新規開店のお店と聞くと居ても立ってもいられない我らが夫婦。
或る開店初日のお店に、当店の片付けもそこそこに駆けつけた時の事。
御手頃価格なデイナーのセットをオーダーし、
どんなに美味しい物がいただけるかとワクワクドキドキしてました。
ラストオーダーにやっと間に合った時間だったので、
我々の他は、家族連れの1組だけ。
ですから、ゆったりした気分で新しい店内もじっくり見渡す事が出来たんです。
いよいよ、前菜から次次と登場。
予想をたがわず良いお手前の料理に満足して箸を進めていたのです。
ここで、メインのお皿が運ばれて、二人は、目を見合わせてしまいました。
そこには、あまりにとろけそうな肉の塊が鎮座してたのです。
その豪華さに箸も付けずにじっと見入ってしまった我々でした。
いくらなんでも庶民価格のセットには、似合わない代物なのです。
案の定、給仕が慌てて飛んで来ました。
もし間に合わなかったら、どうしようと血相を変えて近づいて来るのです。
お肉の無事を確認すると、少々落ち着きを取り戻して、
「テーブルを間違えてしまい、申し訳ありません。」
言いつつ、お皿は、取り上げられてしまいました。
急いで食べてしまえばよかった・・・・
当然の事とはいえ、子供がおもちゃを取り上げられてしまった様な、
とても寂しい気分になったのは、私だけではありませんでした。
かくしてそのお皿は、何事も無かったかのごとく
もう一組のご家族の元へ運ばれたのでした。
我々には、シェフの配慮により
大盛のデザートをサービスしていただき、ご馳走さまでした。
追伸 後で運ばれ来たお肉の厚さと、消え去ったお肉の厚さの違いに、
ただ驚くばかりで、味わう所ではありませんでした。
あれは一体いくらのコースだったのか ああやっぱり小市民。
TA TA FOR NOW!