もう我慢ならん!俺は行く!!
突然の謎の決心。
それは社会人になって半年後のある日の昼下り。休むことなく(休んではいる)残業もあり帰宅が24時を超える仕事に追われる日々を過ごしていた自分は、夜遅くともとある作品に登場するゴジラのソフビを改造していた。
【ゴジラ・ザ・ライド】
それは埼玉県所沢市にある遊園地、【西武園ゆうえんち】がリニューアルオープンを迎えた頃に常設アトラクションとして登場したシアター型のライドアトラクションである。映像の監督はなんと『ALWAYS三丁目の夕日』『アルキメデスの大戦』などを手掛けた山崎貴監督。
新しくデザインされたゴジラやキングギドラといった東宝の大スター怪獣に襲われながら休む間もなく逃げ惑え!という怪獣オタクにとってはまさに天国といったシチュだろう。
そんなアトラクションに登場するゴジラのソフビを可動化させることにし、Twitterのフォロワーの方からアドバイスを貰いながらシコシココツコツ作り上げていた。
さてこんなに長い前置きをしたが突然ながら皆さんはモチベーションというのをご存知だろうか。
わかりやすく言えばやると決めていざ手を付けたけど時間をかけすぎて段々とやる気がなくなっていってしまいにゃ作らなくなるというあの現象だ。
あれを無くすためにゴジラザライドの関連動画をしこたま見続けた。特にゴジラをメインに動画を投稿しているYouTuberぎわちんさんの動画なんかは毎度お世話になったものである。↓
さて問題のフィギュアはなんとか完成まで導けた……が!

ここで何かが爆発した。
そう。欲である。
ここまで作っといて、アトラクション行ってねーけどな!ってのもあれだし、そもそもめっちゃ評価高いし何ならネタバレ動画載せられてるから見たくても見ないという我慢レースしたくないしなによりも……
俺も行きてぇよ行かせろ!!

で、来てしまったのである。
上司に頭をペコペコ下げまくってお願いし、皆我慢してんのにオメェはよぉ…みたいな顔されながらもなんとか休暇をいただいて遠路はるばる大阪から来訪した。
本当は友人と来る予定だったが、友人を除く彼の家族全員が例の流行り病に感染してしまったため自分だけのぼっち旅となったのである。
西武園ゆうえんち前の駅を降りた時、目の前にドーン!と大きく例のアトラクションの看板が見えたときは凄く興奮した。

このポスターはあの超有名怪獣絵師、開田裕治先生が描いたのだそう。クオリティから大体予想はついてた。
西武園ゆうえんちの雰囲気自体は凄まじいまでのレトロ!!!!!!
昭和の商店街そのもので、さながら映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲である。
さて怪獣オタクの自分がここでいざ遊園地を!というわけがなく、いの一番に向かったのは言わずもがな………

