ついに
バスコレクションの9弾が発売された。
今回はシリーズ初めて、沖縄のバス会社・琉球バスがラインナップされた。
しかし、シリーズで初めて鬼籍に入った事業者でもあり沖縄と縁のある私としては手放しに喜べない複雑な思いもある。
新生の琉球バス交通には
労使協調の下、沖縄の公共輸送を遂行していただくことを願いたい。
さて、製品は沖縄本島のバスらしさがよく再現されているのでゆっくりみてみよう。
まず、前後窓下に数字を書いた系統板が目を引く。沖縄本島の路線バスでは必ず取り付けられている物。沖縄の人は「△△バスの××行き・・・」とは言わず、系統板「○番のバス」という言い方をする。
共同運行の路線が多く経由も複雑な路線が多いので、こっちの方が合理的な言い方なのであろう。
製品では、27番。那覇バスターミナルから
うるま市の屋慶名(やけな)を結ぶ屋慶名線である(製品は那覇行きの上りの設定)。
フロントガラスに目を向けると、向かって右側の窓下と窓上に黄色地に黒文字で、『久茂地経由』と『久茂地』と印刷されている。
これは、方向幕に入らない経由地を補足するために車内から表示されるプレートの再現。この『久茂地(くもじ)』とは那覇バスターミナルの近くで、沖縄県庁と那覇市役所、国際通りの入口の集まる沖縄・那覇の都心部の地名。
窓上のプレートは、内地(沖縄以外のところ)では『ワンマン』と表示される部分(法規改正により義務化は廃止された)にあたり行灯式になっている。
多くが那覇市内中心部(牧志や開南等)を表示しており、那覇市内からだと利便性を感じることは少ないが那覇市内は向かう上り便ではありがたい表示だ。
方向幕は細かい文字で経由地が縦書きされ、終点の那覇だけ横書きである。
これは、沖縄本島のバスの殆どの車両が同じ表記方法である。
ドア横にも方向幕とほぼ同じ内容が表示された行き先板が表現されている。
方向幕・行き先板に表示された地名は、始発はうるま市の与勝半島の屋ヶ名。宮城島・浜比嘉島・伊計島への海中道路の入口でもある。
同じうるま市の安ゲ名は古城と闘牛の街。
沖縄市のコザは多くのアーティストを輩出した芸能の街である。
大謝名(おおじゃな)は、基地問題で揺れる
宜野湾市このあたりから、車の台数も増えてくる。
そして
浦添市を通過し、
那覇市へ入って終点の那覇バスターミナル・・・。
1台のバスコレから、彼の地への思いを馳せるのも楽しいものである。