個人雑誌編集長兼雑用作家、

遣りたい事をやりしたい事をする。難しく考えず人生を楽しむ事を目指しています。※恋人募集中、稼げたらね!

齋藤務作[超人類バトルクローンロイド]

2014-09-30 19:31:08 | SF小説

7、バトルクローン戦闘データ移植


俺を、レスが、大きな機械に掛けようと、手術台に乗せた。
それに、俺は慌てた。

「ちょっと待って呉れ!これ、痛いんじゃ無いか?」

俺が、怯えて聞くと、レスが答えた。

「痛くは無いが、死ぬかも知れないな?」

「な、何だってー、おい、おい、待って呉れ!」

だが、もう、俺の体は、メイに寄って、手術台に固定されていた。

「ガタガタ騒ぐんじゃあ無いわよ!フフフ、面白いわねえ、コイツ、レスの戦闘データに、耐えられるかしらねえ?フフフフ」

この、メイと言う女は、俺を、苦しめるのが、楽しそうに見える。

そして、レスが、別の機械に座った、頭には大きな機械が有って、その機械を作動させた。

大きな機械音が地響きのように響いて、そして、俺の頭に付けられた。

大きなカバー型の機械の中で一斉に、俺の頭に針を突き刺したのだ。

痛いと言う寄りも、雷に直撃されたような、衝撃が俺の頭に感じた。

次の瞬間には、香ばしく焼けたステーキの肉を、俺の頭に乗せられたようだった。

そして、目の前が真っ暗に為って、それから次つぎに、眩い光と閃光に包まれていた。

俺は、どれ位、意識を失っていたのか?

俺が、意識の無かった間に、二人が俺に何をしたのか?分からなかった。

だが、俺が、気が付くと、俺の着ていた服は、タイトな戦闘服に着がえさせられていたのだ。

そして、俺は、又、レスの部屋の、あの箱の中に入れられていた。

俺が、痛む頭を押さえながら体を起こして、不図、下の床の上を見ると!?