そらそうですよゴジラオタクですよ?
怪獣を目の前にして欲望爆発しないわけが…。
入口前に置かれている消毒液で手を消毒し、いざアトラクションへ。
ちなみにここから先はネタバレ含むので行くまで何も見たくない!という方は全速後退をオススメする。いやもう、ガッツリネタバレだからほんとに。
ちなみに結果から言うと
生きててよかった。
来てよかった。
人生に悔い無し。
今年度期待してます。
の四拍子である。
アトラクションのあらすじとしては…
1960年代の昭和の街の片隅に佇んでいる映画館、【夕陽館】。
この夕陽館を訪れた貴方達は、突如飛騨山脈付近から出現し東京に向かって飛行している謎の巨大不明生物『キングギドラ』に襲撃されてしまう。
そこへ自衛隊の特殊部隊、『特災対』が貴方達の救護に駆けつけ、彼らの用意した水陸両用の特殊装甲車両で映画館を脱出することに。
なんとか映画館を無事脱出することに成功するも、平和だった東京の街並みは既に炎と瓦礫に包まれた地獄絵図と化していたのだった…。
という内容である。
アトラクションは必ず前置きというのが存在する。どういう世界観なのか、どういうアトラクションなのかをリアルに演じて紹介するタイプの。
今回は特災対の一員『アマミ隊員』が、ルンルン気分で映画を見ようと映画館に訪れた私達が不幸にも謎の大怪獣キングギドラの進路上にいて、そのキングギドラが近くに来てしまっていることを教えてくれる。しかももう一体、怪獣が海を泳いでこっちに向かってると言うじゃありませんか。
まぁなんともありがたい。つまり死ねと…。
というわけがなく。
特災対の隊長である『ツキシマ隊長』から無線が入り、特殊装甲車両で脱出するから早く映画館出るぞと伝えられる。機密事項を映像で説明して安心して脱出できると思ったのも束の間、キングギドラが我々にご挨拶をしに来てくれました。
すごくダイレクトに壁をぶっ壊して金切り声をあげながら『こんにちは〜遠路はるばるようこそ!()』と。
いや殺意よ。
えぇ…と困惑している中、いよいよアトラクションへ誘導される!!!!!
やっとあの念願のアトラクションを体験できるんだ!嬉しすぎる!!!!はぁ〜緊張しちゃう!
なんて心を踊らせていたらすんごい。
アトラクションの形があんまり見たことない形をしていたのでびっくり。
形式としては大きなスクリーンが半球状になっており、その前に座席が用意されていた。ご丁寧にシアターには近づけないようにシアターの前は柵で覆われてる。
席に着いてシートベルトを締めて前を向くと、おかしい。
こんな距離、こんな柵があったら映画なんか見れたもんじゃないぞと言わんばかりの視界の狭さ。どないすんねんこれ…
と思った時にさり気なくスタッフの方が放った一言。
『非常に揺れます!宙ぶらりになるので怖かったら手すり掴んで頑張って耐えてください!それでは脱出開始でーす!★』
うん…うん???????
ちゅ、宙ぶらり…??そりゃどういう…
と理解に時間がかかってる間になんと座席が動き始めた。それどころか前の柵がGフォースのMOGERA格納庫のアームガードみたいに展開し始めた。
(フォースゲイッオープン…フォースゲイッオープン…)
座席はなんと上に上がるのではなく、前にせり出した。なるほど、あの柵はそういうことだったのか。あんなに狭かった視界がパッと広がった。さて文字通りの宙ぶらりになって、大スクリーンを目前にし、アトラクションの始まり始まり。
炎に包まれた東京の街がバーン!と広がり、怪獣無法地帯と化した街へいざレッツゴー!
うん。すんごい揺れる。
どんぐらい揺れてるかというと、ぐわんぐわん揺さぶられながら電車の激しい揺れに合うような感じ。それを宙ぶらりの状態で体感させられる。
ブヒィィィ!激しすぎてシートベルトがお腹の駄肉に食い込んでおりますがぁぁぁ!!??
と驚いていたら先頭を走っていたもう一台の特殊装甲車両が不幸なことに爆発に巻き込まれて大破。
柿崎ィィィィィィッ!!
もうキングギドラの引力で浮かんでるとしか思えない電車がどんどん目の前に落ちてくるわ引力光線を受けたビルが倒壊してそれを飛び台に装甲車両大ジャンプするわで僕らはパニック!というだけでも凄いのにさらにそこに
キングギドラ、来襲。
うわぁ…今来てほしくないんですが…
なんて思っても来るもんは来る。目の前に着陸したキングギドラの足元に着地。でっかくて長ーい尻尾の間をすり抜け、自分たちに目をつけたキングギドラがもうそれはそれはしつこく追っかけ回してくる。
前に回り込んで四つん這いになって噛み付いてくるわ、瓦礫に隠れても見つけてくるわで…とうとうキングギドラの巨大な顎に捕まってしまい、大空へ羽ばたき始めた。
と思いきや何やら黒い影がこちらに向かって急降下してくる。鳥?飛行機!あんな低いところ?ドローンじゃない?いいえ。
ラ ド ンです。
お 前 も か。
存在は知ってたものの、いざ登場されると興奮してしまった。うぉー!ラドンじゃーん!ラドンだぁ!!!!と大興奮。
ラドンの命を賭けた体当たりのおかげでキングギドラの口から逃れることができ、パラシュートを開いて降下を始める。その間、ラドンVSキングギドラを見ることになるのですが…その…なんといいますか……
ラドン、初戦敗退。
おっっふ………。
キングギドラに叩き落され、地面でピクピクしてる状況に追い打ちをかけるかのように引力光線のクリティカルヒット。オーバーキルです。
