小関茂(こせき/しげる)
という歌人がいました。
こんな歌を作る人です。
★今日も亦おなじ雲のいろ、あゝアミーバが、あの原初の生物が(小関茂歌集Ⅱ)
★平野から光った粉が飛び立つのだ。きらきらと空がゆれている。(小関茂歌集Ⅱ)
★夜深く無人エレベーターのボタンを押す宇宙進化論を封筒に入れて(小関茂歌集Ⅲ)
★記憶もつエレベーターは一つ一つランプを消して八階を過ぎる(小関茂歌集Ⅲ)
★最新の流行ですかそれはまず家を建てることとかぜをひくことです(小関茂歌集Ⅲ)
いわゆる
「口語自由律」の歌人で、
一見すると
現代口語短歌に通じるような、
不思議な魅力を持つ短歌を
詠んだ人でした。
小関茂botを作った人間として、
彼のことを書かないと
いけないのではないか、という
使命感に駆られて、
少し書いておくことにします。
まずはじめに、
残念ながら小関茂は
『岩波現代短歌辞典』(1999年)に
記載されていません。
なのでbotの
紹介文からまずは引用。
『明治41年(1908)4月25日、北海道生まれ。前田夕暮に師事し「詩歌」にて作歌。戦後「人民短歌」創刊に参加。「地中海」創立同人。昭和47年(1972)7月11日、64歳にて没』
簡単に言えば
岡本太郎と同世代で
戦争を経験しつつ、
オイルショックあたりで
亡くなってます。
紹介文のうち、
キーワードとして、
「前田夕暮」
「詩歌」
「人民短歌」
「地中海」
の4点が出てきました。
このうち、
最後の「地中海」から書きます。
これはさきの
『岩波現代短歌辞典』に
ありましたので引用。
「短歌結社、またその機関誌。一九五三年五月、編集発行人香川進、印刷人山本友一によって発刊」
要するに短歌結社の
名称なのですが、
ここに出てきた
香川進という人物が
小関茂について
書き残しています。
つづく
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