そこには、水とスナック菓子が、分けて皿に入っていた。

どういう事だ?これではまるっきり、俺は、レス達の、ペットなのか?俺は、箱の中で、再び気が遠く為った。

俺が、箱の中でスヤスヤと眠っていた所に、部屋に戻って来た、メイが、箱を揺すって、俺を起こした。

「何時まで寝ているのよ!早く起きて、私達と、遊びなさいよ!」

俺が、眠気まなこで、メイやレスを見た。

すると向こうで、レスが言う、

「置いておいた。水と菓子を、全部食べたようだな!」

メイが言う、

「レス、これから、ちゃんと仕付しないと大変よ!コイツ、除民の、野良だから、」

「そうだな、じゃあ、名前を付けよう、どれがいいか、うーん、」

メイ、
「アッ!これなんかどう?下僕ちゃん、とか、トッキちゃん、」

レスが言う、
「メイ、何がトッキなんだ?」

メイ、
「だってえー、ねえー、見たんだもん」

レス、
「何を見たんだ?メイ、」

「いやだー、レスちゃんだって、見たでしょ、まる、ばつ、まる、ばつ、を」

レスは俯いて言う、
「ばか、恥かしい、そんな事を、コイツの前で言うな!」

何の話だろうか?俺は、放心状態で固まった。

然し、彼女達は、本気で、俺の、名前を付けようとしていた。

メイ、
「もう、だから、ぶらぶらとか、むにゅむにゅとかでいいじゃない!」

レス、
「なんで、メイは、そこに関連した、名前にしたがるんだ。もっと、可愛く花とか、フルーツとか、名犬の名前でもいいなー」

俺は、やっぱり野良犬なのか?と思ったが、

然し、メイは、
「じゃあ、やっぱりこうよ。種、花粉、雄花、」

レスがメイを睨んだ。メイはしょぼくれて言う、
「レスちゃんの、すきな名前は?」

レス、
「うーん、うーん、そうだな、ちび、まめ、小鳥、」

メイ、
「小鳥?どこが小鳥なの!」

レスが、恥かしそうに俯く、
「すまない。メイのが、うつって仕舞った。」

メイが、怒って言うが、
「うつったって、何が?ああ、掴んだ感じがね!うん うん、そう そう、て、私は、そんな所掴んで無いわよー!触ったけどね。」

彼女達は、意識の無い俺の体で、俺の体で、俺は叫んだ。
「俺の体で、何をしてたんだー!」

メイが振り向いて、簡単に言う、
「何を仕手たって?御飯事よ!レスちゃんと二人で、楽しかったわよ!」

俺は固まった、俺の体の上で、彼女達が、御飯事をしていたと言う事実に愕然とした。

俺の遠退く意識の中で、彼女達が、俺の体の上で、御飯事を仕手いるのだ。

「お肉屋さん、このお肉、一本下さいな!」

「へーい、お客さん、目が肥えてるねえー、コイツあー、上物のお肉だ!これ一本しか無いんだよ。」

「じゃあ、これ下さい!」

「あいよ。ハイ、お待ち!」

「フフフフ、今夜は、美味しいお肉が、食べられるわ!フフフフフ」

「や、やめてくれーーー えーーーー えーーーーー、」

俺が、悪夢の中で絶叫していた。

箱の中の、意識の無い俺を、覗き込んでいた。メイが言う、
「なによ。コイツ、ニタニタと笑って、気持ち悪いわねえー、ねえ、レスちゃん、見て見なさいよ!」

俺が目を覚まして言った。
「あのー、この服どうやって脱ぐんですか?俺、そのー、トイレ、アハハハ、あ、」

レス達が、キョトンとしていた。

「だから、その、トイレに、行きたいんですが?」

だが、未来人の彼女らには、トイレと言う言葉が、どうも通じないようだった。

俺は、身振り手振りで、何とか伝えようとした。

だが、彼女達は、二人して、らだ、見ているだけだった。

俺は、必死に為って、用を足したいと激しく伝えた。

時間が、時間が無いのだ!考える人、ションベン小僧、水洗便器、野糞、ウンチングスタイル、

何とか伝えようとするが、もう、時間が余り無かった。

俺が苦しんで、もがくのを楽しんでいるようにも思えた。

そこに、レスが言う、
「お前の目の前が、多分、お前の、行きたい所だろう?」

俺は、言われた通りに、扉を開けて、目の前の部屋に入った。

すると、そこは、ベランダで何もない所だった。

「あひいーーーーーーーー!」

俺は叫んだ。

その、ベランダは、手すり一つ無いのだ。

しかも、ここは、高層軌道エレベータータワーの、八百階位は、あるのだ。

下を見ても雲が見えて、そのあいだに地上が見えた。

どうやってするんだ!こんな所で、俺は気が遠く為ったが、もう、限界が来ていた。

仕方なしに、そこで服を脱ごうとしたが?

この服は、ファスナーとか、チャックやボタン、継ぎ目が無い。

体にピッタリとフィットした戦闘服だった。

やばい、やばい、俺は、ここでも焦った。

もう、出て仕舞う、駅のホームから電車の発車のメロディが鳴り響いていたのだ。

何とか、首から、服を無理矢理に、広げて引き裂くように脱ぎ捨てると、俺は、小さなパンツを穿いていた。
「何だコイツは!?」

俺は、最後に残った。パンツを脱ごうとした、だが、
「あ、あれ?あれ?」

脱げない?脱げないのだ!

俺は、もがいた。誰がこんなパンツを穿かせたんだ!

俺は、そいつを憎んだ、どうにも脱げない、そのパンツを激しく叩いた。
「くそう、くそう!」

すると、パンツが、突然に、一枚の板のように為って、高層タワーから落ちていったのだ。

やったー!俺は、裸でベランダを走った。

俺が、部屋に、もぞもぞと裸で戻って来ると、レス達は部屋にはいなかった。

俺は仕方なしに、又、メイの服を着て、箱に入ったが?

