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ほな

ある日の忘備録

『国宝』

2025年06月29日 02時25分12秒 | 映画

映画『国宝』を観た。

事を為そうとする、何かを得ようとする、それらを欲する気持ちが強ければ強いほど失うものも大きくなる。
この作品の場合、題名にあるとおりの結末なので、上記のようなことがあって、そこに至るまでが見どころ。

しかし自分としては、大切なものを失うだけ失い人間国宝になれないどころか、たいした役もつかず、それでも舞台に執着する姿とか、もしくは人間国宝に選ばれたものの、認定式に向かう車が事故にまきこまれて死んでしまうとか、そっちを望んでしまう。
狩撫麻礼の読み過ぎか。


『侍タイムスリッパー』とバトン

2025年03月15日 09時22分00秒 | 映画

『侍タイムスリッパー』を観てきた。
有給とって家人と映画でも観に行こか、と調べたところ、地元のシネコンでいまだにこの作品を上映していることを知り即決。

出演している俳優さん皆んな、脚本と演出、音楽、作品を作っているスタッフの皆んなすべてが素晴らしく、とにかく観終わった後、思わず拍手しそうになったくらいである。
ドラマ『スローな武士にしてくれ〜京都 撮影所ラプソディー〜』と同じく、あの手この手で大切なバトンを次へつなごうとする切実な思いと情熱が、どストレートにズバンと胸に来た。

もう少し待てば配信で観ることができたようであるけど、いやこれは劇場で観てほんま大正解。
特に侍と侍が切り結ぶ場面は、脚本の巧みさと俳優の技量により、もちろん殺陣師が殺陣をつけているのだけど、そうには見えない緊張感とド迫力であった。

なんて書いていたら、この嬉しいニュースにおめでとうさんだ。
シネコンでは1日1回の上映だけど、これでもっと続くかも。


『鬼平犯科帳 血闘』

2024年05月25日 09時21分35秒 | 映画

『鬼平犯科帳 血闘』を観てきた。
時代劇が廃れたこの時代に、大金と最新技術をぶっ込み、古くからのファンが付いている人気作ゆえ失敗は許されない状況下での復活、大した気概である。

しかし何というか、陰惨な場面を強調したり、セリフがくさすぎたり、必要以上に立ち回りが多すぎたりと、判りやすさを狙いすぎではないか、と感じた。
確かに劇場版なので観客をお腹いっぱいにしてやろう、という気持ちはありがたいのだが、そのせいでちょっとしたセリフや表情で人の心の機微を表すという、原作やこれまでのドラマ版の肝の部分を殺してしまっているのはないか。

でも俳優陣の演技はとてもよかった。
それだけに、「池波正太郎生誕100年企画」とあるので、もうちくと原作を大事にしてもらいたかった。


『釣りバカ日誌4』を観て

2024年05月19日 12時23分30秒 | 映画

『釣りバカ日誌4』(1991年作)の録画を家人が観ていて、自分も横目で眺める。
その中でも、重役会議の場面が気になった。

会議の議題は、新入社員の離職率の高さについて。
おそらくではあるが、設定上の重役は五十代半ばくらいであろう、ということは現在の自分の年齢ぐらいで、えらい(とてもの意で方言)歳とってもたなぁ、と今更思う。

そして議題にあがっている新入社員たちは、1991年で新卒入社としたら、これもほぼ自分と同い歳(学年で一つ上)。
ファックスで退職届が送られてきた、とあるが、今時のeメールでとか代行業者を使うより、当時の空気からしたらそれらより尖ったやり方だったであろうことは想像できる(この事例を当時の自分は知らなかった)。

でも今の時代との一番の違いは、バブルが弾けたとはいえ、若者はまだまだ仕事も選べたし、フリーター(当時は無職扱い)でも少しは稼げた、ことであろう。
ま、ええことばっかりではないし、簡単には比較できんけどな。


ブルース・ブラザーズ

2024年01月24日 21時56分59秒 | 映画

正月に録画していた『ブルース・ブラザーズ』をようやっと鑑賞。
ドホホアババビギャギャガビーガビーと、家人と笑い転げる。

1を100にでも10000にでもする、こんなオモロイ映画あるか?
英語解ったらもっとオモロイんやろけど、字幕でもひっくり返るほどオモロイ。

オモロイだけではなく、力で押さえつけようとしてる者たちへ、クールに抵抗する姿も格好いい。
初めて観たのが10代で、それから何回も観て、50代の今観ても感想は変わらない。


