
「迷走王 ボーダー」
これが狩撫漫画との最初の出会い。
18歳のときだから、かれこれ23年前。
内向的な性格で世間知らずだし、それゆえ世間への折り合いの付け方もわからず、イライラ悶悶としていた日々。
そんなとき読んだものだから、それはもう乾いたスポンジが水を吸うが如く。
こういう生き方考え方もありなんだ、と非常に馬鹿くさいが、勝手に自分が肯定されているような勘違いをおこし、何度も何度も繰り返し読んだ。
この漫画を、「所詮はバブル期のメルヘン」であるという意見を目にしたことがある。
確かに自ら極貧を選ぶ設定はバブル期だからこそかも知れないが、蜂須賀の哲学は世相に関係なく不変であると思う。
それに蜂須賀は、左翼的、ある種の教条主義的とも言えなくもないが、それがどうした、である。
「リスクを負わねえ奴は決して成長しやしねえんだ」
これがすべてである。
で、41歳になり「ボーダー」を未だに面白がっている自分はと言えば冴えない自営業者で、一応結婚はできたが偏屈がたたって貧苦にあえぐ日々。
世間に対し下らん理屈こねたり悪態をついては、奥さんに冷たい目で見られている。
勘違いが未だに直らんアホだ。
しかしこの漫画が好きだった人たちって、今はどうなんだろ。
「バブル期のメルヘン」的な事は当時からよく言われてましたね…この原作者の作品は「大人向けの童話」みたいな
ところがありますね。
初読時から37年・・・あの時の気持ちとか、開放感とかも、忘れられないです。