そこに、レス達が戻って来た。

メイが聞く、
「何だったの?今の、警報は、」

レスが答えて、
「そこで聞いたんだが、ベランダに不審な侵入者がいたと言っていた。大会場の前を走って行ったらしい?」

「うそ!あんな所を?気持ち悪いわねえーー!」

そして、戻って来た二人が、俺を見て驚いて言った。
「ああ、いやだなあ、そんなにメイの、その服が気に入ったのか?」

二人の、その言葉を聞いて、俺は、無性に泣きたかった。




個人雑誌グラス編集部、副編集長兼雑用、主力作家の齋藤 務、

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2017年1月24日、文章修正、






齋藤務作[超人類バトルクローンロイド]

2014-09-29 12:48:54 | SF小説


6、レスカフィールド


きな臭い臭いが、この合成人間の街にも漂い始めた。

俺は、再び、広大な砂漠を越えるために旅支度を始める。

俺が、合成人間の街で、集めた食料を持って帰る途中の事だった。

遠くの空を飛行する小さな飛翔体が有った。

それを見上げて、俺は、あの少女の事を思い出していた。
「ああ、若しかすれば、あの飛んでいる飛行物体は、彼女かも知れないな?ハハハハ」

暫く、それを見詰めていたが、俺は、また歩き始めた。

その時だった!その飛行物体は、あっと言う間に、高速で一直線に急降下して、俺に向かって来たのだ。

「な、何だ、ああ、」

俺が、身構える暇も無く、その飛行物体は、俺の前に、舞い降りた。

そこには、鋼鉄の装甲を身に付けた、あの少女が、立っていた。

俺は、その姿に驚いた、あの時、彼女は可なりの負傷をしていた筈だったのだが、少女の体は、元通りの体に為っていた。

「良かった、直ったらしいな、何で、ここに来たんだ。俺は、礼程の事は仕手ないぞ!」

少女は、俺に、口を開いて言った。

「おい、お前、この前の仕返しに来たぞ!」

俺は、固まった。

「し、仕返し、何だ。俺は、仕返しされる程の事は仕手ないぞ!」

だが、少女は、俺の首に、大きな首輪をつけると、行き成り俺の体を引き裂いた。

俺は一瞬で意識を失った、次に気付いた時には、彼女のバトルベースの医療室だった。

俺は、何故か、全く身動きできなかった、俺は必死に目を動かして辺りを見回した。

すると、俺の姿が、ガラスケースに映っていた。

そこには、俺の頭だけしか無いのだ!身動き出来ないのは、それは、俺の体が無かったからだ!?

俺は、俺の頭は、それを知って気を失っていた。

暫く経って、また次に、目覚めた時には、俺は、何故か裸で箱の中だった。

戦闘要塞ブルーウイングの戦闘司令官、バトルクイーン、レスカフィールド、彼女は、今、本部からの、緊急指令を受けていた。

戦闘に入っていた、バイオモンスター人類と合成人間が手を組んで、多重体人類に、戦いを挑んで来たのだ。

そこで、合成人間の街を、ハイパーヒートボムで跡形も無く破壊せよ!

