奥武蔵の風

121 原発こそ断捨離を!

 今日は3月14日。3.14 というと、思い浮かぶのは 円周率。際限なく続く数字の連続ですね。

 際限なくといえば、福島原発の廃炉作業も、政府は2051年を完了の目途としてはいるものの、実際には手探り状態で、見通しが付いていません。今朝のニュース報道では、国の機関が新たに「溶融核燃料(デブリ)を固めて取り出す新工法の活用を提言した」(日経)とのこと。試行錯誤しながら、一歩一歩、地道に進めていくほかないようです。

 能登半島地震では、志賀原発が運転停止中であったからよかったものの、そもそもなぜ地震多発地帯に原発を建設したのか、今さらながら疑問に思います。

 明後日には、北陸新幹線が金沢から延伸しますが、延伸先の敦賀にも原発があります。敦賀原発は、私もかつて視察させてもらったことがあるのですが、防護服を着て入った中央制御室に神棚が祀られていたのが印象的でした。

 九州電力を訪問した際には、玄海原発で使用されている「核燃料ペレット」の実物大模型をもらいました。本物は、ウランを焼き固めたセラミックで、融点 2750℃ です。日本の「沸騰水型原発」では、この小さな燃料ペレットが、ジルコニウム合金でできた直径1cm×長さ400cmほどの「燃料被覆管」にびっしり封入され、「燃料棒」となります。そして、この燃料棒が束ねられて「燃料集合体」を形成し、「制御棒」とともに炉心に設置・収納されているのです。

 ステンレス鋼と鋼鉄の2層からなる分厚い「原子炉圧力容器」は、分厚い鋼鉄の「格納容器」に覆われ、さらに分厚いコンクリートの「原子炉建屋」に守られる構造になっていますが、福島原発事故で、安全なはずのこれらの構造が、一瞬にして破壊されるリスクにさらされていることが、明白になりました。

 福島原発事故の処理作業は、まだまだ途上です。この先、同じような事故を繰り返すことがあってはなりません。3.11 が過ぎると、メディアの関心は潮が引いたように沈静化してしまいますが、私の思いは変わりません。

 原発こそ断捨離を! 

 


(写真上)© 核燃料ペレット(実物大模型) 参考に、鉛筆と並べて置きました。使用済みになっても、放射性物質のままですから、半永久的に隔離が必要です。


(写真上)© 同上

 


(写真上)© 復旧中のスパリゾートハワイアンズ(いわき市)の建物。撮影 2011年11月。


(写真上)© 拠点を失っても、フラガールの全国公演は、福島そして東北の復興の原動力になりました。


(写真上)© 復旧が進む建物の下で、安全が確認され、ショーが再開されました。撮影 2011年11月。

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