――韓国映画「欲望 Lovers」 (キム・ソヒョン、キム・ソンス、チュ・ウ、チョン・ジュヨン、監督=ポン・マンデ:2003) DVD ……韓国映画を見るのは、これが初めて。

大学の先輩、キヒョンとつきあいながらも,自由な愛を夢見ているシナ(キム・ソヒョン)。1ヵ所に安住するよりは新しいものを追求するドンギ(キム・ソンス)。偶然に出会った二人は、激情的な一夜を過ごした。それぞれの日常へもどった二人だったが、その日の記憶は、退屈な日常のシナとドンギにとって慣れない刺激だった。
ある日、シナにドンギからの電話がかかってきた。その日の夜、二人は長く熱く互いのからだを抱いて愛を描いていった。別れたくない二人は同居して、惜しみなく愛し合った。言葉ですべてを表現できない愛をからだで表すように、互いを抱いて、さわって、いたずらをして、セックスを通して互いを知っていく。

「欲望」というタイトル通りの、ベッドシーンだらけの映画だった。でも、いやらしく感じすぎないのは、何度もベッドを共にするだけではなく、徐々に変化する二人の心が描かれていたからだろう。シナ(キム・ソヒョン)は、大学の先輩とのつきあいに飽きていた。彼女は一人の男に縛られるのが嫌な、自由を望むプライドの高い女だった。

彼女はある日、偶然にドンギ(キム・ソンス)と出会い、酔って一夜を共にした。その夜は、刺激的な夜だった。二人は日常からかけ離れた世界を堪能した。後日、ドンギがシナに「逢いたい」と電話し、ふたたび熱い時間を過ごした。二人は恋人同士のような、いっときも離れたくない、相手の体が欲しいと想うようになった。二人は同棲し、四六時中、互いの体を求め合った。いつも笑いあいながら、部屋のみならず、いろんな場所で体を重ね、感じ合った。しかし、その幸せがずっとつづくわけではなかった。


男と女が出会って別れるまでのストーリー。微妙にすれ違う男女の心の葛藤が、なんだかツボを得ていたような気がする。毎日愛し合っていた二人なのに。介護士の仕事をしてるドンギの患者が亡くなった日、ドンギは荒れてしまった。そのような彼を、シナは体で慰めようとした。シナはドンギの体がいつも欲しかったし、それが一番だと思っていた。しかし、ドンギは体ではなく、心を癒やしてほしかった。そのためか、ドンギはシナが嫌がるようなセックスをしてしまった。
それ以来、二人は少しずつすれ違っていった。隣で寝ていても寂しくて、シナは自分で自分を慰めた。シナはドンギを心から愛していたから、なんとかドンギを自分のものにしたくて必死だった。しかし彼女は、体を重ねる愛し方しかできなかった。クールでプライドの高かった彼女は、必死に男を追ってる自分がしだいに嫌になってきた。そして、彼との別れを決意した。男を忘れるには男をと、彼女は彼を忘れるために昔つきあっていた先輩と、(先輩は別の人と結婚前なのに)ふたたび熱い夜を過ごした。……
◇
ドンギは決してシナを嫌ったわけではなく、シナを変わらず愛してたんだよね。でも、ドンギは自分のすべてを愛で満たすことはできない。いつも愛のためだけに生きていられない。しかしシナは、愛をいつも感じていたい。だからドンギに一日中、自分だけを愛していてほしい。シナにとって、愛=体を重ねることだった。シナは結局ドンギと別れちゃうんだけど、ずっとドンギを忘れられなくて。もちろん他の男とは会ってるんだけどね。三ヵ月後にドンギから電話があって再会し、「もう一度やりなおしたい。愛してる」と言われます。しかし、「もう、もどれないわ」といって、車の中で最後に一度だけ体を重ねる。これって男の人は気持ちが分からないだろうね。これが女のずるさなんだろうな。「自分が愛してた。自分の方が愛してた」と思って別れた相手は、いつまでも心に残って。でも、この愛が終わってることは分かってるんだよね。でも、向こうから「愛してる。やりなおしたい」といわれたとき、初めて「この愛が自分の中で終わる」。女ってずるいよねーって。私がいっちゃいけないか。それにしても、本当にベッドシーンだらけの、密かにシナのヘアまで見えてた映画でした。 (まみまみ)

