――映画「潮騒」 (吉永小百合、浜田光夫、望月優子、石山健二郎、平田大三郎、松尾嘉代、高橋とよ、清水将夫、監督=森永健次郎、原作=三島由紀夫・1964) BS日テレ 19:00~20:54
三島由紀夫の同名小説を「浅草の灯 踊子物語」の棚田吾郎と「真白き富士の嶺(1963)」の須藤勝人が共同で脚色「こんにちわ20才」の森永健次郎が監督した文芸もの撮影もコンビの松橋梅夫。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/72/e1142ebc1aff2ef43e4a0f6d736f0d4c.jpg)
歌島は伊勢海に面する周囲一里にもみたない小島。そこで、男たちは出漁、女たちは海女となって貝を取っていた。
漁師の息子・久保新治(浜田光夫)は、今日も太平丸に乗って浜に帰ってきた。そこで新治は、舟を引き揚げていた船主・宮田照吉(石山健二郎)の娘・初江(吉永小百合)と会い、手をかして舟を引きあげてやった。新治は浜に上がると、山の手にある灯台長のところに魚を届けにいった。そこで新治は、もらったばかりの給料を浜で落したことに気づき、あわてて引き返した。浜には、そんな新治を笑いながら、初江が待っていた。初江は、拾った給料袋を家に届けてくれていた。
家に帰った新治は、初江の美しい瞳が忘れられなくなっていた。そんな新治の様子を察した母・とみ(望月優子)は、初江が高嶺の花であることをいいきかせた。だが新治は、初江のことを想い、ぼんやりする日が多くなった。やがて新治は、初江の婿になるのは、東京の大学を出て島に帰って来た川本安夫(平田大三郎)だという噂を聞いた。ある日、新治は林の中の“観的哨跡”で、マムシに噛まれた初江を助けた。そして、漁の休みの日に再会を約した。
漁が休みの嵐の日、二人は観的哨跡で会った。ずぶ濡れになった二人は互いに着物を脱いで焚火をかこみ、自然に唇を触れ合った。数日後、初江は水くみにいった林の中で、安夫に襲われた。新治に好意を寄せる灯台長の娘・千代子(松尾嘉代)が、新治と初江の仲のいいのをみて、あることないこと安夫に告げ口したのだった。噂は島中に広がり、二人は会うことを禁じられた。しかし新治は嵐の中を海に飛び込み、ロープで船をつなぎとめて船を救った。照吉も、もはや二人の仲をさこうとはしなかった。
……吉永小百合の「潮騒」は、かつてテレビ放映されたとき、蔵の小さなアナログ・テレビで見たことがある。今回、デジタルテレビの大きい画面で見ると吉永小百合がいっそう初々しく、随所に感動をおぼえた。
――西村京太郎「山形新幹線つばさ111号の殺人・謎の駅に途中下車のトリック~十津川警部vs黒い帽子の女」 (高橋英樹、愛川欽也、京野ことみ、柏原収史、森本レオ、山村紅葉、井川晃一、伴杏里、橋本愛実、有川博) テレ朝系列 21:00~22:51
十津川警部(高橋英樹)と亀井刑事(愛川欽也)は、宮田直人(佐伯新)が自殺したことを新聞記事で知った。宮田は1年前に起きた殺人事件の目撃証人だった。十津川は、宮田自殺の記事を見たとき、2週間ほど前に三浦半島の海岸で溺死した大石あずさ(黒澤はるか)のことを思い浮かべた。
1年前、中野にある喫茶店の主人・本間順一(久保酎吉)が白昼の店内で刺殺されるという事件が発生、刺したのはかねてから金銭トラブルのあったヤミ金融の社長・松木弘(中村譲)だった。そして、このとき店内にいたのが、ウエイトレスの大石あずさと4人の客で、その客の中の一人が宮田だった。
