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ほな

ある日の忘備録

三位一体

2023年06月25日 15時56分10秒 | 思うこと

花王名人劇場の再放送、『山城新伍独演会』の録画を観る。
時代の大らかさに胸をうたれる。
思わず、あの時代の空気のにおい、ラーメンの味、街の風景を思い出した。

その中でも「おっ」と思うたのは、芸能レポーターの梨元勝との対談でのこと。
山城新伍いわく、噂話(ゴシップ)は最低3人の人間を殺す、というユダヤ教の諺があると。
「言いふらした人間を殺す、言われた人間を殺す、聞いて喜んだ人間を殺す」

 

 

それを聞いて、『迷走王ボーダー』を思い出す。
この場面を読んでから、芸能ゴシップに関しては冷めた目を持つようになった。
しかし山城新伍の、見つけるのは芸能レポーターの仕事で、見つけられたらこちらの負け、という芸能の世界で生きる者としての矜恃に感心する。


屈託

2023年06月24日 23時21分07秒 | 思うこと

西村賢太のETV特集、自分は西村作品は未読なれど、興味があったので録画していたのを観た。
自分もかつて抱えきれない屈託を拗らせ、中島らも、野田知佑、狩撫麻礼、町田康、篠原勝之に救われてきたので、ふむふむとなる。

その中で印象的だったのは、西村作品に救われた「かつての青年」が、今は結婚をし子宝にも恵まれ一家を成していた場面。
彼の奥さんは西村作品を読みたくないし、娘にも絶対読ませたくない、と。

実に正しい奥さんで、自分の屈託を他人(ましてや嫁)に肯定してもらうのはアカン。
価値観の共有は徒弟制度の世界であろう。


調和なき世界

2023年04月02日 10時48分25秒 | 思うこと

漫画『タコポン』で印象的だった場面。
技術の進歩と人の精神の進化、その調和なき世界への警告。

 

開高健のエッセイでも、それと少し似た話があった。
空港で長時間トランクに座りこんでいる男に空港職員が声をかける。
男は、「精神が追いついて来るのを待っている」と。

確かに技術の進歩というのは、多数が望んだ結果でもあると思うし、自分もその恩恵には大いにあずかっている。
しかしいつ頃からか(ここ数年?)、その進歩の速度に、何つーか、ちくと恐れを感じるようになった。
単に老化による興味の薄れ、というのもあるのだろうけど。


防衛本能

2023年03月26日 02時51分04秒 | 思うこと

サッカーにしろ、野球にしろ、アイドルにしろ、ダンスにしろ、政治にしろ、大衆が何かに熱中する様相というのが、自分にとっては気色の悪いものでしかない。
自分でも理由はよく判らへんのだが、そういう状況に身を置く「怖さ」を感じるのだ。

多分、トランス状態なって自我を抜かれることへの防衛本能か。
この辺の感覚が、自分が世間から変わり者、何を考えてるか判らへん奴扱いされている理由の一つであろう。


醍醐味

2023年02月23日 14時18分45秒 | 思うこと

以前記事に書いたのであるが、何でか知らぬけど五十を過ぎてから何時身罷ってもおかしくないな、と思うようになった。
四十代までの自分なら著名人の訃報にふれても、「あぁそうか」てなもんで、村上龍や狩撫麻礼の教えもあり感傷を尻目に殺して来た。
それが例え、十代の自分に多大な影響を及ぼした中島らも、野田知佑、狩撫麻礼の3人が亡くなっても、だ。

しかし近頃、アホでトロい自分でも、おやこれは、と思うようになった。
自分が事故や急病で身罷らない限り、好きな作家や漫画家やミュージシャンや笑芸人など、軒並みその訃報に接することになるかも知れない、ということ。
自分がもう五十過ぎなので、彼らも還暦を過ぎているのだ、ということに今さら気付いたのである。

しかも自分と家人の両親も、八十を過ぎてなお健在。
人生の醍醐味を、これから味わうことになるのだな。
腰を据えねば。


ニュー「ニューミュージック」

2023年02月22日 20時18分31秒 | 思うこと

80年代狩撫麻礼作品におけるキーワードの一つである「ニューミュージック」。
ニューミュージックという言葉が世に出て流行っていたのは、自分が小学生中学生の頃で、何となくは判るのだがピンと来ない。
なのでオフコース、松山千春、アリス、さだまさし、中島みゆき、尾崎豊(自分の中で彼は若年性ニューミュージック)など、自分よか少し年上の人が聞くもの、という印象があり、正直いい歌やな、と思う曲もある。

そもそもその時代にガッツリ音楽を聴いていて、ニューミュージックなるものの出現を体験した者でないと判らぬだろう。
しかし自分にとっての、ニュー「ニューミュージック」というべき音楽はある。
TMネットワークとかその他の小室系とかB'Zとかコブクロとかゆずとか・・・

いまだに生理的に受け付けず、「恥を知れ」といいたくなる。


そういうタイプの人

2023年02月04日 10時03分01秒 | 思うこと

プログラミングができたり、それに関する著述もしているパソコン関係に強い外国籍の知人がいる。
しかしその一方、書類に書かれている文字や数字の入力などのごく簡単な作業が、自分の思う書式から外れていると出来ず、アホなんかカシコなんかよく判らない。
普段の彼は周りを拒絶するような挙動をし、ごくたまに感情のコントロールがきかず泣いたり怒り出すことがある。

自分は、日本人でそういうタイプの人と身近に接したことがない。
そういうタイプの人は、日本なら小さい頃から施設に入れられるているからだろうと推察する。
前述の彼は本国で、小さい頃からゲームやコンピューターを与えられた環境で育ったおかげで一芸が身に付いたのだろう。

日本に来るまで虐められていたそうだが、彼の一芸が日本では自分の身を助けることになったわけだ(それはすごい確率のマッチングであるけど)。
ここでふと考える。
実は眠っている「人材」は、意外と多いのではないかと。

絵画や造形などの美術分野で、日本のそういうタイプの人たちの活動を、テレビで見たことは何度もある。
しかし、それ以外のそういうタイプの人の中でも、もし環境、出会い、きっかけ等あれば、また違った能力を発揮する人が出現する可能性は十分あるのではないか。
じゃあお前が、その環境、出会い、きっかけを与えられるんか、といわれれば黙るしかないわけだが。

 


この歳になったら

2022年12月03日 10時09分50秒 | 思うこと

自分らが子供の頃と違い、今では六十代、いや七十代前半で亡くなっても早いな、といわれる。
しかし五十を過ぎた自分の、老け方とか体調とかから来る実感としては、この歳になったら何時なにかあってもおかしくないな、と思う。
悲観的になっているわけではないし、特に体調が悪いとかでもなく、まあ、ただ実感としてそういうもんだな、と。


ルーズな戦争

2022年09月11日 20時22分36秒 | 思うこと

インターネットや端末の普及で、より簡単にたくさんの情報を集めることができるようになった。
しかし人というのは自分が信じたい、自分に都合の良い情報ばかりを集めがちである。
それらをもとに、政治、疫病、健康法、戦争、スポーツなど、噛み合うはずのない意見を戦わせている。


上記のような有様を目にすると、『オールド・ボーイ』のセリフを思い出す。
戦場はパソコンやスマホのモニターに移り、勝者なきルーズな戦争はいや増しに増す。