敵の経済拠点を消滅させる、それが本部の絶対命令だった。

レスは、少し考えてから、敵の拠点攻撃の前に、軍団規則の違反を承知で、単独で出撃をしたのだ。

あの街には、あの少年がいる、レスは、街を破壊する前に、彼に会いにいったのだ。

もう一度、彼に会いたかったのだ、そして彼を、敵の街の中で見付けた。

その時、彼女の気持ちが、大きく変わった。

彼を、助けようとしたのだ、そこで彼女は、彼を、自分の所に持ち帰る事にしたが、だが然し、その儘では、少し運びずらいのだ。

そこで、彼をコンパクトにして、レスはバトルベースに運んでいった。

持ち帰った、彼の首の下は、バトルベースの高度再生医療室で、ゆっくりと全身を再生していた。

まっさらの綺麗な身体に為った彼を、箱に詰めて、自分の部屋に運んだ。

部屋を無断で、自由に出入りする仲間の、メイに見付からないようにしたのだ。

だが、メイは、勝手に、箱を開けて、中を見てから、レスの眠っている。

ベットに入り込んでいった。

「ねえ、レスちゃん、ねえーてばぁ、私のレスちゃん、ほらあ、起きてえー、ねえ、ねえ」

「うう、なんだ?メイ、もう少し眠らせて呉れないか、仕事で疲れているんだ」

「もう、駄目よ、寝ちゃ、私と遊びましょうよ!ねえ」

「ああ、メイ、何をするんだ」

「ねえ、レスちゃん、あの箱、私のプレゼントなの?」

「は、箱、見たのか!」

「見たわよ!ちょっと、趣味が悪いけど、レスが呉れるのなら、嬉しいわ、何に使おうかしらねえ」

「駄目だ!あれは、私へのプレゼントだ!」

「ええつ、私に呉れないの?レスちゃん、どうしてなのよ!私の何が不満なの」

「そう言う事じゃ無い。あれは、ただ、私の物だ!」

「なんでえー、私に呉れないのー、そんなに、私が駄目な、女なのー、いいわよ、いいわよ、自分だけで、独り占めして楽しくて面白い事するんでしょ、もう、私なんかと遊ばないのねー、もうー」

二人がベットの上で、まるで夫婦げんかを仕手いるような所で、俺が、箱の蓋を開けて、小声で聞いた。

「あのー、俺の、服はどこですか?返して下さい」

二人が、こっちを向いた。何か、不味い雰囲気だった。

メイが、立ち上がり、こっちに来ると、俺が、慌てて閉めた蓋を、無理矢理に抉じ開けた。

「あわわわ、やめて、見ないでくれ!」

「なによ!こんな物、ねえ、レスちゃん、コイツ、間抜けな顔してるわよ!フフフフ」

嫌がる。俺の箱の蓋を、放り投げると、二人で中を見詰めているのだ。

「お前の服は、無い!あの街に置いて来た。だから、私の服でも着るしかないな」

俺が言う、
「着るって、体の大きさが違うでしょ?それに、性別だって、違うでしょ?」

二人は顔を見合わせて、メイが言う、
「そうねえー、それじゃあ、私のを貸して上げるわ、この儘でも、いいんだけどね!」

俺は、メイの、趣味の悪い可愛い服を着せられたのだ。

それを見て、レスが言う、
「戦闘服で、お前に、合いそうな服を取りに行くしかないな」

俺は、その儘の姿で、セントラルコマンドタワー内にある、バトルベースのドッキングポートの中を歩かされた。

レスの仲間に、会う度に、俺は恥かしい思いをした。

「あら、レスちゃん、それ誰?可愛いわねえ、ウフフフフ」

「あ、おい、レス、そいつは、誰だ!変な奴だなあー?」

「ああ、レスちゃん、あらまあー、酷い、いやあねえ、アハハハハ」

と、言う調子だ、俺は、もう、どうでもよく為っていた。

そこにレスが言った。
「ここで、先に、お前の登録と、戦闘データのコピーをする。」

俺は、驚いて聞いた。
「戦闘データって、俺は、戦闘経験なんかは、一度も無いんだ。」

横の、メイが言った。
「あら、無いんだ。何にも経験が、それで、レスちゃんが、コイツを連れて来たのね。フフフフ、教えがいが有るわよねえー、ウフフフフ」

俺が、メイを睨んだ、すると、メイが、
「なに睨んでんのよ!初めての癖に、私が体に教えて上げましょうか?コイツに!」

レスが言う、
「そうして呉れるといいが、コイツは、私の、戦闘データを与えるんだ。」

メイが驚く、
「なんで、最強のベストナインに入る、レスのデータを、こんな男に上げるのよ」

「仕方ないんだ。コイツは、野生の世界の未登録者なんだ」

メイがもっと驚く、
「み、み、未開人、未登録者、法治不適除民、雑民、」

「レス、それじゃあ、あのヘドロ民じゃないのよー、雑種交配クローンを、重ね続けた。人外よ!人獣、けだもの毛だらけ、乱暴しかしないゲテモノー」
俺は、驚いた、俺はそんなに、酷い毛だらけの獣なのかと思った。





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齋藤務作[超人類バトルクローンロイド]