『ダウン・バイ・ロー』

2023年12月31日 13時30分31秒 | 映画

録画していた『ダウン・バイ・ロー』を観賞。

物語はこれといった盛り上がりもなく、しかし不穏さは楽曲のベースラインのように流れており、程よい緊張感を保ったままラストを迎える。
登場人物の設定、佇まい、衣装の着こなし、会話、カメラアングル、風景、音楽、いずれも素晴らしい。
あんまり物語に興味はなく、どう見せるかという監督のセンスが画面の端々にまで表れる作品を好む自分には、大変楽しめた。


映画『かぞく』

2023年11月29日 13時00分00秒 | 映画

映画『かぞく』、アマゾンの配信にて観賞。

土田世紀の原作は、短編というより掌編といった頁数なのだが、監督の澤寛は更に台詞を削ぎ落とす。

物凄くリスキーな挑戦であり、監督にはそうしてでも表現したい映像や音があったのだろう。


残念ながら自分にはそれが伝わらず、監督と自分では原作に感じ入った部分がずいぶん違うな、というのが率直な感想である。

ツッチーのエッセンスはことごとく消されており、あえて全く違うアプローチでの映像化に挑もうとしたのだろうか。

とまあ、原作への思いが強いので肩透かしをくった気分なのだけど、もし原作を未読で鑑賞すると「男前が雰囲気出しているだけの映像」にしか見えないのではないか。


しかし自分が如き何を言おうが作品は監督のものであるし、ベストセラーでもないペラペラの一冊の漫画を映画化させた情熱と実行力は大したものである。

これを機に、原作も重版が決定したと聞く。

なにはともあれ、ツッチーの作品が読み継がれる一つの切っ掛けとなったのは、大変に喜ばしいことである。


『シン・ウルトラマン』

2022年05月29日 12時40分21秒 | 映画
『シン・ウルトラマン』を観てきた。

脚本は庵野秀明、監督は彼と気心が知れた樋口真嗣、ということでやや普遍性に欠ける内向的な作りになっているのが鼻につく。
そして彼らの過去作を知っている人なら、あれ、これ観たことあるな、という場面が幾つかある。
しかしである、そこはウルトラマンを観て育った数奇物たちが作った映像作品、そりゃ見せ方が抜群に格好いいし、特にクライマックスはそこでこう来たか、と鳥肌ものであった。

作品世界を子供っぽくしないため、(作品世界内の)専門用語が飛び交う場面が幾つかあるが、それも難しいことを言っているように聞こえるが、結局はそういうことね、と理解しやすいよう工夫がなされている。
オリジナルのエピソードをいくつか使い、そこに現代風の解釈を加えて上手く繋ぎ、それによって更にはオリジナルの価値が高められているのも凄い。
んで、庵野秀明作品を全部観たわけではないのだけど、どうしようもない業も含めての「人類讃歌」、人間はクソな存在だけど捨てたもんじゃないぞ、そういうふうな彼の希求を強く感じた。


『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

2022年02月16日 20時39分06秒 | 映画

インターネット配信にて、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』鑑賞。

自分としては『マッドマックス』といえば一作目が好きで、あのヒリヒリとした緊張感がたまらぬし、衣装やバイクと車のカスタマイズも最高である。
なので二作目以降はピンとこなかった。
でも復活ということで期待したのだが、またあの路線かと思うと、封切りに行くことはなかったものの、頭のどこかでは気になっていた。

休みの日、ビールの酔いも手伝い、うりゃあっと鑑賞。
正直、呆気に取られた。
が、翌日になると、あの青空と砂漠と馬鹿騒ぎが妙に懐かしく、また会いたくなってくるから不思議。

一つ苦言があるとすれば、サブタイトルはオリジナル通り「フューリーロード」のままの方がカッコ良かったのではないかと思う。


場違いな気恥ずかしさ

2019年12月25日 20時44分02秒 | 映画

映画「カツベン」、鑑賞。

自分の心に何も引っかからない、スルスルっとした映画だった。

これは馬鹿にしているのではない。

雑味がなく娯楽の精髄のみを抽出したような映画だった、ということ。

ただ、こういう映画を観た後の感じというのは、人様の披露宴に出席したときの場違いな気恥ずかしさに似て、何か居心地の悪さを感じる俺はどうかしているのかも知れない。