松木は本間をナイフで刺したあと逃走を図ったが、まもなく逮捕され、懲役12年の判決を受けていた。この裁判で、証人として出廷した宮田たちに、松木は「お前たちを一人残らず殺してやる」と罵声を浴びせていた。だが、松木は収監されて間もなく、クモ膜下出血で病死した。大石あずさの溺死と宮田の自殺は、はたして偶然なのか。新聞記事によると、宮田はバスルームで手首をカミソリで切って死んだらしい。
十津川と亀井は、三鷹にある宮田のアパートに向かった。所轄署員によると、死体が発見されたのは前夜9時過ぎで、宮田の下の部屋の住人から、天井から水が漏れているとの通報があり、駆けつけた管理人が上の階の宮田の部屋で彼の死体を発見したのだという。所轄署員は、現場の状況から他殺を疑わせるようなものは何もなかったといい、ただ、部屋のカギは掛かっていなかったとつけたした。
二人はその足で松木の恋人だった木村弥生(京野ことみ)を訪ねた。弥生は、宮田が自殺ことなど知らないし、過去のことはもう忘れたいと二人に語った。だが、そういう弥生の部屋には、宮田の死を伝える新聞が置かれてあった。なぜ、弥生はウソをつかなければならないのか、十津川と亀井は弥生に不審を感じた。
まもなく、本間殺害事件の目撃者のうちの二人、店の常連だった小川長久(有川博)と当時大学生だった黒柳恵美(橋本愛実)が相前後して行方不明になった。小川は旅行に出かけると家族に言い残し、黒柳恵美は山形の実家にもどると語ったまま連絡がとれなくなっていた。
黒柳恵美と小川の足取りを追ったところ、二人は同じ日の「やまびこ・つばさ111号」に乗り込んだことがわかった。この列車は、東北新幹線の「やまびこ111号」と山形新幹線の「つばさ111号」が連結されたもので、福島で分離されたあと、やまびこは終着地の仙台に、つばさは新庄に向かう。二人が同じ列車に乗ったのは、何らかの理由があったのか。十津川と亀井は、黒柳恵美や小川の身を心配した。しかし、二人とも遺体で発見された。
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三島由紀夫の同名小説を「浅草の灯 踊子物語」の棚田吾郎と「真白き富士の嶺(1963)」の須藤勝人が共同で脚色「こんにちわ20才」の森永健次郎が監督した文芸もの撮影もコンビの松橋梅夫。
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歌島は伊勢海に面する周囲一里にもみたない小島。そこで、男たちは出漁、女たちは海女となって貝を取っていた。
漁師の息子・久保新治(浜田光夫)は、今日も太平丸に乗って浜に帰ってきた。そこで新治は、舟を引き揚げていた船主・宮田照吉(石山健二郎)の娘・初江(吉永小百合)と会い、手をかして舟を引きあげてやった。新治は浜に上がると、山の手にある灯台長のところに魚を届けにいった。そこで新治は、もらったばかりの給料を浜で落したことに気づき、あわてて引き返した。浜には、そんな新治を笑いながら、初江が待っていた。初江は、拾った給料袋を家に届けてくれていた。
家に帰った新治は、初江の美しい瞳が忘れられなくなっていた。そんな新治の様子を察した母・とみ(望月優子)は、初江が高嶺の花であることをいいきかせた。だが新治は、初江のことを想い、ぼんやりする日が多くなった。やがて新治は、初江の婿になるのは、東京の大学を出て島に帰って来た川本安夫(平田大三郎)だという噂を聞いた。ある日、新治は林の中の“観的哨跡”で、マムシに噛まれた初江を助けた。そして、漁の休みの日に再会を約した。