2014-09-27 13:32:07 | SF小説


5、人工人間達の街

敵の急襲を受け、何とか逃れたが、広大な砂漠を彷徨い、そして、やっと辿り着いた砂漠の街には、異様な光景が広がっていた。

俺が初めて見る大砂漠の中の、その巨大な都市の街は、見た事も無い、名前も知らない巨大な街だった。

近代的なビルが重なるように立ち並び、それはある意味に置いて、可なり進んだ高度な科学と文明を表していた。

どこを見ても、見るからに美しい街並みが広がり、まるで絵に描いたように隅々まで清潔な街だった。

だが、街の人々は、歩く姿も間隔も、皆同じに規則正しく、整然として無機質で、まるで機械のように整列している。

そして、その表情は、誰も彼もが無表情で、感情の無い不気味な人々が通りを行き交う、そんな奇妙な風景が、どこまでも広がっていた。

立ち止まる事も無く無駄もない行動をしていて、ただ流れる人波は、何とも気味の悪い街の光景だったのだ。


砂漠を流離い、行く当てもない俺は、この街の、公共市民では無い 上に、自分の身分証も無い、そんな、流れ者の流浪の異邦人の違法入国者だった。

だが然し、俺は、この見知らぬ世界で、もう他には、どこにも行く所が無かった。

その為に、俺は仕方なく、先ず、ここで最初に、隠れて住む居場所を、海岸線の、プラントの下に決めた。

そして、次に、生きる為に食料の確保を考えた、街に戻って、食堂の裏に回って、食料を探す野良犬のようになったのだ。

廃材置き場を漁って、使えそうな物を集めた、その後、街の人とコミュニケーションを何とか取って、掃除や片付けをさせて貰って、

ようやく、生活が何とか出来るように、為った頃の事だ。


その日、俺が、朝から、朝食を取ろうと、自作の釣竿で、海岸で魚を取っていた時だった。

俺のいるプラントの向こうの上空で、突然と、空中戦闘が始まったのだ。

それに驚きながらも、俺が、暫く、その戦闘を眺めていると、大きな爆発と閃光の後で、俺の方に向かって、

何かが、突っ込んで来た、海面にバウンドして、海岸線の砂浜をスライディングして、俺の目の前まで転がって来たのだ。

俺は驚いた、それは、体が半分に引き裂かれた。戦闘型アンドロイドのように見えたからだ。

だが、体が小さく、丁度、少女位の大きさだった。

俺が近付くと、アンドロイドはバイザーを開いて、その中の美しく可愛い顔を見せて、俺を見上げた。

それは、瀕死の重傷を負った。人間の少女だった。

俺は驚いて、直ぐに辺りを見回した、それは直ぐにも、敵が、この少女を殺しに来るからだ。

俺は、覚悟を決めて、少女を抱き上げて、安全な所に隠そうとしたのだが、

俺が彼女を抱き上げて、運んでいる間、彼女は、鋭い眼差しで、俺を怪訝に見ている。

然し、それは不思議な光景だった、体の半分を失っているのだが、然し、その少女は涼しい顔をしている。

しかも、俺を睨んでいるのだ、俺が、その少女に話し掛けても、答える事も無く、ただ、黙って俺を睨んでいるだけだった。

彼女の負った怪我は、俺には手に負えない、体が二つに裂けた大きな傷で、彼女の着ている、戦闘装甲の服の中の特殊な機械が、

傷の痛みを抑えて、必要な生命維持を仕手いるようだったのだが、俺は彼女に対して、手当らしい事も、何もする事も出来ずにいるだけだった。

その為、俺は、仕方なしに、俺が持っていた、ランチボックスを見せて、作った中のサンドイッチを進めたが、彼女は、それを食べようともしない、

だがそれは、彼女が負った戦闘の傷が深く、可なりの重症だった為だと理解した。

そして、何時、敵が来るかも知れないのだ、俺は、彼女を護ろうとしていた。もっと安全な所に、彼女を運ばないといけない、

傷の治療もしないと、俺は、彼女の上に、ランチボックスを載せて、外の敵の様子を見にいった。

外では、空中戦闘が治まって、周辺を、何かを探すように、戦闘兵器が、飛び回っていた。

そして、俺が、彼女の所に、戻ろうとした時だった、彼女を隠した建物から、轟音を上げて、何かが飛び立って行ったのだ。

俺が見上げた空には、傷付いた彼女が仲間の元に、不安定に飛びながら帰って行った。

そしてやっと、全ての騒ぎが治まって、俺は ホッとした、その時、不図 気付いた。

俺の渡したランチボックスを、彼女は持っていったのだ。

俺は、それが少しだけ嬉しかった、俺を睨んでいた彼女が、俺の好意を受け取って呉れた事に、俺の気持ちが彼女に伝わったのだと思った。
「ああーー、彼女は、助かるだろうか?いや、助かる、絶対に助かる、そうだ、そうだ。うんうん、アハハハハ」