ピクリとも動かなくなった真っ黒焦げのラドンを見てツキシマ隊長…
『あのラドンを一撃で…』
隊長ドン引きしてますやん…。
悠々と飛び回るキングギドラが東京タワーのてっぺんをぶっ壊し、危うく直撃しかけるも避けきって危機一髪!
とそこでまたもや何か黒い影が、今度は街を歩いてるではありませんか。
ずっしりとした体つき、黒い体表、大きな3列の背びれ………。
ツキシマ隊長
『あれは………ゴジラだ!!』
ようやくのお出ましである。
怪獣王ゴジラ、登場。
どうやら海を泳いでいた怪獣はゴジラだったようですねー(棒)
あのテーマ曲と共に煙の中から現れ、大咆哮を見せたゴジラはプロレスで例えるならばまさにアントニオ猪木の入場そのもの。
ゴジラをよく知らないであろう他の乗客も
ゴジラーーーー!!!!!
と叫んでおりました。
なんとまぁ大人気。
さてここからがすごい。
なんと地面に着地かと思いきやゴジラの肩に着地した。
?????????
何を言ってるかわからないだろう。私も何が起きたか理解するのに時間がかかった。
ゴジラの肩に着地したのである。そう。ゴジラの肩に。そこから何をするかと思えばツキシマ隊長、ゴジラの背中を下り始めた。最終的に尻尾まで降りてしまい、ぶん投げられて近くのビルに着地。
ツキシマ隊長、半分遊んでるやろ…?ねぇ?若干楽しんでるよね???ゴジラも我々のことなぞ体を這い回る虫程度にしか思ってないようで。
着地したビルでゴジラとキングギドラの取っ組み合いの観戦である。睨み合う両者、咆哮し大激突。キングギドラの長い首を掴もうとするがゴジラの手が届かず、逆にキングギドラの首に噛みつかれ、我々のビルにダイレクトアタック。
何さらすねーーーーーん!!!!!
と驚きながらもツキシマ隊長の運転テクニックで脱出。
今度はちゃんと地面に着地かと思いきや突然起きた上昇気流でまた大空へ。
今度は上からゴジラとキングギドラの取っ組み合いを見るというわけで。
今度はゴジラが優勢。キングギドラの首を見事掴み、思いっきりぶん投げた!ふっ飛ばされたキングギドラは空からの奇襲攻撃を仕掛けようとするも、ここでゴジラに異変が見られる。
何やらゴジラの背ビレが青く光りだした。
そして容赦なくキングギドラがゴジラに飛びかかった次の瞬間、ゴジラの背ビレが一際強く光り輝いたと思ったら口から必殺の放射熱線をキングギドラに対してゼロ距離放射!!!!
これにはたまらずキングギドラも腹に風穴を開けて絶命。
この俺に勝つなんざ、
2万年早いぜ!!!!!
と言わんばかりに勝利の大咆哮!
見事ゴジラの大勝利であった。
そこからは無事避難指定先の本部へ戻りますよーと安全運転で進んでいたのですが…
キングギドラ、来襲。
(も う や だ)
いやしぶとすぎる生命力!!!!!!
これには私も突然の出来事にビックゥ!!と体が反応してしまった。
ああまた食われてしまう!と思ったのも束の間。
グシャリと巨大な足によってキングギドラの頭がペッチャンコ。
ゴジラが助けてくださりました。ほんとに毎度ありがとうございます。そんなつもりはないんだろうけど………。
最後はほんとにほんとの大勝利の大咆哮!巻き上がる砂塵をブワッと消し飛ばすほどの大きな声で鳴き、アトラクションは終了を迎えた。
ここまで読んでくれた方々、お疲れでしょう。
僕はもっと疲れました。
いやほんとに凄いアトラクションなのです。
没入感が全てを飲み込む。
大スクリーン、ミスト、揺れ、大迫力の爆音サウンド。
こりゃあ、人気なわけだ。
ド平日に来て正解だぁ!
CGワールドという雑誌や公式サイトで知ったのですが、今作のゴジラのポリゴン数は3億以上らしく、その数なんとシン・ゴジラのポリゴン数を超えているのです。
加えてこのアトラクションの製作費、総額一億円以上なのだとか…。
ひょ、ひょえーーーーー!!!!!
また、ツキシマ隊長の声はなんとあの!!!!
大塚明夫さん!!!
いやもうありがとうございます。ほんとに。
素晴らしいものでした。
あの大迫力映像見たら、今年の新作ゴジラの期待値は爆上がりですよ。今年度の新作ゴジラは山崎貴監督が手掛けるのです。
いやー…期待するよ?マジで。あのクオリティだもん。
ちなみに余談だが、キングギドラのソフビも改造していたのです。

四つん這いにもなるぞ!どうだ凄いだろ!
もちろんゴジラザライドだけでなく、この前日譚ともなる脱出謎解きゲーム、ゴジラザ・ミッションなんかもあるので大変おもしろい!!
キングギドラの正体や、あのアトラクションの前に何が起きていたのかが分かるストーリーで楽しいぞ!
総じてこれのためだけに来てよかった!と評すると持ち上げすぎ!盛りすぎ!と思われると思うのだが…行きゃわかるから。とりあえず行ってくれ…。すんごいの。ほんとに。語彙力なくなるもん。
まぁ西武園ゆうえんちそのものがまず面白いからね!!!今度行くときはそっちメインに回す予定である。
記念撮影用にフィギュア弄くり回してたら夕日ケ丘商店街の住人達に驚かれちった。
そりゃそうよあのゴジラとキングギドラがちっこくなって出てきちゃってんだもん。(そらそうだこんなもん売ってねーもん自作だからな!)
そうして大満足した私は、たっくさんお土産買って、たっくさん遊んで、大阪に帰ってきましたとさ。
めでたしめでたし。
いやほんとに楽しかったら皆行けーーー??
終わり!!
自慢話に付き合ってくれてありがとう!さいなら!