対1、というのが、犬にとっては最良なのだそうです。
それを承知でなお、金太を迎え入れたのは、1つは対人のみならず、他の犬に対してもうまくコミュニケーションをとれないモモに、変化のきっかけを与えたかったからです。
そして、これは結果論かも知れないのですが、ショップで金太を見たとき、この子なら大丈夫、という思いがありました。
新たに犬を迎え入れるにあたり、先住犬がきちんとしつけが入っている子で、さらに言えば性格のよい犬なら、うまくいく可能性は高くなります。
逆に、先住犬がしつけが十分できておらず、神経質でコミュニケーション下手な子であれば、かなりの確率でなんらかのトラブルが起こるでしょう。
うちのモモは、間違いなく後者でしたから、モモに影響されて、モモが2匹になってしまうようでは困ります。もちろんそうしたリスクはある程度覚悟しなければなりませんが、それはモモにとっても、新しい子にとっても不幸なことですから、できるだけその確率を下げなければなりません。
妥協だけはするまい、と思っていましたが、出会いはある日突然に、でした。
よく行くホームセンターに入っているペット屋さんの一角にいた黒タンのMダックスの子犬は、エサの時間になって他の子犬たちが大騒ぎしている最中、とてものんびりとしていたのです。
もちろん、それだけではなくて、目の感じとか、行動とか、ちょっと言葉で表現するのは難しいのですが(犬好きの方にはなんとなくわかっていただけると思うのですけれど)、直感的に、あ、この子だ、みたいなものがありました。
それでも、自分の直感くらい当てにならないものはないという自覚もあって、しばらく子犬とにらめっこしていましたが、結局、購入を決めました。
ふだん、こういうことには慎重な私が、いきなり買うと言い出したので、妻はちょっと驚いたようですが、ほとんど反対もせず同意してくれました。
金太と名付けたその犬は、ほぼ期待どおりの性格で、まあマイペースなぶん頑固ではありますが、おかげでモモに性格的に引きずられすぎることもなく、かといってモモを従えようとするでもなく、毎日トムとジェリーをやっています。
ところで、うーん、モモはものすごく変わった、という感じはないのですが、なんとなく全体になじんだ、というのが一番しっくりくるでしょうか。ただ、写真のような姿を見れば、やっぱりうれしいものがありますねぇ。
金太がわが家に来たのと前後して、中古とはいえ念願のわが家の購入を決めたり、なにより妻の妊娠が判明したりと、そういう転換があり、それは金太が、もしかしたら運んでくれたのかなあ、と思ったり。
でも、さかのぼれば、モモがいなければ金太がくることもなかったし、モモのおかげといってよい人との出会いもあったりで、そういう意味では、この2匹の犬、わが家にとって、とても重要な存在なのかも?
(といいつつ、モモは宅急便のおじさんに吠え、金太は窓の外を走る車に吠えて、今日も私たちに叱られたのでした)