そして、俺は、瀕死の彼女の去った空を、晴れ渡った今日の青い空のように、清々しい気持ちで心地よく見詰めていた。


最終人類の、空中戦闘要塞バトルベース、ブルーウイングの戦闘指令室では、戦闘司令官の帰還を出迎えた。

直属の部下達が、ブルーウイング指令のバトルクイーンレスカフィールドの帰還作業を、慌ただしく仕手いた。

「レス指令、ご無事で、良く、ご帰還をされました。敵のメサイヤは、撃破しました。指令の、捨て身の攻撃が、決め手に為りました。本部にはもう、報告済みです。」

「そうか、あの、赤いメサイヤは、中々手強かった。」

「レス指令、手の持たれているのは、それは、何ですか?」

「んん、ああ、美味しい物だそうだ!」

「は、はい、あ、規則ですから、こんな物は廃棄して下さい。いいのなら、こちらで処分します。」

「いや、これは、私の戦利品だ。私の部屋まで持っていく」

「は、はい、分かりました。」

レスは、引き裂かれた体を、新しい体と交換して、自分の部屋に戻って行った。

この戦闘要塞は、最終人類と呼ばれる、人類達の盾と為り、剣と為る、最強の戦闘軍団の移動戦闘要塞だった。

かつて、人類が、幾つにも分かれて争っていた、だが、人類の最大の敵が現れて、人類は滅び掛けたのだ。

そして、残された、人類たちは、自分達の体を増やして、存続を続けていた。多重体人類、彼らはそう呼ばれている。

俺がいる街は、合成人間の街だった。

彼らは、人でも無く機械でも無い、感情の無い、亜人のような存在だった。

彼らは、主に経済や、工業製造を、おもな仕事として、合成人間の国家を運営していた。

彼らは、戦争はせずに、多重体人類と共存している、だが、俺は、ここにも、長くはいられない。

一刻も早く、俺のいた世界に帰らなければいけないのだ。

だが、俺は、俺のいた世界にどう戻るのか?俺は、その思案に暮れていた。

そんな時だった、俺が合成人間の街で、雑用の仕事をして、水と食料の一部を分けて貰っている時に聞いた事だ。

機械人類と戦闘を仕手いる、多重体人類が、今度は、バイオモンスター人類と戦争を始めたのだ。

この合成人間の国家も戦闘に巻き込まれるかも知れない、俺は、そろそろ、この街を出ていく時期が来た事を感じた。

そして、その後すぐに、俺は、また再び、あの少女と出会う事に為ったのだ。





個人雑誌グラス編集部、副編集長兼雑用、主力作家の齋藤 務、

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齋藤務作[超人類バトルクローンロイド]

2014-09-27 13:28:03 | SF小説

4 脱出

連れて行かれた場所では、アンドロイドたちの上官のアンドロイド司令官がいた。

そのアンドロイドの司令官は、俺に、尋問を始めた。
「お前が、わが軍の偵察部隊の指揮官の、コマンダーセンサーゼプトkに、協力した人間か?お前の、データを調べたが、この世界には、お前は存在していない。お前は、滅んだ筈の前期人類以前の人類に近いようだが、今、我々が戦っている敵の多重体人類とは、お前は違い過ぎる、生身の人間だ。不完全生体クローンでも無い、お前の所属を、答えて貰おう」