大学の先輩、キヒョンとつきあいながらも,自由な愛を夢見ているシナ(キム・ソヒョン)。1ヵ所に安住するよりは新しいものを追求するドンギ(キム・ソンス)。偶然に出会った二人は、激情的な一夜を過ごした。それぞれの日常へもどった二人だったが、その日の記憶は、退屈な日常のシナとドンギにとって慣れない刺激だった。
ある日、シナにドンギからの電話がかかってきた。その日の夜、二人は長く熱く互いのからだを抱いて愛を描いていった。別れたくない二人は同居して、惜しみなく愛し合った。言葉ですべてを表現できない愛をからだで表すように、互いを抱いて、さわって、いたずらをして、セックスを通して互いを知っていく。

「欲望」というタイトル通りの、ベッドシーンだらけの映画だった。でも、いやらしく感じすぎないのは、何度もベッドを共にするだけではなく、徐々に変化する二人の心が描かれていたからだろう。シナ(キム・ソヒョン)は、大学の先輩とのつきあいに飽きていた。彼女は一人の男に縛られるのが嫌な、自由を望むプライドの高い女だった。


彼女はある日、偶然にドンギ(キム・ソンス)と出会い、酔って一夜を共にした。その夜は、刺激的な夜だった。二人は日常からかけ離れた世界を堪能した。後日、ドンギがシナに「逢いたい」と電話し、ふたたび熱い時間を過ごした。二人は恋人同士のような、いっときも離れたくない、相手の体が欲しいと想うようになった。二人は同棲し、四六時中、互いの体を求め合った。いつも笑いあいながら、部屋のみならず、いろんな場所で体を重ね、感じ合った。しかし、その幸せがずっとつづくわけではなかった。




男と女が出会って別れるまでのストーリー。微妙にすれ違う男女の心の葛藤が、なんだかツボを得ていたような気がする。毎日愛し合っていた二人なのに。介護士の仕事をしてるドンギの患者が亡くなった日、ドンギは荒れてしまった。そのような彼を、シナは体で慰めようとした。シナはドンギの体がいつも欲しかったし、それが一番だと思っていた。しかし、ドンギは体ではなく、心を癒やしてほしかった。そのためか、ドンギはシナが嫌がるようなセックスをしてしまった。
それ以来、二人は少しずつすれ違っていった。隣で寝ていても寂しくて、シナは自分で自分を慰めた。シナはドンギを心から愛していたから、なんとかドンギを自分のものにしたくて必死だった。しかし彼女は、体を重ねる愛し方しかできなかった。クールでプライドの高かった彼女は、必死に男を追ってる自分がしだいに嫌になってきた。そして、彼との別れを決意した。男を忘れるには男をと、彼女は彼を忘れるために昔つきあっていた先輩と、(先輩は別の人と結婚前なのに)ふたたび熱い夜を過ごした。……
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ドンギは決してシナを嫌ったわけではなく、シナを変わらず愛してたんだよね。でも、ドンギは自分のすべてを愛で満たすことはできない。いつも愛のためだけに生きていられない。しかしシナは、愛をいつも感じていたい。だからドンギに一日中、自分だけを愛していてほしい。シナにとって、愛=体を重ねることだった。シナは結局ドンギと別れちゃうんだけど、ずっとドンギを忘れられなくて。もちろん他の男とは会ってるんだけどね。三ヵ月後にドンギから電話があって再会し、「もう一度やりなおしたい。愛してる」と言われます。しかし、「もう、もどれないわ」といって、車の中で最後に一度だけ体を重ねる。これって男の人は気持ちが分からないだろうね。これが女のずるさなんだろうな。「自分が愛してた。自分の方が愛してた」と思って別れた相手は、いつまでも心に残って。でも、この愛が終わってることは分かってるんだよね。でも、向こうから「愛してる。やりなおしたい」といわれたとき、初めて「この愛が自分の中で終わる」。女ってずるいよねーって。私がいっちゃいけないか。それにしても、本当にベッドシーンだらけの、密かにシナのヘアまで見えてた映画でした。 (まみまみ)