一般に知られているドレスコードでは、タキシードは夜の準礼装となっています。夜の正礼装はテールコートです。
テールコートを見かけることは、ほとんどなくなりました。宮中晩餐会の天皇や主賓、ノーベル賞の授賞式、あとはクラシックコンサートの指揮者くらいでしょうか?
指揮者や社交ダンサーのは、動きやすいようにデザインが変えてあるようですが…
テールコートが廃れる一方で、タキシードは広く着用されています。いまや夜の正装といえばタキシードを指すようになりました。着る時間帯も広がっています。
モーニングコートとテールコートは、着用する時間帯が決まっています。陽のあるうちに終わる行事はモーニング、陽が落ちてから終わる行事はテールコートとなります。17~18時が目安です。夏と冬では時間にズレがあります。
その点タキシードは、午後からの行事なら日中から夜まで通しで着ても構わないとされています。時間帯によって着替える必要がある正礼装よりも融通性があります。
タキシードはアメリカ生まれの礼装で、英国ではディナージャケットと呼んでいます。夜会の衣装ですね。「ヤンキーは昼間からタキシードを着て…」という向きもあるようです。
日本では時間帯で衣装を着替える習慣がないから、日昼の行事にタキシードでも文句を言う人はいないでしょう。夜までモーニングを着ているよりは、よっぽどスタンダードです。
新郎衣装のタキシードは礼装仕立ではないから、昼夜を問いません。カマーバンドではなくてベストだし、蝶ネクタイでなくてアスコットタイか棒タイです。ズボンに側章は入っていないしね。