俺は、その司令官に、答えた。
「俺は、嵐山 勇士、日本人だ。日本と言う国の、国民だ!二十一世紀の人間だ!分かるか?」

「二十一世紀?今から、六百年前の世紀の人間なのか?どうやって、この時代に来たのか、答えろ!」

「爆発だ!何かの爆発だ。後は分からない?」

「爆発だと、いい加減な事を言うな、重力反転素粒子のタキオム波動加速器の原理だろう、多重体人類が開発していると聞いたが、完成したのか?」

「そんな事は、知らない?俺をどうする積りだ!」

「お前は、わが軍の陣地の有る、位置を知って仕舞った。その為、抹殺処分しか無い。然し、お前の協力には感謝しよう、以上だ!」

俺は、機械軍隊のアンドロイド指揮官の判断で、抹殺処分に決まって、地下の牢獄に入れられた。

そこに、俺が、助けたアンドロイドがやって来たのだ。
「お前、まだ生きているか?元気か、ならいい、私は、もう帰る」

「ちょ、ちょっと待ってくれ、ここに今来たのに何だよ、帰るな!」

「分かった。帰らず、ここにいよう!」

「で、ここに何しに来たんだ?」

「お前を、見に来た」

「俺を、見に、何のために?」

「私は、もう、解体される、任務が済んで用済みだ。だから来たんだ、任務が果たせた、お礼を言いに来た」

「アンドロイドが、俺に、お礼を言いに?そんな事より、俺を、助けて呉れ!」

「私には、無理だ、上の決定に逆らえない」

「お前は、俺に、約束した筈だ。俺の望みを叶えてやると言った筈だ!」

「言った、然し、お前を助ければ、裏切る事になる。仲間を裏切れない」

「何だよ、自分が解体されるのに、まだ、仲間の命令を聞くのかよ」

「そうだ、それが、私達、機械人類だ」

「機械人類だって?人類って言うのは、もっと、個人を尊重するものだ。解体とか、抹殺とかじゃ無くて、分かるか?」

「分からない!」

「きっぱり言うのか?」

「そうだ!」

「なら、もういい、帰っていいよ、君も解体だろ、君は立派だよ尊敬するよ、俺が、機械人類達に変わって、君の功績を称えて勲章を授与したいよ!アハハハハ」

「そうか、なら勲章を」

「ここで、君に渡す、勲章があると思うか?」

「無いのか?」

「そうだ、俺の取った、最高の勲章を上げたいよ!」

「最高の勲章?」

「騎馬戦で勝った、一等の勲章だ!」

「騎馬戦?」

「そうだ、とても名誉な勲章だ!」

「そうか、なら勲章を」

「だから、ここには無い」

「無いのか?」

「無い!」

「どこに、あるんだ勲章は?」

「それは、俺のいた世界にある」

「そうか、それなら、勲章を、取りにいこう!」

俺と話をしている、この、アンドロイドはどうも、酷く勲章が欲しい様だった。

「お前に、渡す勲章を、取りに行きたいが、檻から出してくれ、そうすれば、直ぐに俺の世界に行って、取りにいける」

「分かった。だが、お前を出せば、仲間が来てしまう、少し、待っていろ!」

俺が、そのアンドロイドを、待っていた時だ。

突然、サイレンが鳴り、この陣地が、敵の攻撃を受けたのだ。

激しい砲撃戦と爆発、俺のいる。地下の牢獄まで被弾した。

俺は、ベットの下に隠れていて、何とか死なずに済んだが、

この機械人類の陣地は、敵に急襲されて、大きな致命的な被害を受けた。

機械人類の戦闘部隊は、反撃する事も留どまる事も出来ずに、ここでの全滅を避けて、慌てて後退して行った。

機械人類の大軍隊は、処刑する筈の、捕虜の俺を一人残して、全軍で撤退して仕舞ったのだ。

この陣地に後から来た、敵の軍隊は、少人数の多重体人類の戦闘部隊だった。

しつこく、この施設を徹底的に破壊している、俺は、何とか、破壊された檻を脱出したが、暴れ回る敵に見付からない様に、物陰や砂に隠れながら、

その敵達を避けて、俺は一人、当ても無く、彷徨うように砂漠を渡り、やっとの事、大きな街に辿り着いた。

そして、そこで俺が、目にした物は、驚くべき光景だった。


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2017年1月24日、文章修正、