漁が休みの嵐の日、二人は観的哨跡で会った。ずぶ濡れになった二人は互いに着物を脱いで焚火をかこみ、自然に唇を触れ合った。数日後、初江は水くみにいった林の中で、安夫に襲われた。新治に好意を寄せる灯台長の娘・千代子(松尾嘉代)が、新治と初江の仲のいいのをみて、あることないこと安夫に告げ口したのだった。噂は島中に広がり、二人は会うことを禁じられた。しかし新治は嵐の中を海に飛び込み、ロープで船をつなぎとめて船を救った。照吉も、もはや二人の仲をさこうとはしなかった。
……吉永小百合の「潮騒」は、かつてテレビ放映されたとき、蔵の小さなアナログ・テレビで見たことがある。今回、デジタルテレビの大きい画面で見ると吉永小百合がいっそう初々しく、随所に感動をおぼえた。
――西村京太郎「山形新幹線つばさ111号の殺人・謎の駅に途中下車のトリック~十津川警部vs黒い帽子の女」 (高橋英樹、愛川欽也、京野ことみ、柏原収史、森本レオ、山村紅葉、井川晃一、伴杏里、橋本愛実、有川博) テレ朝系列 21:00~22:51
十津川警部(高橋英樹)と亀井刑事(愛川欽也)は、宮田直人(佐伯新)が自殺したことを新聞記事で知った。宮田は1年前に起きた殺人事件の目撃証人だった。十津川は、宮田自殺の記事を見たとき、2週間ほど前に三浦半島の海岸で溺死した大石あずさ(黒澤はるか)のことを思い浮かべた。
1年前、中野にある喫茶店の主人・本間順一(久保酎吉)が白昼の店内で刺殺されるという事件が発生、刺したのはかねてから金銭トラブルのあったヤミ金融の社長・松木弘(中村譲)だった。そして、このとき店内にいたのが、ウエイトレスの大石あずさと4人の客で、その客の中の一人が宮田だった。
松木は本間をナイフで刺したあと逃走を図ったが、まもなく逮捕され、懲役12年の判決を受けていた。この裁判で、証人として出廷した宮田たちに、松木は「お前たちを一人残らず殺してやる」と罵声を浴びせていた。だが、松木は収監されて間もなく、クモ膜下出血で病死した。大石あずさの溺死と宮田の自殺は、はたして偶然なのか。新聞記事によると、宮田はバスルームで手首をカミソリで切って死んだらしい。
十津川と亀井は、三鷹にある宮田のアパートに向かった。所轄署員によると、死体が発見されたのは前夜9時過ぎで、宮田の下の部屋の住人から、天井から水が漏れているとの通報があり、駆けつけた管理人が上の階の宮田の部屋で彼の死体を発見したのだという。所轄署員は、現場の状況から他殺を疑わせるようなものは何もなかったといい、ただ、部屋のカギは掛かっていなかったとつけたした。
二人はその足で松木の恋人だった木村弥生(京野ことみ)を訪ねた。弥生は、宮田が自殺ことなど知らないし、過去のことはもう忘れたいと二人に語った。だが、そういう弥生の部屋には、宮田の死を伝える新聞が置かれてあった。なぜ、弥生はウソをつかなければならないのか、十津川と亀井は弥生に不審を感じた。
まもなく、本間殺害事件の目撃者のうちの二人、店の常連だった小川長久(有川博)と当時大学生だった黒柳恵美(橋本愛実)が相前後して行方不明になった。小川は旅行に出かけると家族に言い残し、黒柳恵美は山形の実家にもどると語ったまま連絡がとれなくなっていた。
黒柳恵美と小川の足取りを追ったところ、二人は同じ日の「やまびこ・つばさ111号」に乗り込んだことがわかった。この列車は、東北新幹線の「やまびこ111号」と山形新幹線の「つばさ111号」が連結されたもので、福島で分離されたあと、やまびこは終着地の仙台に、つばさは新庄に向かう。二人が同じ列車に乗ったのは、何らかの理由があったのか。十津川と亀井は、黒柳恵美や小川の身を心配した。しかし、二人とも遺体で発見された。
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